春光の遥か 4

ここで外国人!

聡ちゃんが国際結婚ってのも面白そうだよなという発想ですが・・・

次期家元のお相手となると猛烈な反対を受けるとかありそうだし♪

その前に隠し子!です

どうなるんでしょうね。

お話は多分すごくややこしくなっています。

*

抱き上げた赤ん坊をじっと見つめた。

少し薄めの茶色の髪の毛。

目鼻立ちはくっきりとしてる。

開いた瞳は黒色。

彼女に目鼻立ちが似てると言えば似てる気がした。

どっちにしても白人の特徴は薄そうだ。

父親が俺ならそれも不思議じゃない。

って・・・。

俺はなにを考えてる!

この子が俺の子供であるわけがない。

意識がないままに妊娠させるなんて不可能だろうッ!

意識をなくした記憶もなしだ。

俺に抱き上げられた赤ん坊は珍しそうな表情で俺を見つめる。

小さな手のひらが俺の顔に伸びて唇や鼻を触って「キャッ」と声をあげた。

子供のそんな仕草は不思議と嫌じゃない。

「ママが迎えに来てるぞ」

あやすように言いながら部屋へと戻った。

「マリ」

俺たちに気が付いたジュリアは俺から奪いとるとすぐさま赤ん坊を抱きしめた。

愛しそうに赤ん坊を抱くジュリア。

ここ数日の時間を取り戻すように注がれる愛情が見える。

「マリって名前だったんだな」

置き去りにされたベビーカーの中にはオムツとミルクに数枚の着替えと『あなたの子供です。育ててください』の

短い手紙だけ。

名前もわからず、俺の母親は娘につけるつもりだったという名前「紗綾」と赤ん坊を呼んでいた。

女の子を産んだら自分が名前を付ける予定だったのにって俺に言われても男ばかりの3兄弟になったのは俺のせいじゃない。

「あなたが付けたのに忘れるんですか?」

さっきの慈愛に満ちた瞳は厳しい非難じみた色をにじませて俺に向けられる。

そんな記憶ない!

「マリなら、日本、外国でも通じるって・・・考えたんだと説明しました」

ジュリアがカバンから取り出したのは四つに折られた和紙。

開いた紙の中央に「茉莉」と書かれた達筆な毛筆。

自慢じゃないがここまで俺はうまく書けない。

俺を誰かと間違ってる?

自分の生んだ子供の父親を間違うってあるのか?

俺にそっくり

そんな奴を俺は知らない。

「君、誰れかと俺を間違ってない?」

振り上げられた手を今度は俺の右手がつかんだ。

わけもわからないいまま殴られるのはごめんだ。

「結衣は嘘を言うはずないわよ」

「結衣?」

「忘れたの?」

「この子を産ませたんでしょう」

目の前に出された赤ん坊はご機嫌に「キャッ」と声を上げる。

「君の子どもって言ってなかった?」

「え?」

「あっ・・・」

「・・・ごめんなさい、日本語全部理解できない」

怒りのこもった声が姿を隠して戸惑いの表情をジュリアが浮かべる。

最初から話がかみ合ってなかったわけだと俺は納得できた。

「どうやら根本から話してもらわないといけないみたいだ」

「最初から話してくれないか?」

不安そうな彼女を落着ける様にゆっくりと声を出して優しく俺はほほ笑んだ。

拍手コメント返礼

b-moka

まだまだ余裕のある総ちゃんですがわかりませんよ♪

お楽しみに~

nonno様

まだまだ複雑な人間模様。

全貌はもうしばらくおまちを♪

茶道を広めるためには国際結婚もありかと私も考えてました~

どうなるかな~(^_^;)