LOVE AND PEACE 15

いよいよお話はパーティー当日に♪

司君、頼みの綱の西田さんにも先手を打たれ自分で手を打てたのか?

結局諦めた?

それは一番ないでしょうね・・・(^_^;)。

それだと読者はおもしろくないけど私は楽だな・・・。

*

「昼前には迎えに行くから」

花沢類からの携帯を切ってベットに入った。

道明寺とは喧嘩したままで何の連絡もない。

きっと私が怒った理由なんてこれっぽッちも理解してないはずだ。

他の男にエスコートされろって彼女に頼むって・・・

道明寺の場合は頼むって態度じゃないけど。

相手が花沢類ってことを差し引いても常識がない。

それでムッとならなきゃ私の方がおかしいはずだ。

頭から布団をかぶって怒りを丸ごと包み込んで眠りについた。

次の日、わが家の貧租な社宅に似合わない高級車で約束通り花沢類が迎えに来た。

最近は御近所さんもこの異様な状況に慣れている。

「牧野さんのお嬢さんの彼氏のお迎え」って、噂を立てられるのはいつもの事。

今日の場合は違うけどって否定する気はさらさらない。

部屋の窓から迎えの車を確認すると車が止まる前に速攻で玄関を出る。

花沢類が車から降りるのを防ぎながら後部席に飛び乗った。

「おはよう、なに急いでるの?」

相変わらずのすがすがしい笑顔を私に向ける花沢類。

「いや・・・ここで花沢類を近所の人が見たら道明寺と違うって変に誤解されても困るからね」

「俺は別に困らないけど」

悪戯っぽい表情を花沢類は口元に浮かべる。

「パーティーは夕方だったよね。時間早くない?」

話題を変えるように呟いた。

「どうせなら最高に着飾った牧野をエスコートしたいからね」

「そこまでしてもらわなくても道明寺の屋敷に行けばドレスもあると思うけど」

車はわが家からも道明寺の屋敷からも遠ざかる。

「牧野を司のとこに連れて行ったら俺のパートナーがいなくなる可能性が高い」

「それにエスコートするのに司が贈ったドレスじゃね」

途中で言葉を切っても花沢類の言いたいことは分かる。

そうなると今度は道明寺の方が「俺以外の奴が贈ったドレスなんて着るな」と不機嫌になりそうだ。

「今回はあんたの所為でしょう」

思い切り反論してやると心に誓う。

「今日のパーティーって、花沢類だけ?」

「司が来るかどうか気になってるんだ」

「別にそんな訳じゃないけど・・・」

強がらなくてもいいよとすべて見透かしてる様な花沢類のやさしい瞳に身体がポッとなる。

そのまま車は高級ブテック、高級エステと今日のパーティーの為にと移動する。

花沢類に好みのままに仕上がっていくいつもとは違う私が鏡の中に映し出された。

道明寺にしても花沢類にしてもF4のセンスはいいと認めざるおえない。

慣れない高級品を身につけても嫌みがない容姿。

それはそのまま私にも反映されている。

「かわいいじゃん」

花沢類の言葉に頬を染めたのは昔、はじめて行った静香さんのパーティーを思い出したからだ。

花沢類が好きだった高校生の私。

姿を見つけるだけで・・・

声を聞くだけで・・・

笑顔を向けられるだけでドキドキと高鳴る胸。

淡い初恋の想い。

それは道明寺を思う熱く体中をめくる想いとは違った感覚だ。

大学生になった今でも私は花沢類の前では素直な自分をそのまま見せる勇気はない。

やさしい瞳に見つめられてポッとなるのは、初恋の記憶がそのままやさしい思い出となって残っているからだと思ってる。

素のままで・・・

私が自然体で、ありのままでいられるのはきっと道明寺の前だけだと思う。

あいつを思い浮かべて今度は体中が熱を持つ。

「ついたよ」

郊外に静かに佇む邸宅。

都内にもまだこんなところがあったんだと光に照らされる奥を目指して車は門をくぐる。

邸宅の前には警備棟?

道明寺の屋敷より警戒が厳重そうだ。

「某国大使館」

何気ないように花沢類がつぶやいた。

「大使館!」

大きく開いた口を慌てて両手で押さえた。

「さすがの司も無理なことは出来ないと思う」

「なにかあったら国際問題に発展しかねない」

楽しそうに笑顔で言うことじゃないと思う。

次元が違う。

パーティーて聞いたからいつものように会社がらみかと思っていた私の予想を完全に超えている。

道明寺に通じる訳ないでしょう!

余裕の表情の花沢類を見つめて心の声が悲鳴を上げた。

深呼吸を一つして落ち着けと自分に言い聞かせる。

なにを私は心配してるんだ。

道明寺は招待されてないってさっき花沢類に聞いばかりだ。

無事に帰りたい。

そんな思いでエントランスを進む私の目に西門さんと美作さんが「やぁ」と優雅に笑みを浮かべて出迎えてくれていた。

3人そろってるってことは道明寺だけ仲間外れってこと?

それが一番ヤバイ。

慌てて招待客を食いいるように視線を泳がせる。

「今は、まだだな」

呑気そうな声は美作さん。

「今は・・・だな」

ニンマリとやけに楽しそうな声を出す西門さん。

今はってどういうことよッーーーーーー。

なにかたくらんでる!

「牧野行くよ」

スーッと差し出された腕は戸惑う私を置き去りに花沢類と腕を組む様に導く。

「今、司が現れたら・・・」

「おもしれぇよな」

からかう二人の声に恨めしい視線を投げつけた。

拍手コメント返礼

らんらん様

F3もそろって司がいないんじゃ、おもしろくないですよね。

どう登場させるか!

これが難点で・・・(^_^;)