玲子さんの婚活物語 14

このお話も終盤です。

・・・たぶん(^_^;)。

類君登場でおもしろくなる?

 *

・・・なんで。

なんで、西門さんや美作さんまでいんのよーーーーーッ。

すがすがしい顔でほほ笑んだその後ろに凛とした美を惜しげもなく漂わせる二人。

加川さんの息子なにやらかした?

想像できずに血の気が引いた。

「駿、大きくなったなぁ」

私が抱っこしてる駿の前に自然な仕草でおいでと腕を差し出す美作さん。

喜んで駿は私の腕を離れ美作さんの腕の中に収まる。

「珍しいね、三人一緒って・・・」

三人の様子を慎重に観察しながら言葉を選ぶ。

「司がさ、駿が言葉をずいぶん覚えたとか、あいつは俺に似て天才だとか自慢メールしてくるの」

呆れながらも美作さんの顔は笑ってる。

「この前はおーたんって駿が喋ってるところ動画で送ってきた」

お父さんって言えたぞ  にっこりマーク付きのメールを西門さんから見せられた。

「もしかして、同じもの三人に送信してるの?」

「あの司が絵文字付きだからね」

私の問いに頷きながら花沢類がつぶやいた。

「これが不思議とさ、チビ司に会いたくなるんだよな」

偶然、ここの屋敷の前で三人そろったって、信じてもいいものだろうか?

「駿も俺らの事パパって呼んでくれるし、かわいいよな」

「ホント司のDNAは容姿だけで良かったよな」

駿を交互にあやしながら西門さんと美作さんは数メートル部屋の奥に進んでソファーに駿と腰を下ろす。

花沢類とゆっくり内緒で話しが出来そうな距離感が出来あがってた。

「なにかあった?」

わずかに腰をかがめて私の顔を覗き込む花沢類。

心配そうに見つめる瞳には、まだ加川拓斗の存在は知られてないと確信できた。

知ってたなら、こんな回りくどい事をする人じゃないはずだから。

結婚相談所での出来事を話すのは今しかないとそう決心した。

「あのね周りで変な人うろついてない?」

「変な人って俺の周りでって事?」

ゴクリと唾を飲み込んでコクンと頷く。

「別に変わったことはないけど・・・」

「俺に何か関係あるの?」

「あのさ、私が大学卒業する前に道明寺本社ビルでバイトしてた事があったの覚えてる?」

「俺が牧野の彼氏のふりした時のこと?」

しばらく考え込んだ花沢類がすぐに思い出してつぶやいた。

「そう、その時の事」

「それがどうしたの?」

ビー玉の瞳が真剣な色をにじませてやさしく見つめてる。

未だにこの瞳にはすいこまれそうになる。

すべてを見透かされてるみたいで、ドクンと心音が上がる。

「加川さんって覚えてる?」

「息子を牧野に紹介しようとした人でしょ?」

ここまで話して、「ハァー」と一息つく。

最後まで喋るにはかなりの重労働だ。

今日のエネルギーはここで全部使い果たしそうな重圧。

「その息子・・・加川拓斗って言う人なんだけど、その人が駿の父親を花沢類だと勘違いしてるのよ」

半分やけ気味に説明を飛ばして本題を口にした。

心臓が口の中から飛び出しそうな緊張感が身体全体を占領してる。

「えっ?」

さすがに花沢類も訳が解からないって表情で言葉を失っている。

「なんでそうなったの?」

目の前じゃなく背中越しに聞こえる声。

ぎくりとしながら振り返る。

興味ありげに覗く西門さんの横に駿を抱っこした美作さんが立っていた。

花沢類だけじゃなく総ちゃんにあきら君も参戦させた方がおもしろくなりそうだと思ってしまいました。

後は司だけ♪

拍手コメント返礼

nonno様

この状態ではF3にはばれますよね。(笑)

最後にばれるのが司?ってパターンになるのかどうか?

司にばれないで終わる結末は寂しい様な気がします。