春光の遥か 1

駿君が成長するにつれ、ミニチュア4人をそろえてみたかったと思う気持ちもちょっと少し。

私の場合、もしつくしが司と離れても残り3人と恋愛を重ねる心の変化の描写が浮かびません。

だから『つかつく』のお話しか書けないんだろうな(^_^;)

他のカップルのお話を熱望する方には申し訳ありません。

それは他の二次でお楽しみを~。

総ちゃんの恋愛話は書いてみたいとあきら&葵のお話が進むたびに思っていました。

少しさわりの部分をUP~。

あとは皆さんの反応で継続が決まりますのでよろしくです~。

*

春は空と地中からいち早く動き始める。

澄み切った空はどこまでもすがすがしく、大地からは新しい息吹が芽生えだす季節。

春の風光、春のやわらかい日の光りがわずかに開いた障子窓の隙間から手元を照らす。

母屋から少し離れた四畳半の草庵風茶室。

ゆらゆらと茶釜から立ち上る白い湯気が温かいと感じる肌寒さがわずか残る。

光りと影が相まって作り出す春光。

静かに作り出される侘びと寂の世界。

それが好きだと思えるようになったのは大学を卒業してからの頃だろうか。

ポンと庭のししおどしが静かに清い音を立てる。

目の前で点てられたお茶を司がゆっくりと品のある動作で口元に運んだ。

「相変わらずうまくねぇ」

司らしい俺への褒め言葉。

そしてもう一度 静寂の中にししおどしの竹筒が岩に当たり音を立てた。

外から遮断されたような静音の個室。

「お前、昔コケオドシって言っていたよな」

膝元にお茶を飲みほした鉄釉のかかった天目茶碗を引き寄せる。

特別な相手にしか使わない国宝級の茶碗だ。

「いつの話だ」

苦笑気味に司の口元が引きあがる。

「いまだに司語録は更新中だろう」

ククと喉の奥から声は漏れる。

久しぶりに安らいだ気分。

司といてこんな気持ちになれる日が来るとは思わなかった。

「お前大丈夫か?」

「そう心配することはないと思うけど」

「外はすごい騒ぎだぞ」

「いつものことだろう」

「いつものことじゃないから俺がわざわざ来たんだろうがぁ」

俺の落ち着きがどうやら司を刺激しているらしい。

「で、どうしてるんだ?」

「どうしてるって?」

「赤ん坊だよ」

「母親が喜んで世話してる」

「まさか本当にお前の子じゃないよな?」

屋敷の門の前に置かれたベビーカー。

その中に生後半年ぐらいの女の子の赤ん坊。

見つけて大騒ぎになったのはそれだけじゃない。

あなたの子供です。育ててくださいの短い手紙。

あなたって誰だ?

それで大騒ぎになった。

そして一番疑われたのが俺。

流石にまったく白だとは言い切れない今までの現状を後悔した。

「子供ができたからって逃げるような奴じゃないのは俺が知っている」

心配そうにあきらが現れたのは3日前。

「逆算すると司が婚約を発表したころだよな?」

「総二郎、あの頃誰と付き合ってた?」

「忙しく飛び回っていたからデートする暇もなかった」

俺としてはあのころが一番忙しくて寝る間もなくて珍しく俺の周りに女性がいなかった空白時間。

妊娠させる暇なんてない!

「まさかこんなことになるとは思わなかった」ってニンマリしてるあきらを俺は見逃さなかった。

次にやってきたのは類。

「あきらから聞いた」

「子供の父親の見当はついてるの?」

「子供の母親を突き止めるのが先決だと思ってる」

「・・・まさか、親父さんってことはないよね」

実際それが一番困ると俺は考えてる。

嫁はいなくても俺の子供なら喜んで育てると赤ん坊の世話をする母親にこれが一番忍びない。

しばらくは周りに勘違いさせたまま様子を見ることに決めた。

そして昨日発売の週刊誌に踊る文字。

西門家次期家元に隠し子!!

どこで漏れたのか・・・。

屋敷の前には何台ものテレビカメラが並ぶ騒々しさだ。

一番不安そうに必死の形相で現れた司。

こいつが一番俺のことを信用してないらしい。

いや違った。

心配してるんだよな。

「お前の浮気騒動よりは心配ないから」

「ばか、あの時の俺は完全潔白だったぞ」

いやなこと思い出させるなと睨みつけられても浮かぶ笑み。

今は牧野との別居生活にも解消されて新婚生活を満喫しているに違いない。

「それと一緒だ」

司の緩んだ穏やかに気の流れが俺にもわかる。

「必要ならいつでも頼れ」

言い残して司は牧野のもとへと帰って行った。

隠し子発覚!!のお話は書きたかったんです。

だからってここ!!

聡ちゃんの恋愛話のはずなんですが・・・

一番周りが納得できる人選だと私は思ってます。

聡ちゃんごめんなさい~

拍手コメント返礼

b-moka

昔の行い~現在も進行中かとおもいます。(^_^;)

あくまでもtハッピーなお話を目指すつもりでいます。

mi様

つかつく大好きでうれしいです。