ごめん それでも愛してる 28(最終話)

いよいよここからが勝負!

何の勝負だーーーーーーッ。

ここからはあきら君がいつものペースを取り戻せるかにかかってる。

司みたいに本能のままの突っ走っても葵なら受け止めてくれそうですが、できないでしょうね♪

*

「探してたんだ」

「よくここがわかったよね」

怒ったように眉をしかめて少し照れたように葵は笑った。

「君の同僚がこの店から出てくるのが見えたから」

葵の後ろに里中の姿を探すように首を伸ばして視線をわずかに動かした。

「先輩ならもう帰ったわよ」

「先輩の前であなたに声をかけるはずないでしょう」

「・・・聞えてた?」

目の前の椅子に葵は当たり前のように腰を落とす。

さっきより染まる頬。

どうやら優位に立ってるのは俺の方らしいと気が付いた。

「「もう一度チャンスをくれないか」 って、君が里中に口説かれてるところから」

「ほとんど全部じゃない」

肘をテーブルについたまま葵は両手で顔を覆って俯いたまま動かなくなった。

「今まで聞いたどんな告白よりうれしかった」

葵の表情が見たくて顔を覆っている手をどけるように指先を伸ばす。

ゆっくりと剥がれ落ちるように現れる葵の表情。

触れた葵の指先まで熱い熱を俺に伝える。

「そんなに告白されてるの?」

少し拗ねたように眉間に寄せる眉。

「俺から告白したのは葵だけだ」

握りしめた手の甲をテーブルの上に移動させそのまま握りしめた。

少し汗ばむほどの熱がそこからあふれる。

愛しくてからめる指先。

「君が俺を必要としなくなるまで離れない」

「ずるい・・・」

「真似してるでしょう」

するりと葵の指先は俺から離れて葵の膝の上にと逃げ込んだ。

「先にお店を出てます」

「一緒に出るとまずいでしょ」

立ち上がって葵は店の自動ドアの前に向かう。

その数歩あとを俺が歩く。

本社ビルが見えるところで肩を並べるように歩いた。

「少し離れた方が・・・」

「秘書と一緒なら別に変じゃないだろう」

「俺は別に気にならないし」

「騒がれるのはこの前の件で懲りてるんです」

「社長の秘書ってだけで妬みの対象になるんですから」

葵の歩幅が少し早くなる。

普段の俺の歩幅で歩くにはちょうどいい。

「恋人って噂される方がいいけど」

わずかに腰をかがめて葵の耳元でつぶやく。

ビクッとなった葵がそのままピタッと足を止めた。

「あまり近づかないで」

艶っぽい唇。

熱くうるんだ瞳が俺を捉える。

そのまま唇を落とした。

唇を離したその数センチ先でなにされたかわかんないような表情が出来上がってる。

「早く仕事に戻るぞ」

「えっ?あっ・・・」

葵を追い越して数歩先に歩む。

俺の後を追うように響くパンプスの足音。

完全に焦ってるの分かるようにリズムが崩れてる。

好きな子をイジメて気を引く子供みたいな自分の感情。

実行して喜んでいる俺。

そしてもう一度葵と並んで本社のビルの中に入った。

仕事に戻るため乗り込むエレベーター。

運よく二人っきり。

重役専用のエレベーターは最上階まで俺たち以外を簡単に排除してくれる。

「そういえば、食事の支払は?」

「先輩が払ってくれましたけど」

「俺には確かおごらせなかったよな?翌日お金を突き返された記憶が残ってる」

「あの時は、いやなやつってイメージしかなかったから」

「あいつならおごられてもいいってわけ?」

不機嫌ぽく葵を責める。

「食事に誘えないならここはおごらせてって言われたんです」

「あれ以上断れなし・・・」

もごもごと葵は口ごもる。

必死で言い訳を考えて焦る葵を喜んでいる俺。

バカみたいに単純だ。

壁際に追い込んだ葵の体を両手で挟んで動きの範囲をなくす。

「これで許す」

今度は深く長く熱いキスをした。

                     END

このお話はここでいったんおしまいです♪

この後の二人はどうなるの!!!!!

中途半端~

でもドラマだとこの辺で最終回ってことよくあるし・・・(^_^;)

続きのお話は・・・・・考えてるような・・・ないような・・・

拍手コメント返礼

zui様

ここで一段落です♪

コメントでまだ続き考えなくっちゃという気になりました。

ということで新しいお話に続きますのでお楽しみに♪

ゴンチャン様

ありがとうございます。

更新が楽しみと言っていただけると頑張るぞ!という気力になります。

あきらと葵の二人の関係は新しい章へと移りますので変わらぬお付き合いよろしくお願いします。

hanairo様

ありがとうございます。

終われないようなコメントを皆さんからいただきまして続きUPしました。

新しいお話もよろしくです♪