ごめん それでも愛してる 9

更新が遅くなりました。(^_^;)

しばらく駄菓子屋のお話が目に浮かんで離れなくなってしまって・・・。

あの後屋敷に帰ってどうなんたんだろうと想像しながらこのお話を書いてます。

はぁ・・・。

*

「香港ってやっぱり夜景がきれいだね」

話をそらす様に葵がつぶやいた。

「ホテルの最上階から眺める夜景はもっと綺麗だぞ」

葵の瞳がオドオドとうろたえてるのが解かる。

俺の方も心臓がドクンと高鳴った。

俺がここで焦ってどうするんだ。

今までどおり、普通で大丈夫だ。

自分に言い聞かせる初めての経験。

「俺の部屋来るか?」

「え?」

椅子から立ち上がりかけてまた座り直す葵。

ますます落ち着きがなくなってる。

経費節減になる!

言ったらそっちが普通の部屋に移った方が大きいなんて反論されて・・・

そして・・・私の部屋に・・・

そんな自分に都合のいい事には・・・

絶対無理だ。

ある訳ない。

司のように自分本位な解釈は俺には無理だった。

葵もいやがってる訳じゃないと思う。

一緒に住んでる訳だし、部屋が一つでも今までと何ら大差がある訳じゃないのだから。

今さら気にする方がおかしくないか?

違うのは好きだと自分の気持ちに互いに気がついたこと。

ここから進めるシナリオは・・・

一筋縄じゃいかないのは分かってるつもりだ。

司みたいに何年も待たされるのはごめんだけど。

「あのな、心配するな。」

いきなりすぐに進展するとは思ってない。

「寝室は二つあるし無理やり襲う様な事はしないから」

ここはひとつ安全圏を確保してやる。

「えっ・・・まあ・・・それなら・・・」

ほんのりと赤く色づく肌。

指先で・・・唇で・・・熱を感じたくなる。

伸ばしそうになった腕にギュっと力を入れて拳を作る。

このまま触れたら離したくなくなるのは目に見えている。

「行こう」

食事を終えて席を立つ。

後ろから葵がついてくるのを確かめながら支払いを終えてレストランを出た。

エレベーターのボタンを押して到着を待つ。

途切れに途切れで続かない会話。

葵の緊張が俺にも移ってくるようだ。

洒落た言葉も口説く言葉も言えなくて、肩を抱くこともできずにいる。

隣に並んで動く数字の点滅だけを見つめてる葵。

俺はただバカみたいに葵の横顔を眺めてる。

エレベーターの到着を示して点滅する数字。

ドアが開くと同時に葵が俺のスーツの裾をつかむ。

それだけの変化で照れくさくなる。

俺・・・

我慢できるのか?

意識を振り払う様にエレベーターに乗り込んだ。

最上階に降りて部屋に向かう。

部屋の前がなにやら騒がしい・・・。

「ダメだって!」

「かまわねぇよッ」

遠くからでも解かる見なれたクルックルの長身のシルエットに頭一つそいつより小さい華奢な身体。

声も聞き間違えるはずがない。

「司!なんで、お前らがいるんだ!」

今の俺は完全に眉間にしわを寄せている。

「あきらがここに泊まってるって支配人が教えてくれたからな」

「そうじゃなくて、なんで、お前らが香港にいるんだ?」

「牧野が中華が食べたいって言うからジェットで来た」

「食べたいからって誰が外国まで連れてこられると思うのよ」

本場で食べようというノリは今までもなかった訳じゃない。

フランス、イタリアというのはすぐは無理だけどアジア圏内なら日帰りできない距離じゃない。

だからって今日じゃなくても・・・

香港じゃなくてもいいだろうがぁぁぁぁぁぁぁ。

「美作さん、ごめんね。すぐ帰るから」

牧野が必死に司の腕を引っ張るが、司はびくとも動かない。

いつの間にか葵は俺の後ろ1メートルに離れてた。

どこかでつかつく登場させないと♪

・・・で、ここです!

日ごろの仕返し?

なんて司はきっと考えてないと思いますけどね。

拍手コメント返礼

hanairo様

結局あきらにもお預け状態にさせてますよね・・・私。

まあ自業自得ってことで♪

けい様

拍手しまくりうれしいな~。

坊ちゃん乱入は考えてました?

私も昨日書きながら司を登場させたらどうなる?なんて悪戯心がにょきにょきと~♪

突然の方向展開でした。