涙まで抱きしめたい 16

15の続き!物語

はやくUPしないといけないような気にさせられるコメントを頂いて、UPするつもりはなかったんですが・・・

更新してみました。

物語の内容は出し惜しみになってたりして~。

今回は葵サイドで展開です。

*

ここ数日で一番落ち着かない。

自分のデスクに座って眺めるデスクトップのPCの画面。

社員IDとパスワードを入力。

出勤していつもの最初の仕事。

常務が出社する前に確認することは社長秘書の時と何ら変わりがない作業だ。

ただ違うのは・・・

隣の部屋の息遣いを感じながら仕事に向う彼の姿を想像してた社長秘書だった数日前。

移動のために社長が部屋を出てくる頃。

考えながら自分の席を立つ時間を計っていた。

仕事に集中しろって言い聞かせる瞬間に思い浮かんだ顔は優しく私を見つめてる。

落ち着いて仕事ができると思っていたのに!

異動前より落ち着けなくなっている。

メールの着信を知らせる点滅。

開いたソフトには『号外!』の文字。

添付ファイルまで送付されている。

「突然の恋人宣言!」

件名だけでギクッと神経が過敏に反応を見せる。

まさかこんなに早く!!

震える指でキーを叩く。

開いた写真は見覚えがあった・・・。

テーブルに座った私の横に立つあきら。

その前には里中先輩。

そして私の3人の同僚が驚きの顔で立っている。

この写真は誰が撮ったんだ?

そんなこと今更どうでもいい。

出来立ての今年最大のトピックス!スクープ

最初の1章が大文字の赤で目立つ。

うつろに見てるのはきっと私だけじゃないのだろうか。

ぼやけてきた目にギュッと力を入れた。

『事件は会社近くの飲食店で起こった。

突然現れたのはわが社の社長 美作あきら氏。

告白の相手は 秘書嬢』

事件・・・告白って・・・

告白されたわけじゃない!暴露された気分。

「葵と里中さん付き合ってるんですよ」

「付き合ってないって!ただの先輩と後輩」

「葵、照れなくてもいいから」

と、はじまったおしゃべりな気のいい同僚の勘違いからの会話。

あきらが気分よく聞いてるはずはない。

それなのに表情はいつもと変わらなく落ち着いてるように思えた。

「俺が彼氏。目下俺の恋人は東条だから」

雷直撃の衝動。

いきなりばらすの!

言葉じゃなくて心臓が飛び出すかと思った。

後の文章は怖くって見る気になれずマウスのスクロールのボタンを押すのをためらってる。

「おはよう」

あっ・・・明るくすがすがしい表情で笑顔を見せる常務。

「何かあった?」

上からその顔がPCの画面を覗き込む。

「それなら昨日の夜には送られてたよ」

「昨日は俺遅くまで会社に残ってたからな」

「ビックリした」

一番驚くはずのない常務は軽くウインクを私に投げる。

「しかし面白いよな」

「なにがですか?」

不機嫌になる感情を胸の奥に押し込めて笑顔を向ける。

あくまでもこの人は上司だと思う気構え。

「全部読んでないの?」

「読まなくても大体・・・」

「メールじゃないよ」

「えっ?」

「したの方にアドレスが書いてあるだろう」

私の椅子の後ろの回ってきた常務がメールをスクロールさせる。

最後で目に飛び込んだhttpで始まるリンク先。

常務が長い指先でクリックした。

「恋はここから生まれた・・・?」

文字を読んで小さくつぶやく。

結婚なんて不幸な契約にサインする気はさらさらない。

長身でスタイルのいい美人と気軽に一夜を楽しめたらそれでいい。

モデル並みの容姿でほほ笑んで女性を悩殺する若き経営者。

その相手は数知れず。

若社長が連れ歩いていた入れ替わる数多の美女の姿を見なくなったの半年前

数行読んでドクンと心音が上がる。

気持ちを落ち着かせるつもりでごくりと唾をのみこんだ。

この社長ってどう考えもうちの社長だ。

まだまだ先は長そうな文章の数。

「以前に君とあきらが噂になったことがあったろう」

「そのころかららしいよ。誰が書いてるか分からないけど社内では観覧数が最高らしい」

ククッと笑いをもらす常務が片手をデスクに乗せて体を私の前に寄せた。

「君がぼくの秘書になったら、恋の鞘当みたいな状況になってるようだよ」

「読んだんですか!」

読みたくないような・・・

読んだ方がいいような・・・。

自分でもどうしたらいいかわからないまま視線はPCの画面から離れそうもない。

「あっ、まだ連載中だから」

「最後はどうなるか賭けの対象にまでなってるよ」

最上階の人気のないオフィス。

壁際に追い込んだ秘書を動けないように長い両腕が彼女を拘束する。

「離してください・・・」

「きみがYESと言ったら」

途中をすっ飛ばして飛び込んだ文字。

「自分じゃなければ楽しめる」

常務の喜んでる雰囲気は声だけでもわかる。

もう・・・

顔が上げられなくなった。

事実無根とは言い難い社員妄想のお話が別バージョンで出来上がっている!

それも見るあき&葵。

なんて発想をしてしまいました。

司なら自分に都合がよければ喜んで読んでいるか、書いた社員を探しだして左遷!

あきらはどうするんでしょうね。

この社員視線のお話もっと詳しく見たい!という方います?

拍手コメント返礼

たけうさぎ様

見たいですのコメントいただけるだけでテンション上昇します。

しばらくは一つの話に没頭するつもりだったのに・・・

匿名様

遅いのは、私の方ではどうしようもなく(^_^;)

時々私もありますが今は表示速度は普通になってます。

サーバーの関係だと思われます。

ゆ****様

まだ全容は書いてませんけど・・・

社員の描く別バージョンのおもしろいお話がUPできればと思っています。

b-moka

初の試みでどんなふうに表現すればいいかいろいろと試行錯誤中です。

外野の遠慮のない妄想のお話が出来上がったらどうなるんでしょうこの二人。

いずれまたUPしたいと思ってます。

nonno様

感動より爆笑ネタをいつも探しています。

って・・・大丈夫か!

人の不幸は蜜の味♪

楽しみながら二人を応援はしてるんですよ~。

さあ賭けはどうなるのか!

ウッズ票の公開もまじかに迫る。

賭け金一口500円いかがでしょう?

匿名様

次回楽しみの応援コメントありがとうございます。