ごめん それでも愛してる 23

さ~これからが本番!

本番は終わったはずじゃ?

何の本番だぁぁぁぁぁぁぁ。

きっと司なら完全にいつもと違うふにゃふにゃ状態が出来あがってるところ♪

あきらの場合は・・・?

*

「香港の報告書です」

俺の目の前にA4ファイルを差し出す葵。

その横で一之瀬が頭を下げて部屋を出て行く。

それを見送りながら俺は差し出されて書類には見向きもせずに葵の手首をつかんだ。

つかんだ指の先から熱を持つ。

「・・・葵」

「なんでしょうか?」

ほほ笑んでいるが何となく感じる冷たさ。

「さっきの・・・」

絶対聞こえてるよな。

「そんなすぐに結婚までって、考えはまだ回らないだろう」

一之瀬に先走るなとくぎを刺すつもりで言った言葉。

聞き様によっては葵との関係を俺自身で拒否した様なものだ。

なんでこんな間の悪い時に居るんだッ!

心の中でブスッとつぶやいた。

「用事がなければ仕事がありますので」

冷たく振りほどかれた指先を後悔しながら見つめて握りしめる。

焦りが生まれても葵をそのまま離せない思いが情熱を生む。

戸惑いはすぐに飲み込まれて激情に流される様に俺を動かす。

部屋を出て行く葵を慌てて追いかけて壁際でとらえた。

俺から逃げられないように葵を壁に押し付けて両腕を付いて柵を作り葵を閉じ込める。

「今朝なぜ、待ってなかった」

「今朝って・・・」

言葉を濁して頬を染める葵。

「もう一度抱きあいたかったんだけど」

唇が触れ合いそうな距離でつぶやく。

わずかに触れる鼻先がひんやりとしてくすぐったくなる。

「寝顔見てたら、綺麗だなとか、かっこいいなとか、いろいろ考えて気がついたら時間でッ!」

目をしかめて必死に叫ぶ葵の顔が俺の目に飛び込んだ。

「うれしい告白こんな時に聞かせるな。止まらなくなる」

触れたくて唇にキスを落とす。

「ダメッ」

あと少しのところで滑り込む葵の手のひらに吸いついた。

「それは今朝までの話です」

完全に拗ねた目で睨まれた。

「一之瀬に言ったのはお前のことじゃないからッ!」

今度はキッと眉が目の前でつり上がる。

俺またとんでもない誤解を招く様な事言ってないか?

結婚のことは葵とのことじゃなければ誰の事なんだッ。

「初めてだから、責任とってなんて言いませんから」

「バカ、それは違う。そんなこと思ってない」

自分の言葉にまた墓穴を掘ってると気がつかせる葵の冷たい視線。

バカは俺だ。

「失礼します」

怒りモードに移行した葵を止めるすべがなく俺の腕は葵の手によって手動式の入場ゲートに代わってた。

さすがに自分の言葉の意味を考えて動揺が隠せなくなってしまってる。

気がついたら会社でも一人取り残されてしまってた。

機嫌を直すのにどのくらいの覚悟がいるのだろうか。

目覚めた時間に戻りたい。

本気でそう願った。

この展開、つかつくに似てきた様な気も・・・

きッと錯覚です!

葵の反応はつくしには出来ないでしょしね(笑)

拍手コメント返礼

hanairo様

すんなりとはいきませんね♪

このままいくと終わっちゃうので・・・(^_^;)

つかつくでは書けなかったオフィスラブをあきらと葵で書きたい願望がむくむくとわいてきて、話を続けたい感じなんです。

このままだと二人のハッピーエンドはとうのくかもしれません。(>_<)