ごめん それでも愛してる 22
「☆ ごめん それでも愛してる 21+α」を飛ばしてもらっても話のストーリー性には問題ありません。
ただやることやってる二人の描写が抜けてるだけで・・
ななななんと言う表現を~~~~~~。
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『一度マンションに戻って会社に出勤します。』
ご丁寧にテーブルの上に残された几帳面な文字。
メモを手に持って読む俺は生まれたままの裸体をさらしてる。
乱れるままに抱き合って一人取り残されたダブルべット。
昨日の情事を残したままのシーツの乱れは艶かしいままだ。
置いてきぼりをくらったままの情景はなんともつまらない。
「会社に出勤するつもりはなかったんだけどな」
一人小さくため息とともに声が漏れた。
「あのバカッ」
ふてくされたまま呟いた口元はクスッと小さく笑みを浮かべる。
葵らしいと言えばあいつらしい。
足腰たたたなくなるくらい愛し合えばよかったと思う後悔。
初めてのあいつには無理な相談。
心残りはまた取り戻せばいい。
火照ったままの身体を覚ます様に冷たいシャワーを浴びた。
「おはようございざいます。遅い出勤ですね」
最上階の階についてニコッと笑顔を作って皮肉を言うのは一之瀬。
それにはなにも答えずスケジュールを受け取り一通り目を通す。
昨日無理やり時間を作ったわりには比較的余裕のある内容。
「仕返しされずによかった」
本音を言った俺にそのくらいの手配は出来ますとでも言う様な余裕を一之瀬は示す。
「婚約発表はいつにします?」
軽く一之瀬にふられて飲みかけたコーヒーを吐きだしそうになった。
その驚きのまま一之瀬に視線を向ける。
「なんでそうなる?」
「うまくいってるんですよね?じゃなきゃ何のために香港まで一緒にやったのか」
ため息気味にわざと考え込む仕草を一之瀬が作った。
「・・・急ぎ過ぎだろう」
一緒に暮らしてまだ3か月。
つい数日前告白してそしてやっと願いがかなったばかりの関係。
俺は構わないけどあいつを急かせて大丈夫かと思う不安。
「会長も折角喜んでらっしゃいますのに。早くひ孫が見たいなんておっしゃってましたよ」
「いつ会ったんだ?」
「昨日です。この調子なら見合いからトントンといけそうじゃないですか?」
デスクの上には会話とは不釣り合いな重要書類が積み重ねられていく。
「見合いはしてないだろう」
「そうでしたっけ?」
見合いをする前に興味を持ってあいつのバイト先に乗り込んだのはずいぶん前の様に思える。
自分の会社の社長の俺の顔を知らなかったあいつ。
それが新鮮で俺を嫌うように睨みつけたあいつの態度に興味を持った。
挑む様な目で女性に見据えられたのは初めての体験。
真っ直ぐに・・・
キラキラと生命力にあふれた強い意志を持ったまなざし。
初めて会った瞬間から心は捕われてしまってたと今なら分かる。
見合いする前に一緒に住み出したマンション。
今日からは今までとは違う甘い関係が俺を楽しませてくれそうだと高まる期待が俺を酔わせる。
慌てずにゆっくりとあいつとの関係を育てていきたい想い。
結婚するなら葵がいいに決まってる。
だが・・・
急速に急かせてふられたらどうするんだ。
「そんなすぐに結婚までって、考えはまだ回らないだろう」
一息ついて呟きながらゆっくりと窓側から入り口に向けるように椅子を回す。
デスク正面に向き直った瞬間に書類を抱え込んだ葵が俺の視線の先に立っていた。