涙まで抱きしめたい 6
台風の影響はいかかでしょうか?
被害がないことを祈ります。
さてこのお話も6話目です。
どうなるのかな~
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なかなか思うように進みませんが(毎日の更新で忙しくて)
今回短編を少し手直ししてUPしました。
第一弾は Birthday(tukusi)です。
忘れたなッて方はこの機会にもう一度ご覧頂けたらと思います。
*「なんだと!」
珍しく心の底から湧き上がる怒り。
相手は一之瀬。
「どういうことだ」
「会長命令ですから」
「会長がその方が平等だろうとおっしゃいました」
「俺の味方じゃなかったのか?」
崩れるように椅子に座りこみつぶやいた。
今朝告げられた秘書の配置換え。
「東条さんは美作常務にしばらくついてもらうことになりましたから社長には私が」と、一之瀬は頭を下げた。
人事権が社長の俺にないのが今更ながらくやまれる。
「自信がないのですか?」
一之瀬が見せる微笑みほど今の俺には余裕はない。
葵が翔平に取られるとは思ってはいないが、これは単なる嫉妬だ。
情けないくらい。
こんなに独占欲が自分にあるなんて知らなかった。
司のことを笑えないくらいに葵の横にいる男に嫉妬してる。
「なんだか催促されてるみたいだよな」
一緒に暮らしてはいるが爺様が満足するような報告はできていない俺と葵。
「なにがですか?」
俺の言葉に反応を見せる一之瀬はやけに楽しそうだ。
分かってるだろと不満そうな表情で一之瀬を見返した。
「今の社長は可愛くて、見ている私はうれしいのですよ」
かわいいって・・・
思われて誰が喜ぶ!
「まあ、葵さんもいろんなタイプのあしらい方を覚えるのにはちょうどいいんじゃないですか?」
「翔平だぞ!」
「あいつが無理やり押し倒すとかしたらどうする」
「ここは会社ですよ。大丈夫でしょう」
大丈夫って・・・
俺は昨日葵を押し倒した。
あの翔平なら最後まで持っていく可能性はゼロじゃない。
その一之瀬の安心感は確信が持てない。
「失礼します」
いつもの通り仕事モードで入室してきた葵。
視線がつながったその先で嬉しそうに葵の口元がほほ笑む。
笑ってる場合じゃない。
これじゃ葵にまで八つ当たりだ。
二人っきりになったのは一之瀬の計らいか裏があるのだろうか?
疑い深くなってしまってる。
それでもこの時間を利用するしか手はない。
「断らなかったのか?」
「なにを?」
「なにって!俺から外されるってこと」
「・・・仕事だから」
「それに、常務は・・・その親族でしょう?」
「長い付き合いになるのだから、相手を知っておくのも必要だって会長がね言ったから・・・」
言葉を濁しながら葵の頬が赤く染まる。
それは、つまり俺と一緒にいればそうなるわけで・・・。
葵もそれを考えるから断れなかったって理屈。
素直に取ればそうなる。
が・・・。
爺様の考えてたお前の相手は俺だけじゃないんだ!
その一人が女たらしの翔平だっ!
言いかけた言葉をぐっと心の中に押し込む。
女性に関しての爺様の評価は翔平も俺も一緒かも知れない危険性がある。
葵に選ばれろって爺様の果たし状のような気がしてきた。
「いいか、危険を感じたらすぐに逃げろ」
「危険て何が?」
無邪気に何も気が付いてない表情が目の前にある。
「だから、若い男と二人っきりに部屋にいるんだぞ!」
「それって、今と変わらないと思うけど」
考えすぎだと葵はケラケラと笑う。
その顔が急に真顔になった。
「どっちかと言うと、あなたと二人っきりの方が危ないと思う」
「私・・・拒めなくなりそうだもの」
思わない告白に俺の方が体を熱くした。
もう、何も言えなくなった。
拍手コメント返礼
nonno様
あきら君の場合ストレスを溜めすぎて胃潰瘍になった鵜可能性あるかもしれませんね~。
会長がドSというよりも私がドS傾向かも~。
記念作品リクエストは1日1回の投票になります♪
ただ今のところやっぱりつかつく有利ですね。
結局全員登場になったりして・・・(^_^;)
b-moka様
余裕ないですよね。
余裕のある振りもできない状況作ってますけど・・(^_^;)
まだまだ波乱はありますよ~