ごめん それでも愛してる 26

ここからあきらがあたふた?

葵にもあたふたしてもらって・・・

最後はどうなるこの二人?

幸せをお祈りしてます。← 私が言うかぁぁぁぁぁぁ。

*

「先輩って・・・、葵知り合いなの?」

隣の席の同僚がテーブルの下に引きづり込みそうな勢いで私の袖を引っ張る。

「大学の時の先輩だけど」

小さくつぶやく。

「葵、里中さんて人気あるの知ってた?」

そんなこと知るわけない。

同じ会社というのも知ったのは数日前だ。

「先週くらいから本社に帰ってくるて噂で騒がれてたんだけど」

「そうなんだ」

なんとなくみんなの視線が熱い。

「葵ってさ嫉妬されそうな男性のそばにいるよね」

今度は同僚3人がおでこを付き合わせてこそこそと小声で話す。

全部聞こえてる。

里中先輩を知ってるってだけでこの反応なら社長と付き合ってるってばれたらどうなるのだろう。

会社にはいられそうもない。

「先輩、日本に帰ってくるの来週じゃなかったですか?」

気を取り直して先輩を見あげる。

空いてる席を先輩に勧めたのは同僚の一人。

反対の席も空いてるのに私の隣に先輩を座らせる。

意味深な視線を同僚から返された。

「仕事が片付いたから早めに香港は引き上げてきた」

「今日は上司にあいさつに出社したらちょうど君が会社を出るところが見えたから探してたんだ」

「会えてよかったよ」

気さくな態度はほんの数日前に会ったときの態度と何ら変わりがない。

「あの時はすいませんでした」

香港で先輩に再開して食事でもと誘われた夜。

「君、悪いけど東條を返してもらえないだろか」と私を引き寄せたのはほかでもないあいつ。

「本当に悪いと思ってるなら今度は付き合ってほしいな」

私と社長の関係は先輩は気が付いてない様子。

ホッとしたのは一瞬だった。

「どうぞどうぞ」

「ちょっと!」

私より先に返事をした隣の同僚の口をあわててふさいだ。

「葵はほとんど男っ気なしでここまで来てますからよろしくお願いします」

「勝手なこと言わないで」

両手は塞がってるから向かい合う同僚の口をふさぐ手立てがない。

「応援してあげるから」

「応援って・・・」

「里中さん、葵に興味あるみたいだしね」

「うまく行けば社長のそばにいることで必要以上の嫉妬向けられなくても済むようになるわよ」

耳元に内緒で小さく囁く声。

「まあ、里中さんでも嫉妬はされるだろうけど社長よりはましだろうしね」

憐れみを向けるように同僚は私の肩にポンと手を置いた。

「里中さんと付き合う様になっても内緒にしてあげるから」

「あのね、そんな問題じゃなくて私にも好きな人の一人くらいいるんだから」

テーブルにドンと拳で叩いて頬を膨らます。

「えっ!だれ!」

「初耳~」

「照れなくていいよ」

「葵、見栄をはらなくていいから」

完全に嘘だと思われてる。

「私たち消えるから」

「里中さんうまくいったら私たちにもご馳走してくださいね」

テーブルからそれぞれに立ち上がる三人。

「えっ!待って!」

椅子から立ち上がり叫んだが「頑張って」と声援を送られて椅子に座るように押し付けられた。

さっきの騒がしさが嘘のようにシーンと静まりかえる。

里中先輩と二人取り残されたテーブル。

「君の友達おもしろいね」

クスッと笑って先輩は優しく微笑む。

「もう一度チャンスをくれないか」

ほほ笑んだ表情は真剣さを帯びてテーブルの上に置いていた私の手を先輩の手の平が包み込むように置かれてた。

拍手コメント返礼

hanairo様

邪魔者登場ってドキドキするんですよね。

この二人の場合特にどうなるかって(^_^;)

皆さんがあきら君を幸せにってコメントが多いので葵にはしっかり断ってもらいますけどね♪