駿君の家族日記 6(短冊に願いを込めて)

けい様から頂いたコメント

『翼と舞とが早く大きくなりますように』という駿くんの短冊の端っこに「パパも大人になりますように」とちっこく書き加えてしまおうと考えていました。

その場面おもしろそうと思いついた駿君目線のお話です。

短冊に思いを込めて番外編となります。

*

7月7日の七夕の夜は1年に1度しか会うことのできない織姫星と彦星が会える大切な日だと教えてくれたのはあきパパだった。

「駿、良く覚えとけ。司がママを独り占めしてたら、彦星を見なわないとダメだって教えてやれ」

「1年も会いたいの我慢してるんだからってな」

総パパは笑いながら僕の頭をポンと叩く。

パパ譲りのくせっ毛がクシャッとなって、顔をしかめる僕。

頭をなでる大きな手のひらは温かくて、僕をスキって言ってくれてるみたいで好きなんだ。

お父さんの場合はそれに頬がくっついてくる。

「雨が降ったら会えないけどね」

「司の場合は泳いででも会いに行くだろう」

類パパの言葉にあきパパは「ククッ」と笑った。

お母さんと翼に舞と僕それにパパ3人が加わって珍しくにぎやかな土曜のお昼。

七夕の飾り付けに夢中な僕ら。

背伸びしても届かない笹のてっぺんはパパ達が代わりに七夕の飾りをつけてくれた。

もっと身長が伸びたら僕があのてっぺんに短冊を飾るんだ。

その方が願い事がお星様に届きそうだから。

「そろそろ帰るか?」

「もう?司が帰ってくるまでいないの?」

お母さんは短冊にクレヨンで絵を描いている舞の相手をしながらパパ達を見る。

舞はマルを書いた後にドバッと左右に赤いクレヨンを押し付ける様に動かして「キャー」と大喜びだ。

「俺達がここにいたら司の奴が俺だけのけものかって拗ねるぞ」

「七夕なんて子供のころもやったことないから、楽しかったよ」

パパ達を見送ったすぐ後でお父さんは帰ってきた。

「なにやってんだ」

「もうすぐ七夕でしょ?だから願い事をするの」

お帰りって、いつもは飛びつく僕達も今は短冊に願い事を書くのが一生懸命だ。

お母さんだけが「おかえり」って、にっこりほほ笑んでお父さんの隣に並んでる。

・・・で、すぐにお父さんはお母さんに自分の身体をくっつけるんだよな。

「見ちゃダメッ」

僕の頭の上からお父さんがニョキッと顔を出す。

両手で短冊を隠した。

「見ないよ」

すぐにお父さんは僕から離れてお母さんのところへ戻る。

はーあと口から僕は息を吐いた。

「願い事なら俺に言え、とか思ってるでしょう?」

「道明寺財閥の総帥でもかなえられない願い事ってあるんだからね」

お母さんがお父さんにも短冊を渡してる。

お父さんの願い事ってあるのかな?

僕には思い浮かばない。

お父さんに出来ないことってないように思える。

「なんもねぇ」

聞こえてきたお父さんの声にやっぱりだ!とうれしくなった。

書き終わった短冊を笹の葉に自分で付けた。

「駿、見てもいいか?」

僕の横に並ぶようにお父さんが膝をつく。

「うん」

大きく返事をした僕。

『翼と舞とが早く大きくなりますように』

短冊の文字を読んでお父さんが「やっぱ、おにいちゃんだな」って誉めてくれた。

おかあさんも僕の隣に来て「やさしいね」って、言ってくれた。

「駿、この短冊にお母さんが書き足してもいいかな?」

短冊を手に持って眺めてるお母さん。

「なんて書くの?」

聞いたらにっこりとうれしそうにお母さんが笑った。

「パパも大人になりますようにってね」

「おい!ばか!本気か!」

「これ以上身長伸びたら困る」

お父さんは慌てたように言って顔をしかめた。

「冗談、身長がこれ以上伸びたら私も困る」

お母さんは楽しそうに笑ってた。

折角なのでパパオ-ルスターズも参加させてみました。

この後の3人の会話も気になるのは私だけかな?

拍手コメント返礼

b-moka

帰った後のF3の会話書きたいんですけどね・・・。

自分がこれと思う内容が浮かばなくてグルグルしてるうちに七夕が終わってしまいました。(^_^;)

どうしよう~