ごめん それでも愛してる 11

さてこの二組のカップルどうなるんでしょう。

楽しい結果になるのは間違いない!

本当か!?

それは続きを読んで確かめてください(^_^;)

*

「いいから入れ」

カードキーを差し込んでピッとなる音。

ドアを静かに開けて司は真っ先に部屋に入る。

ドアの前のルームナンバーは1001。

ここ俺の部屋・・・。

牧野はすまなそうな顔を俺に向ける。

二人の女性を追い越して司を追って部屋に入る。

「返せ」

司の手からカードキーをもぎ取った。

抵抗する様子も見せずキーは素直に俺の手の中に収まった。

さっきはこのカードキーを司と牧野がとりあっていた。

頬を膨らませる牧野それをあやす様に司が腕を左右に振る。

そしてからかいながらも司の瞳の中にはやさしさがあふれてる。

キーを指先でなぞって浮かぶ笑み。

相変わらずこの二人見てるとこっちまでくすぐったくなってくる。

「なんのつもりだ」

クスッと笑いたくなるのを押さえて気分を誇張する。

葵と牧野が部屋に入って閉められるドア。

チラッと横目で確認して司に視線を移す。

「偶然だとか言うなよ」

司の場合は計画性は考えられないのが本音。

俺を待ち伏せしてたのって、やっぱ思いつきだよな。

食事の為にだけに来た香港で俺を見つけた。

本当にそんな事なのだろう。

「出張ってあの子と二人なんだ」

司の方から俺と肩と組むって珍しい。

やけにうれしそうな司。

俺の気持ちが牧野から離れてることはばれていると言いたげだ。

俺から話を聞き出そうとしてるのがはっきりと意識できる態度。

なにも悪さしてる訳じゃないのに追いつめられる気分になるのは変なものだ。

「ゆっくり話を聞こうか、たまにはいいだろう」

まだ話すことはなんもねぇ。

聞きたいことならいくらでもあるが・・・。

ドンな女の付き合い方。

素直じゃなくて、予想通りの反応を見せない女の落とし方。

とろけてる反応見せるのに本気で拒む女の対処法。

俺より年上なのに幼くて、うぶで、手が出せない。

今までの俺の経験はまったく役に立たない。

司と牧野の二人を総二郎と煽ったのはほんの数年前。

煽られてそれにノセられる司ほど俺は単純にはなれそうもない。

司に聞いても的を得た答えがかえってくるとは思わないのに聞きたくなるのはどういう心の動きなのだろう。

少しでもデーター収集しとけば使えると思う藁にもすがる思いと言うことか。

追いつめられると人間なにを考えるか分からないものだ。

葵と牧野は二人でやけに楽しそうにテーブルを隔てたソファーに座って意気投合って感じ。

あっちは完全に類は類を呼ぶってやつか。

以前司が言って、笑った相変わらずのいい間違い、勘違い。

男二人はその様子を眺めながらテーブルの前に座った。

どこから話を切り出そう。

俺が恋に戸惑ってどうしようもなく焦っている事。

今までのようにスマートに出来ない自分。

あいつの瞳に映る世界を・・・

想いを・・・

感情を・・・

すべて共有したい・・・

いつまでも一緒にいたいと思える相手に巡り合った。

この感情を理解できるのは司しかいないよな。

きっと笑って一緒に喜んでくれると思う。

「今日は寝かせない」

どうせなら司より葵に言いたかったセリフを口にした。

拍手コメント返礼

hanairo様

「今日は寝かせない」まさかあきらに言われるとは司も思わないですよね。

要望にお応えして次は司サイドのお話で~