FIGHT!! 9

どうやら最近の1番人気はつかつくの家族のお話のようです。

つかつくのラブラブのお話も書きたい!

でもまだいっぱい連載中の作品が~~~~~~~。

どれか早く終わらせよう。(^_^;)

*

ドタッ!

    バタン!

        ボテッ!

キャーーーーーッ

私たちが一歩歩むごとに人波が移動する。

警備の人の中に埋もれて動くのは大人5人と幼児一人。

ざわめきの中に何かにぶつかる音に混じってそして時折上がる悲鳴。

途中から二人は別な方向へと道を変えた。

「類、お前もあいつらと一緒に行け」

冗談じゃなく本気の司の声。

命令的口調は幼馴染の親友にもお構いなしだ。

「俺は総二郎には関係ないから」

司の命令口調に動じないのもこの人だからだと私は思う。

「厳密には俺たちにもお前は関係ないだろうッ」

ニコリとほほ笑みを浮かべる花沢類の横で司は口の中でブツブツと不満の声を漏らす。

「本日はおめでとうございます」

床につきそうな低姿勢で頭を下げるのは英徳の案内状のTOPページに写真がドカッと載ってる理事長。

その辺のくたびれたおじさんのような雰囲気で愛想笑いを浮かべてる。

ふんぞり返る写真とはえらい違いだ。

同一人物か!と疑いたくなる。

この状況は司を前にした時のお偉いさんとなんの代わりもないから慣れてしまってる。

「駿坊ちゃんはこちらで」

理事長の横には私と変わらないくらいの女性が立つ。

「よろしくお願いします」

緊張したまま必死に笑顔を作る女性。

その女性に手を引かれて駿は入園児の席へと向かう。

機嫌よく振り返って手を振る駿を笑顔で私も手を振った。

「駿についていくんじゃねえのか?」

耳元をかすめる聞きなれた声。

「なんならここで理事長に用意させるぞ」

怪訝な顔で私たちに視線を移す理事長。

何か問題でも!と理事長は浮かび上がった額の汗をハンカチでぬぐいながら司の顔色をうかがってる。

「あのね、冗談!幼児の中に大人が混じったら逆に目立つわよ」

これ以上バカなことを司が言わないように手のひらで司の口を覆いながら小声でしゃべる。

「バカ、口をふさぐな」

乱暴に司が私の腕をつかんで振り払った。

「なにやってるの?」

花沢類はクスッと口元に拳に作った片手を当てがったまま笑い声をあげる。

「駿が探してるよ」

花沢類は園児席から私たちを探す駿に手を挙げて合図を送った。

本当の父親より駿を気にかけてる仕草。

どっちが父親だ!

「お前が変なことするから類にも笑われて、周りにも目立つだろうがぁ」

「その前から目立ってるわよ」

横目でとらえる周りからの視線にそのまま黙って私は口を閉ざした。

「ボックス席も準備してますが・・・」

相変わらずの恐縮気味の理事長。

案外英徳時代のやりたい放題の暴君だった司が理事長のトラウマとなってるのだろか?

そんな気がする委縮さだ。

駿は大丈夫ですから!

私も普通の感覚だし、司もこれから始まる駿の英徳の生活に口を出すほど暇じゃありません!

特別扱いは必要ありません!

宣言する必要ありか?

「いえ!普通の席で、特別じゃなくていいです」

それでも理事長自ら案内役を務めて最前列の真ん中で3人で座った。

私を挟んで司と花沢類が座る。

「類、おまえは俺の横に座れ」

「今更どんな席順で座ろうと文句言わないで」

「周りの迷惑よ」

「迷惑ってッ!」

司の袖を引っ張って見上げた顔は不機嫌に眉をしかめたまま黙り込んだ。

こんな時は二人になった時が怖い。

「キャー、やった!」

どこからか上がる声。

どうやら席順が決められてるらしかった。

入園式の式典の保護者席でくじ引きってあっていいものだろうか。

私たちの左右両隣りに後ろの席。

「こんな機会はめったにないわ」

花沢類と司の横に座る女性。

目がハートに見える。

見るのは子供たちでしょう!

今にも握手とか色紙でサインを頼まれそうな感じ。

絶対この二人が応じるはずがない。

何を心配してるのか。

ここはコンサート会場じゃない!

でも熱気はそんな感じで遅れること30分。

入園式は始まった。

拍手コメント返礼

たま様

ラブ×2なお話を私もUpしたいです[emoji:v-402]

haruharu様

初めまして。

楽しんでいただけてうれしいです。

家族の話は書いてても楽しいです。

入園式のお話もあと少しで終わりですが楽しんでもらえるお話で仕上げる予定です。

こちらこそよろしくお願いします。