逆襲のファンタジー 7

どんどん話が広がってしまってます。

今回は『え?』と思える人物が登場予定です。

誰か想像して続きをプチッと押してくださいね。

正解者は!

いるかなぁ・・・(^_^;)

「ねぇ、あの子、気にならない?」

促されて上げた視線の先で着ぐるみのユラユラと揺れる尻尾を追いかけてる緑のチェックシャツの子供。

子供よりやっとデートにこぎつけた俺が、ほかのことに気を取られてる余裕はない。

道明寺SPの同僚で相葉先輩の同期。

つくし様の護衛に付くときは2歳年上の彼女とコンビになることも多い。

灰原 真純。

凛としたぶれない正義感。

同僚の中でも信頼も厚く人気もある。

今日、俺がデートしてるってしれたら俺達の真純ちゃんをたぶらかすなって、いい年したおっさん連中の、千葉には任せられないって鋭い視線が突き刺すのは間違いない。

尊敬と憧れを感じてた彼女を好きだと気がついてから1年余り、やっと今日デートに誘えた。

長かったな・・・

今、俺は心の中で感動に涙を流す。

「千葉君聞いてる?」

出来るなら一平と呼んでほしい。

デートに誘ってOKしてくれたんですから少しは僕のこと思ってくれてますよね?

「ほら、あの子」

苛立ちを見せた感情の中に子供を心配する優しさが見える。

灰原さん・・・

胸当たってるんですけど・・・

彼女が俺を引っ張る様に腕を取られてその腕に巻きつけた腕が灰原さんの柔らかい膨らみに押しつけられて・・・

「よく見てよ」

首を傾げた先に艶やかな唇。

これ以上見てたら俺はいけないことを妄想してしまいそうだ。

真純さん、好きです。

僕とつきあってください

想像の中の彼女は照れくさそうに微笑んでコクリとうなずく。

かわいいっ

「私じゃなくてあっちでしょ」

彼女の手のひらが俺の頬を挟んで無理やりに首の回転の領域を超えて100度は回された。

折れるっ。

あれ・・・?

何処かで・・・見た記憶。

チョコチョコと落ち着かずに動きまわる。

あっ尻尾を追うのをあきらめたと思ったら地面にキャラクターの絵を水で書いてるその先をじっと眺めてる。

その線を指でなぞってるし・・・

あっ!舐めた!

その横顔は翼坊ちゃん!!!

まわりに誰かいるのか!

いたら指を舐める前に止めてるはずで・・・

つくし様・・・

いない。

同僚SP・・・

いない。

もしかして大穴で代表とか?

今日は急に休みになったから俺は暇なんだと相葉先輩が言っていた。

「俺も千葉につきあうかなぁ」

と、本気とも取れる発言で俺を惑わせた。

代表がいたらどんな格好でも目立つ。

艶やかなオーラーはない。

「どう見ても翼様に間違いないわよね」

なんで一人?

それもこの広い園内で俺達が見つけるんだ。

「一人ですか?」

翼様に近付いた彼女は腰を屈めて問いかける。

「うん、違う。パパと来たの」

ゲッ!代表!

何処だ?

辺りを見渡してもそれらしき姿は見つけられない。

「パパはどこにいるのかな?」

「知らない~」

にっこりと無邪気な明るい笑顔。

知らないじゃなくて、普通心細くなるとこでしょう。

水の線をなぞって遊んでる場合じゃない。

「パパ~」泣きじゃくる息子に、「心配したぞ」グッと抱きしめる代表。

想像する。

なんだかしっくりこないよなぁ。

翼様と代表・・・

はははッ。

スツカリ翼様からは代表の存在は抜け落ちてる。

水で書いたすぐ消えるキャラクターに負けてる。

「一人でさびしくないかな?」

「一人じゃないもん、いっぱいネコさんとかネズミさんとかクマさんいるもん」

翼様と話してると大らかというか、呑気というか、マイペースっていうか・・・

案外大物?

