Fools Rush In 11

そろそろ、早く、双子を誕生させたい。

名前を公表したらサクサクと~

子供3人とのお話の方がいろいろ浮かんじゃっていますが、そこまであと少し♪

*

「入院したほうがいいですね」

妊娠8カ月目

ジンジンと皮膚がツッパルというか伸びる様な感覚。

お腹が張るって良く聞くけどなんとなくこれだと分かる。

お腹の中から手足を子供たちが狭いと押し広げようとしてるんじゃないかと一瞬思った。

狭いから出る!なんて暴れてるんじゃないだろうな?

司のDNAが強ければあり得るんじゃないかと思う自分がおかしくてしょうがない。

「入院なんてさせられるか」

側で聞こえた威圧的な声に先生も看護師さんも硬直してる。

「あのね、手術は家では出来ないんだから、もしものこと考えたら病院の方が安心でしょう」

駿も生まれた道明寺経営の病院。

先生も看護師さんも顔なじみですべて女性。

待遇はこの上なく上等で消毒の匂いがしなければホテルと勘違いそうな作り。

入院しても駿の面倒の心配はない。

きっとメイドさん達が手を焼くのはこの人の方だと思う。

「予定日までまだ1カ月あるだろうが、それまで離ればなれなんだぞ」

思わず周りに視線を走らせる。

先生はクルッと椅子をまわしてPCの画面のカルテを見てるふり。

看護師さんも隣の部屋にそそくさと姿を隠す。

この後この人はまたしょうもない事を言いだすんだ。

考えただけで顔から火が出てくる。

駿の時で免疫のついてる所為か完全に先生の背中が小刻みに震えだす。

必死で口を押さえてるのも分かる。

ごちそうさまですとか・・・

かわいいですねとか・・・

愛されてますねとか・・・

それ以外にも代表のイメージが変わりましたなんてにっこりと言われたのは3年前。

「駿がさびしがるだろう」

毎日連れてきてもらうから会えないことはない。

「駿が夜、寝なくなったらどうするんだ」

別に司が面倒を見る訳じゃない。

『駿』を『俺』に置き換えた方がいいんじゃないかとばれている。

「俺が落ち着かないんだよ」

やっぱり言った・・・。

「俺も入院する」

入院ってここ産婦人科

それにどこにそんな時間の余裕あるの!

病室が会議室にかわるだけでしょうッ。

「入院って・・・」

「俺も寝泊まりできる部屋があったよな特別室」

確かにあの部屋は高級ホテル顔負けのスイートルームだ。

病室のなのにベットルームに、付き添い用の部屋は2つ、キッチンに面会用のリビングまでと至れり尽くせり。

駿が生まれて退院するまで確かに司も泊まってた。

あの時は四六時中側にいて、私のおっぱいに吸いつく駿を「すげー」って言いながら駿のほっぺを指でツンツンしてた司を思いだす。

沐浴もやってくれたんだよね。

司の駿を見つめる瞳は真剣でやさしくてうれしそうで見ているだけで幸せな気分になった。

でも・・・

今回は生まれる前から居座る気だ。

「消灯までには帰宅なんて滅多に出来ないでしょう」

「そんなもん俺に関係あるわけねえだろう」

「出張で会えないことだってあるじゃない」

ここは大人しく屋敷の方でお願いします。

「2週間以上の出張は入れさせた覚えはない」

確かにそれは覚えてる。

でも会えないわけじゃない。

「ほら、私だけじゃなくてパパまでいなくなったら駿がきっとさびしがるよ」

「俺が帰ってる時間に駿が起きてることの方が珍しいだろうがぁ」

確かに今日「パパ」って、駿が司に飛びついたのは3日ぶりだった。

「残業は入れさせねぇよ。今度は予定日入れて1週間しか休み調整しなかったんだから西田にそれなりのことさせないとな」

その悪戯っぽい笑み。

向けても西田さんは動じないと思う。

その1週間の休みだって、西田さんはずいぶん無理してるはずだ。

それともここまで予測してるとか・・・。

西田さんならあり得る。

上手に残業を減らして仕事の能率をあげるバージョンだ。

『つくし様お願いします』なんて頭を下げてる西田さんが浮かんだ。

「これで安心だろ」

満足そうにほほ笑む司。

周りに気を使いそうで気が休まりそうにない。

本音では側にいてくれるのはうれしいんだけど・・・。

強引さもわがままも率直に私を思ってくれてると分かるから心地よくて許してしまう。

「しょうがないんだから、なるべく大人しくしてよね」

司の代わりにお腹の中が静かになった。

拍手コメント返礼

のだめ 様

「俺も入院する」

どんだけ~と突っ込みを煎れたくなる気持ちわかります♪