駿君の家族日記 3
駿君相談役がF3に決定?したところで総パパだけでは他の二人が黙ってなさそうなので、考えついた短編です。
司をのけ者にしたら「俺はお前の父親だぞ、相談するなら俺だろう」と青筋立てそうですが・・・。
駿君が司パパに相談するとしたらどんなこと?
それが一番悩みそうだ~。
*学校が終わって迎えの車を待つ。
「プッ、プッ」と音を鳴らしたのはボクんちの車じゃなくてあきパパの車だった。
「よっ」
後部席の窓がスーと開いてあきパパがにこやかにほほ笑む。
周りから「キャー」と声が聞こえたのは同級生じゃなくて先生達。
未だにF4というのは英徳では伝説的な存在で、僕が道明寺司の息子だということで入学式から一目置かれてた。
お父さんとお母さんが連れだって現れた入学式。
僕らより親族席の方が落ちかなくて目立っていたと僕は思う。
「きゃーかわいい」
「パパそっくり」
言われるたびにうれしいより恥ずかしくなる。
僕は僕なんだ!
「今日は俺が迎えに来てやったぞ」
時々パパ達が僕を迎えに来ることは幼稚舎の頃からあった。
それは運転手の里井さんが迎えに来てくれるよりちょっぴり嬉しくて、楽しくなる。
パパ達が迎えに来てくれるとそのまま家に帰って遊んでくれるから大好きなんだ。
どうせ今日もお父さんは帰りが遅いんだ。
「この前、総二郎に相談したこと聞いたぞ」
「お前も大変だな」
大変だなと言いながらプッと吹き出すあきパパ。
全然大変だとは思ってそうな雰囲気じゃない。
「僕、もう一つ分からないことあるんだ」
「じゃあ、今度は俺が聞いてやる」
ここで喋ったことはきっと総パパにも伝わるのだろう。
それでも別にかまわないと僕は思っている。
いつもみんな僕の味方だと知っているから。
「あのね、お父さんに僕たちは一人で寝るのに、お父さんだけいつもお母さんと寝るのはずるいって言ったんだ」
「そしたら、お父さんが、お父さんとお母さんが一緒に寝ないと僕も弟達も生まれなかったって言ってお母さんに殴られてた」
「どうして一緒に寝ないと僕らは生まれないの?」
「・・・・」
「司のやつもっとましな言い方ねぇのか」
「駿を相手じゃ俺も教えられねぇ」
小声のブツブツもしっかり僕には聞こえてる。
「分からないの?」
「いや!分かる!分かるけどな・・・」
「つまりだな、結婚して仲よく一緒に寝てるとママのお腹にだな赤ちゃんが来るんだよ」
あきパパにしては珍しく考え込んでいる。
いつもすぐになんでも答えてくれるのにな。
「それ知ってる!」
「ヘッ?」
「ママのお腹に赤ちゃんのタネを入れるんだよね」
「そのためにはお父さんが重要なんだってお父さんが言ってた」
「どうやってタネを入れるの?」
「・・・え?」
完全にあきパパが考え込んだ。
「駿、それは言った本人に直接聞け」
僕の両肩に置かれた大きな手のひらがキュッと肩を掴む。
「あの馬鹿!」
あきパパは吐き捨てるように叫んだ。
きっと・・・
バカってお父さんのことだ。
タネ・・・
確かにそうだけど・・・
これを聞かされたらあきらも答えようがないですよね(^_^;)
ここでも一番苦労させられるのはあきらなのかな。
拍手コメント返礼
hanairo様
うちも「お腹の中にどうやって赤ちゃんが来るの?」聞かれました。
あ~うちだけじゃなかった(笑)
さすがに「タネ」とはいいませんでしたけどね。
高学年になると逆に聞かなくなりますね。
しっかり性教育の授業は受けてるようで、きっとおぼろげには分かってるんだろうなって感じです。
今は「生理」の話とかする時ありますね。
私は母親とそんな話した記憶ないんですけど・・・。
今のほうがじっくり話せますけどさすがに小学生1年生に説明するのは焦りますよね。
りんご様
コメントありがとうございます。
タネ(笑)
思わず大人が絶句するネタを意外と子供は提供してくれるものです。
司ならテレもせず「タネ」って言いそうですよね。
あきらと総二郎には無理だろうなぁ(笑)