「失礼します」

灰原さんが翼様を抱き上げてスクッと立ち上がる。

「きっと探し回っていらっしゃるわよね」

携帯に連絡を入れても呼び出し音だけが無情に響く。

まさか俺の番号じゃ仕事がらみと考えてわざと出ないとか?

「広すぎるからどこから探すか見当がつかないわね。高台から見たら探し出せるかしら?目立つ方だから」

「そうですね。探しましょう」

さっき胸の中で流したうれし涙が諦めの涙に変わる。

俺って運ないんだよなぁ・・・。

「呼び出してもらいますか?」

3人で訪れた案内所。

「すいません迷子なんですけど」

受け付けてくれた女性は慣れた仕草で翼様の前に腰を下ろす。

お名前は何かな?「道明寺翼君。3歳」

翼君くんてにっこりほほ笑むのは愛嬌抜群。

目の前で示した指は三本じゃなく二本でピース。

間違えたと気がついた表情は左の指を右手でもう一本たてる。

それで正解ですね。

思わず吹き出しそうになる口元を押さえた。

見つからない場合は俺達が保護して屋敷に連れて帰ればいいわけで、さほどの緊迫感んがあるわけじゃない。

つかの間の子供らしい仕草に和んでしまってる。

「パパか、ママのお名前言えるかな?」

「牧野 つくし」

迷いもせずにはっきりと大きな声。

そこは牧野じゃなく道明寺ですよ。

訂正する前に思案する表情で受付嬢は書きとめていたペンを止める。

「最近込み入ったご家族の方も多いですからね」

困惑な表情で俺達に遠慮がちに受付嬢はつぶやく。

いや違いますと訂正するまもなく彼女は奥へと消えた。

数分後園内に響く迷子の呼び出し。

「牧野つくし様。3歳の男の子翼君がお待ちでございます。

サービスカウンターまでお越しください」

うわ~

牧野つくしで呼びだしちゃったよ。

今さら道明寺で呼び出してもらう訂正をかける勇気は俺にはない。

それよりつくし様も来てるのだろうか?

来てくれていれば俺も気が楽だ。

「代表・・・気付いてくれるでしょうか?」

道明寺つくしじゃないし、道明寺司でもない呼び出し。

「めちゃめちゃ不機嫌で登場するかもね」

こんな時の灰原さんは肝が据わってる。

しょうがないかって落ち着いた響きの声。

【誰が牧野だ!道明寺つくしだ!】

翼様を見つけて安堵する代表より不機嫌に眉を吊り上げて登場する代表を想像中の俺は落着けやしない。

灰原さん・・・

ここは彼女らに任せて立ち去りませんか?

言いたい言葉をごくりとつばを飲み込んで腹の底へと押し込めた。

拍手コメント返礼

かよぴよ 様

あの広さで会える確率ってどのくらいでしょうね。

なかなか会えないぞ~。

「牧野つくし」にすばやく反応するのは司かな。

つくしは道明寺に慣れて来ていてピンときてなかったりして・・・(^_^;)

Gods & Death 様

単に遊びに夢中で周りが見えない子っていますよね。

まわりに誰もいないと気がついてキョトンとなる。

そしてやっと自分の置かれた立場を理解する。

まわりに誰かしらいる生活をしてるから、誰も知ってる人がいないと分かったらパニックになるのでしょうか?

その前に千葉君が見つけてくれてよかったんですよね。

ゆきこ 様

新キャラを登場させたのはいいが名前に迷う。

まあいいかと短絡的に日曜日の見た映画の影響をもろにウケちゃいました。

さすがにコナンは使えませんけどね。(^_^;)

カストーディアルに夢中になって舐めるってなにをしたかったんでしょう?

匂いを嗅ぐくらいで止めとけばいいのになぁ。

舌で確かめたくなるのはつくしちゃんの遺伝?

自由な末っ子は大人になっても自由でいて欲しいなぁ。

千葉君のデートはこの後続けられるのかしら・・・。