逆襲のファンタジー 12

昨日ネットをにぎわせていた〇〇〇デーの記事。

LINE内某グループ(ただいま参加者9名)盛り上がちゃいましたね。

リアル花男見たいなぁ~と。

朝のテレビでは否定したという情報を朝一のトークで頂きました。

道明寺一家も十分興味をそそるネタだと思うんですけどね。

写真を売り込むのは滋ちゃんかな。(笑)

グッズショップが左右に並ぶ中を通りすぎて入り口近くまで引き返した。

「早くしないと翼が泣いちゃうよ」

子供が好きそうなキャラクターや食べ物には目もくれずに俺を引っ張る駿。

俺一人で向かった方が絶対早いぞ。

そう思いながら兄貴の顔をのぞかせる駿を褒めたい気分が心の中に詰まる。

駿に感動して忘れるとこだった。

牧野つくしの呼び出し。

「いた、あそこだ」

握っていた俺の手を離して駿が建物の中に駆けだした。

「翼、駄目じゃないか。総パパから離れちゃ」

「違うもんあきパパといたんだもん」

二人のチビの横には図体の大きな見覚えのあるやつ。

千葉!

なんでお前がいるんだッ!

お前がいるなら俺に連絡ぐらい入れられるだろうッ!

そしてお前がいて、なんで、牧野の旧姓での呼びだしを許す。

「代表・・・・」

言葉尻で小さくつぐむ声。

俺が現れてもろに迷惑そうな顔をするんじゃねぇよ。

「御連絡を入れたのですが、携帯につながらず連絡がとれませんでした」

コツコツと俺に近づいてきたのは灰原。

そう言えば、駿につきあうと決めた時に余計な連絡は無視すると決めて、仕事用の携帯の電源は切ったままだった。

つくしから連絡がいるはずのプライベートにはいまだに着信なし。

アイツ何やってんだ。

「お前たち二人か?」

「えっ?まぁ・・・」

灰原の仕事モードの口調が一瞬戸惑う。

千葉の方は完全に狼狽して落ち着きを無くしてる。

「俺達がちょうど見つけて連絡が取れないので迷子センターに連れてきました」

直立不動で敬礼しそうな勢いで千葉が告げる。

「なんで、牧野なんだ」

「それは・・・」

千葉の手が胸元でこれ以上俺に近付いてほしくないと両手の手のひらを俺に向ける。

そんな気弱なSTOPは直ぐに突き破るぞ。

チラリと子供達に向けた視線。

こいつ等の目の前じゃ乱暴な態度を取るの気が引ける。

親になって芽生えた自覚。

駿は翼の首に掛かるポップコーンの食べ物を分けてもらって二人で口いっぱいに頬張ってる。

「翼君、お兄ちゃん?」

「うん」

迷子センターの従業員が翼に確認して俺を見る。

何かに気がついたような表情を浮かべた。

「すいません、お父様ですか?お迎えの確認でサインでお願いします」

目の前に示された書類に殴り書きのサイン。

「どうみょうじ・・・」

やっぱりとかキャーとかの感情が見て取れる。

いちいち気にしてはいられない慣れた反応。

「不可抗力ですから、翼坊ちゃんがそう憶えてて止める間もなかったんです」

エビの様に背中をそって少しでも俺からの距離を保とうとする千葉。

ビビり過ぎだろう。

灰原に興ざめされても俺の責任じゃないからな。

「翼、ママの名前なんだ?」

「牧野つくし」

無邪気な声は興味なさそうに答える。

「パパは?」

膝をついて翼と向き合う。

道明寺司

「翼は?」

「道明寺 翼」

「だったら、ママは道明寺つくしじゃないと可笑しいぞ」

「それじゃ、道明寺 牧野 つくし?」

なんでそうなる?

俺の横でにこにこと駿が笑う。

「とにかく牧野はいらない」

駿の笑い声が俺の不機嫌さを遠くに押しやる気がした。

翼にとっても駿にとっても、牧野でも道明寺でも関係ない。

そうだよな。

どっちでもたいしたことじゃない。

現実はつくしと俺は夫婦で、こいつ等も生まれて、家族を作って、何事にも代えがたい存在。

理解してても気にくわない感情は嫉妬。

これでもむき出し感は押さえてるんだぞ。

「司・・・」

入り口の陰から現れたのはつくし・・・

・・・と、舞と類。

舞を真中に手をつないで似たようなポップコーンの入れ物を下げている。

類は頭に変なもの付けてる恰好。

慣れねェッ。

笑い飛ばしたいのに頬が引きつった。

そこら辺を歩く似たような家族が俺の目の前を何組も通りすぎていく。

俺抜きで家族ごっこしてんじゃねェぞ。

千葉に類!

俺の気分を害するリスクを増やしてんじゃねェ。

ようやく一つ抑え込んだと思ったらそれに上乗せする不愉快さを投げ入れてくる。

「おしょろいだよ」

ツカツカとやってきた舞が俺に自分の顔よりおっきなポップポーンの入れものを自慢して見せる。

満面の笑みを見せられて怒れるわけない。

沸々と煮えたぎるマグマの不愉快さ。

お前らの横にいるのは俺だろう。

なんで類だッ!

つくしと類にポップコーンを渡す様に舞があいつらの側に戻る。

受け取ったポップコーンを俺と駿の首に舞が掛けた。

「おしょろいでしょ。そんなに怖い顔しちゃだめだから」

つくしの言い回しそっくりに言葉を発して舞が俺をみつめる。

「司、子供に気を使われてる」

ポツンと呟く類。

るせっ。

大体つくしが類と一緒つーのがあり得ねェだろう。

まずは俺に連絡を取るだろうがぁぁぁぁ。

怒りの矛先が変わった。

拍手コメント返礼

ゆうん 様

拍手一番のりありがとうございます。

このお話の主役は子供達かもしれませんよね。

ゴールデンウィーク、子供の日に合せて作ったお話なのであと数話の御付き合いとなります。

駿君しっかりし過ぎの様な気もします。(^_^;)

かよぴよ様

翼君何時まで牧野つくしって思ってるのでしょう?

3歳児がママの名前覚えてるだけでもすごい事なんですけどね。(笑)

ショーに飛び込み良いですね。

パレードに某グループが参加してるとしたらつくしちゃん大喜びな気がします。

アイツが入るんなら俺が出てやると司が対抗心燃やす設定。

なんだか別な方向にお話が行きそうです。

マリエ様

「おしょろいでしょう」の舞ちゃん。

司の操縦法はつくしより上手だったりして・・・。

子供の方がホント父親の扱い心得てるんですよね。