FIGHT!! 3

嵐の前の静けさ・・・

何が起こる!?の皆様の期待感がひしひしと伝わってきて緊張気味で物語を書いています。

ドキドキからドクンと心臓が波打って緊張感は最高に!

そこまではないか・・・

*

「すごい・・・」

言葉が見つからない。

「駿が生まれた時のこと考えたらこんなもんだろう」

何でもないように時間の途切れることなく届けられたお祝いの品を眺めないがら司はつぶやく。

余裕過ぎる部屋の広さを埋め尽くす明るい包装紙に包まれた品々。

駿が生まれた時も何が贈られてるのか全部を把握することは無理があった。

舞や翼の生まれた時に贈られたものはいまだに手つかずのままだ。

その前に贈られた品物を危険物が紛れてないか厳重にチェックする体制がとられてる光景はいまだに慣れない。

ベルトコンベアーの上を動いて通り過ぎる大小の箱。

空港の入場ゲートより厳重じゃないのだろうか。

贈り物をもらわない方がはっきり言っていいんじゃないかと思ってしまう。

チェックを受けてOKのマークの入った目の前の箱の一つを開ける。

高級お菓子の詰め合わせ。

取り出しやすいこの場所はどうやら賞味期限がある品物らしい。

これが私たちの口に入ることはない。

使用人で分けるのが恒例となってるらしかった。

子供が喜ぶおもちゃがあると思ったら家電製品にパソコンまで。

3歳児が喜ぶものは限られている。

世界リゾート10日間最高級ホテルご宿泊と書かれた目録。

クイズの豪華景品みたいだ。

世界にいくつもの一流ホテルを持つ道明寺グループ。

その息子の入園祝いがホテルの宿泊の旅行券って・・・。

贈る側も相当悩んでるんだろうなと思わずにはいられない。

結局私と駿が喜んで開けれるのは近親者からの物だけということになる。

入園前までの準備は忙しい。

小さな子供の持ち物すべてに平仮名での名前の記入。

手提げ袋は一応、手縫いで私が作った。

母の愛情の手作りも情緒教育の一環ですの説明文と作るもののサイズがしっかり印刷された用紙を入園説明会で渡されている。

きっとプロに頼む家庭もあるはずに違いない。

昼間の穏やかな時間。

F3の来訪を告げられた。

「駿、入園のプレゼントだぞ」

3人の後ろには大人の背丈ほどの大きな木の箱。

「なんなの?」

「駿がほしいって言ってたやつ」

「俺ら3人からな」

そう言った時のこの人たちの金銭感覚は半端じゃないことはよく知っている。

私と司の結婚祝いが自家用ジェットだったことはいまだに忘れられない。

見た目はジェットには比べようもない小ささだけど、予測不能だ。

左右に開かれた木の箱。

「わ~あ」駿が喜んでかけだした。

車・・・

それもおもちゃじゃなくどう見ても本物の縮小版みたいなシルバーのベンツマークのオープンカー。

大きさ的には遊園地にあるような二人乗りのゴーカートくらい。

「駿にはまだ無理じゃない?」

遊園地のおもちゃでも身長制限があるはず。

「心配ない、これ身長に合わせて座席も動く」

「本物と寸分違わない性能と機能を持ってるから」

「庭で走る分は駿でも問題ないだろうし・・・」

本物って・・・

「この車おもちゃじゃなくて本物ってこと!?」

「ああ、特注で作らせた」

「駿、世界に一台だぞ」

きっと普通の大きさの車より高いはずだ。

やっぱり次元が違う。

頭がくらくらしてきた。

「乗りたい」

完全に駿ははしゃいでる。

「一人じゃ危ないでしょう」

私の声も無視して車の運転席に座ってる。

カーナビまでついている。

どれだけ精巧に作られているのか・・・。

「あっ、これ子供用に制限速度設定ができるから家の中でも遊べるぞ」

普通の家庭じゃ無理だ~

けど・・・この屋敷じゃ余裕で廊下をこの車で走れる。

「それじゃ俺が一緒に遊んでやるよ」

そういって助手席に座ったのは美作さん。

エンジン音を立てて走り出す車。

司も喜びそうだ。

一緒に遊んでる光景が浮かんでハァーと息をつく。

「入園式もうすぐだよね」

「うん、今度の土曜日」

花沢類の言葉ににっこりとうなずく。

「思い出すよな。俺たちの入園式」

「あの頃から司は自己主張半端なく強かったよな」

「そこから俺たちの苦労は始まったんだ」

西門さんと花沢類の会話。

懐かしい思い出に浸ってるようには思えない。

「牧野に出会うまでね」

「知り合ったころからの方が俺らの気苦労は増えてないか?」

「それって、私のことも入ってるってこと」

「牧野がからむと別な問題が起き上がるからな」

「失礼ね、人をトラブルメーカーみたいに言わないでよね」

「最近は落ち着いてるけどね」

どこからともなくこぼれる笑い。

「入園式、司大丈夫なの?」

「少し遅れるみたいなことは言ってたけどね」

「駿の入園式なのに?」

「俺たちだってしっかり休みを入れておいたぞ」

「えっ?なんで?」

「俺たちも駿のパパだろう?」

パパって・・・勝手に自分たちで駿に類パパ、総パパ、あきパパって呼ばせてるだけじゃないかぁぁぁぁ。

「・・・もしかして、入園式来るの?」

当たり前みな表情でほほ笑む目の前の整いすぎた顔が二つ。

「司の代わりに俺がビデオをまわそうかな」

テーブルの上に置いていたビデオカメラを手に取る西門さん。

「それじゃ俺は写真」

花沢類は手でカメラの形を作って私に向けてシャッターを押すふり。

「あきらは司の代理ってところ?」

もぉーーーーーーこの3人はッ!

入園式にこの4人がそろうだけでどうなるんだ!

それじゃなくても道明寺の御曹司御入園というだけで相当な噂になっているのにッ。

騒ぎになることは目に見えてる。

プラス司の不機嫌な顔がプカッ浮かんできた。

入園式まであと4日。

拍手コメント返礼

b-moka

F4がそろって出席したらしたら・・・

「どういうこと?」なんてことになってさわぎにならないでしょうか?

司が知ったら出席阻止しそうですよね。(笑)