駿君の家族日記 4
次はやっぱり、類を登場させないといけないと勝手に思って考えたお話です。
*「駿、一人なのか?」
類パパが突然やってきた。
類パパにしても総パパ、あきパパにしても昼間に遊びに来ることが多い。
「司がいるとお前達と遊ばせてくれないからな」
そう教えてくれたのはあきパパ。
僕よりも舞を触られるのを嫌がってる様な気がする。
パパ達が来てる時は絶対お父さんは舞を抱っこしてるもん。
「お母さんは翼達を連れて病院だよ」
「病院?」
「どのくらい二人が大きくなったか診てもらうって言ってた」
検診とか予防接種とか言ってたっけ?
「で、留守番か」
えらいなって類パパはにっこりと笑って僕の頭をなでてくれた。
たいしてえらいわけでもないと思うけど類パパがにっこり笑うと僕もうれしくなる。
「ねえ、類パパ付き合ってくれないかな」
「ん?」
「外に行きたいけど一人じゃ行かせてもらえないから」
「買いたい物があるんだ」
類パパに待ってもらって準備をして二人で出掛ける。
歩いていける距離。
今日は黒い服のおじさん達もいなくて類パパと二人。
こんなことはめったにない。
この前お母さんに連れて行ってもらった小さなお店。
この時は黒い服のおじさんが3人ついてきた。
お母さんは店の中には入らないでねっておじさんたちを待たせてる。
でも店の前に立つおじさんに怖がって誰もお店の中に入ってこなかった。
糸の付いた三角アメ。
包み紙を開けるとそこに『あたり』と書いてあるガム。
いろんなおかしがいっぱい並ぶ。
「駄菓子って言うの」とお母さんが教えてくれた。
「ここならいっぱい買えるわ」って僕よりお母さんの方が楽しそうなんだ。
お片付け出来たら10円。
お手伝いできたら10円。
時には良く出来たって20円をお母さんが僕にくれる。
貯まった200円をしっかり握って類パパに連れてきてもらった。
「ここ何だ?」
「おかしがいっぱい買えるの」
手をつないだまま類パパを見上げる。
「店ごと買っても問題ないと思うぞ駿」
「そんなに食べれないもん」
「くじが当たるのがうれしいんだ」
「くじ?」
「当たったら、一個タダでもらえるんだよ」
ポケットからあたりの紙を取り出して類パパに見せた。
結構自慢してる僕。
「司なら屋敷の中に店を作った方が早いと言いそうだ」と類パパが笑った。
袋に買ったおかしを入れてもらって大事に持つ。
3人で分け合って食べてもいっぱいある。
翼と舞はまだ小さいからお母さんに聞かないとあげられないけどゼリーくらいは大丈夫かな?
少し心配になった。
「今日はありがとう。ハイ!」
袋の中から棒に付いている黄色いアメをとりだして手を上にのばす。
それでも類パパの口までは届かなくて、背伸びをしても胸のとこまで。
「くれるのか?」
「うん」
そのアメをすぐに類パパが受け取って食べてくれた。
「うまい」
手をつないだまま一緒にアメを食べながら歩いた。
本当は食べながら歩いちゃいけないって言われてるけど今日は特別だと思う。
「今度はおとうさんと来たいな」
「おとうさんと二人は止めた方がいいかもな」
「どうして?」
「駄菓子をちまちまと選んで買う司は想像できないしな」
「短気な奴だから店の物全部くれと言いそうじゃないか?」
そんなことしたらまたお母さんが怒っちゃうかも。
そしたらまたお父さんはお母さんに「この下着を着ろ」って言うのかな?
やっぱりお母さんに連れてきてもらった方がいいみたいだ。
「また一緒に行こう」
類パパがニコッと笑ってくれた。
「そんときは牧野も一緒にな」
それはそれでお父さんの機嫌が悪くなると僕は知っている。
類にどんな相談?
浮かばなくてこんなお話に仕上がりました。
これならありそうじゃないですか?
拍手コメント返礼
きんた様
「そんときは牧野も一緒にな」
類ならされリと言いそうじゃないですか?
私も一生独身でいてほしいなんて思います♪
匿名様
類の優しい感じは書いていてもホッカリするんですよね。
b-moka様
類の愛は確かに見守る愛ですよね。
つくしに限定されますけど。
うちのワンコも食いしん坊です♪