FIGHT!! 4

F3の駿君の入学式を知った司は・・・

西田さんの日記で先にネタバレしてしまった。(^_^;)

*

次々に俺の携帯につながる聞きなれた着信音。

三人三様。

表示名を見なくてもわかる。

最初は類

「司、駿の入園式行けないんだって?」

「行けないんじゃねぇよ。遅れるだけだ」

「・・・そう」

類独特の間のあるしゃべり声。

「俺も行くから」

「へ?どうしてお前が行くんだよ」

「休み取ったし・・・」

「そんな問題じゃねえだろう」

じゃあと軽く返事が聞こえて携帯は切られた。

睨みつけてた携帯から時間を置かず総二郎からの着信。

「今日、三人で駿の入園のお祝いを持って行ったから」

「ありがとな」

「・・・で、俺も入園式に行ってやるよ」

思わず握っていた携帯を凝視。

「あっ!? 行ってもらわなくていい」

「そう言うな。もともと茶道の講演する予定だったんだ」

「幼稚園児相手にか?」

「じゃねーよ。保護者相手に決まってるだろう」

なんだかしっかりいいわけが準備されてるような気がした。

そしてあきらからの着信。

「お前も行くのか!!」

あきらの声が聞こえる前に携帯に叫ぶ。

「よく分かったな」

「次々に珍しく連絡があればサルでもわかる

「来るなッ」

叫んですぐに携帯を切った。

西田に入園式に出れるようにと指示を出して自宅に戻る。

西田の渋い顔など気にしてられない。

部屋のドアを開けて飛び込んできたのはシルバーの車。

普通の物より小さいやつ。

なんでこれが俺たちの部屋にある?

「おかえ・・・り」

つくしの表情が笑顔から固まった。

「機嫌悪そうだけど・・・」

「あっ」

横暴気味な低い声。

「どうかした?」

「どうかしたじゃねぇーよ」

「なんで、駿の入園式にあいつらまで・・・」

言いかけて思わず言葉が止まった。

ちっこい車の助手席に見える小さな体。

少し横に頭が傾いた状態でぽかんと開いてる口元。

閉じたまつ毛がわずかに振動した。

「駿・・・」

「どうした?」

駿の無邪気すぎる顔をみて思わず気が緩む。

「この車、花沢類達の駿へのお祝いなの。本物の車のミ二チュアなんだって」

「ここで寝るって珍しく言い張って・・・」

「・・・で、これか?」

犬なら腹を天井に向けて四肢を広げて緊張感ゼロの安心感マックスの状態だろうか。

おかげでつくしに怒鳴る気分も消沈。

ため息とともにソファーに沈ませる身体。

「あいつらも行くって連絡があった」

「連絡って・・・あっ!入園式?」

うなずく代わりに唇がムッとなる。

「困るよね」

「私だけならあんまり目立たないって思ってたんだけど・・・」

「それじゃ、俺も邪魔みたいに聞こえるぞ」

「そんなことは言ってない」

焦ったように・・・

必死に取り繕うこいつの表情が面白い。

「断らなかったのか?」

鼻先を近づけてつぶやいた。

「冗談かもしれないと思ったし・・・」

あいつらが冗談で俺まで連絡をよこすはずはねぇよ。

「遅れるけど、司は来るから大丈夫ってちゃんと言ったんだけどね・・・」

「・・・ん?」

「怒らない?」

「怒らねぇよ」

言いながら不愛想になる声。

「駿が喜んじゃって・・・パパたちが来るんだってね」

「駿のやつ・・・俺が入園式に一緒に行けない少し遅れるって言ったら興味なさそうに「うん」だけだなったよな?」

悲しそうな表情もなく無関心気味につぶやかれた。

アイツらが行くって言ったら大喜びって、俺の父親の立場はどうなる?

アイツらに負けてるのか?

それにパパって・・・

パパが4人もいたら大騒ぎだろうがぁぁぁぁぁ。

おもしろがってアイツらが駿にパパって呼ばせるからおかしくなる。

早く自分の子供を作れ!!

今度会ったら言ってやる。

「きっと意味があんまり分かってなかったんだと思うけど、ほら入園式の意味もまだ分かんないみたいだしね」

そんな問題じゃねぇーーーーー。

アイツらに負けられるかッ。

絶対入園式には出てやる!

アイツらに邪魔はさせない。

「大丈夫・・・」

不安げなつくし。

「休む!」

「え?」

「駿の入園式の仕事はキャンセルする」

うだうだ西田に言われてもかまうものかッ。

「もしかして・・・F4がそろうの?」

「目立ちすぎだよ」

半泣きでつくしがつぶやいた。

入園式まで後3日

拍手コメント返礼

nonno様

受けました?

よかったぁ~。

実はこのお話はニンマリとしてもらいたかったんですよね。

うれしいな♪

そうそう♪つくしにはあきらめて楽しんでもらいましょう。

この先には入園式以外にもいろんな行事が待っているんですから~

それ全部F4参加!!!

ある意味英徳の名物に発展したりして~

英徳の入園、入学の競争倍率増加!!なんてことにもなるかもしれませんよね。

もちろん必死なのは子供よりも親です。

yum***様

またまたありがとうございます。

教えていただけるのはとても助かります。

特に依然の作品はほとんど私は読み返さないので、間違いをそのままってところまだあるんですよね。