LOVE AND PEACE 10
LOVE AND PEACE
終わった様な終わらない様な・・・
まだ大したトラブルも起きてない。
☆印もない!
私どんなお話にするつもりだったんだっけ?
ボケ気味です。
ここまでは起! 承転結が残ってる~。
*なんとか・・・
ようやく・・・
やっと・・・
大学に来ることが出来た。
「昨日はありがと」
花沢類が目の前でにっこりほほ笑む。
お礼言われる様な事があったっけ?
未だに一人大学院に進んで残ってる花沢類とは大学内で1日1回は顔を合わせる。
毎日顔を見てるのは道明寺より多いかもしれない。
一緒にいる時間は断然あいつの方が長いけど・・・。
「牧野と司を見てると気がまぎれる」
いつもと変わらない様子なのにどこか違う憂いのある横顔。
笑った顔も淋しそうに感じる。
気がまぎれるって・・・
普段なら漫才やってるわけじゃないと冗談を言えるのにそんな雰囲気じゃない。
気がまぎれるってことは、紛らわせたいことがあったってことだよね?
「何かあった?」
「何かって?」
「分かんないから聞いてるんでしょう!」
さらりと私の質問をそらして目の前でにっこりと優しく笑顔を作られた。
大体今までF4なんて悩みなんてない!みたいな態度にしか見えないから困るんだ。
容姿端麗にしてお金持ち。
私たちが思い悩むことと次元が違うことを知っている。
私の最大の悩みはパパの借金でお金で苦労したこと。
家族で行くファミリーレストランが御馳走で、100円違いの定食をどちらにするか進と二人メニューを眺めてた日々。
財布の中の小銭を数えてため息ついた給料日前。
絶対この人達は死ぬまで経験できない悩みだと思う。
・・・って、比べる次元から違い過ぎだ。
今は私の悩みも道明寺といかにうまく付き合うかに変わってる。
道明寺の悩みは・・・
いかに私を自分のベットに引きずり込むかじゃないのかと勘繰りたくなる日々。
西門さんにしても美作さんにしても女性関係だろうか?
花沢類の場合は睡眠の確保とか?
なんてのは冗談で、それぞれ皆大きな責任と重圧を背負っているのは分かる。
自分の感情丸出しな道明寺でさえ悩んでる姿はなかなか私にも見せてくれない。
「心配しなくても大丈夫だから」
花沢類の落ち着いた優しい声にそれ以上何も聞けなくなる。
そしてその日はそれで別れた。
朝別れて、また道明寺の屋敷に戻る私。
大学の前で待ち伏せの様に見慣れた車が止まってた。
「今日は家に帰りたいんですけど・・・」
ドアを開けて頭を下げる運転手の里井さんの顔がサッーと青く変わる。
「坊ちゃんに叱られます。嫌と言ったら首に縄つけてひっぱって来いって言われてるんです」
強引じゃなく哀願される私。
これには弱い。
里井さん自身が温和で人のいいおじさんタイプ。
うちのパパと何となく同じ雰囲気で好感が持てる。
それを道明寺も知ってるからすぐに里井さんを私の迎えに送る。
このあたりの人間分析は侮れないとうか・・・動物的感?
本能で人間を見ているんだと思う
道明寺の場合は誰が敵で味方かを瞬時に振り分ける能力は半端じゃないと思う。
どっちらにしてもそれであいつの態度は変わんないけど。
「ご自宅の方には坊ちゃんがご連絡を入れているそうですから心配いらないそうです」
何も理由をつけなくても最近は鶴の一声。
あいつが「カー」と言っても、うちの親は「ハイ」としか言わないと思う。
「あちらの家に慣れるのは大変でしょうからね」
なんてママは呟く。
「たまには帰ってきてもいいんだぞ」
遠慮がちにつぶやくパパ。
まだ嫁に行ったわけじゃない!
今週道明寺の家にいたのは4日連続で家のベットで寝たのは1日・・・。
これじゃどっちが自分の家かわかんなくなる。
絶対家に帰る!
決心するだけで実行できずにいる私。
こうしてまた道明寺の帰りをあいつの部屋で待つことになる。
一人でだだっ広い部屋でソファーに座りこむ。
「やっぱ・・・変だったよね。今日の花沢類」
シーンと静かな部屋でボーッとしてるせいか現実から意識が飛ぶようだ。
そしてなぜか花沢類の顔が浮かんで心がざわついた。
こんなことは初めてだった。
今回の事件は~
なに?というところでつづきです♪