思い出は夢の中で 6

急に寒くなってきましたね。

体調に皆様十分にお気をつけてくださいませ。

ただ今テンプレート変更中。

落ち着きがなく申し訳ありません。

落ち着かないのは司も一緒か・・・

そんなお話の続きをどうぞ。

*

蹴ったドアは予想以上に大きな音を立ててバタンと閉まる。

一応借り物だったとドアに傷がないか慌ててたしかめた私は貧乏症。

コンドー・・・

「お前と付き合いだしてから西田が準備してくれたんだよ」

頭の中でリピートされるのは恥ずかしさのかけらもない道明寺のふてくされた顔。

大体なんでそんなものまで人に頼むよッ。

でも・・・

道明寺が自分で買いに行って準備するというのも違和感は絶大。

私が準備?

それもヤダーーーーーーッ。

西田さん!道明寺!私!

頭の中で円を三等分した的はぐるぐる回りダーツの矢が投げられる。

矢は大きな半円を描いて見事に逸れて床に刺さる。

ソファーの上に飛び乗るようにうつぶせて頭を抱えこんだ。

いい考えが浮かぶわけもない。

現代に戻っても西田さんと今までのように付き合えないかも・・・。

道明寺が西田さんに依頼する前に西田さんならそろそろお入用の周期とか・・・

手のひらに一つ一つ置いて数える厚さ数ミリの正方形の触り心地の柔らかな物体。

そろそろ補充が必要かなんて事前にチエックしてそうじゃないか西田さん。

エロいことは考えてなさそうなタイプだから尚更バツが悪い。

うっ・・・

道明寺のバカ!あほ!羞恥心なし!スケベ!

この時代の道明寺にそれを阻止する!

そうすれば過去の私はすくわれるぞ。

道明寺の初恋妨害よりこっちの方が意味がありそうだ。

「おい!牧野!」

いつの間にか部屋を出てきた道明寺がソファーに付している私を見下ろして立っていた。

このまま抑えこまれたら抵抗の仕様がない。

ドット体を起こして膝を閉じて座りなおす。

両手は膝の上!

ピシッと伸ばした上腕で胸をガード。

「無理やりは、やらねぇよ」

やらねぇって・・・

露骨に言うなッ。

「拗ねるな。拗ねるなら俺の方だろうがぁ」

そして眉間に寄せる眉。

「なぁ、どこにある?」

「あるって?」

「決まってるだろうが、その、避妊のやつだよ」

なんとなく仕草が落ち着かない道明寺。

ぶっきらぼうな言葉にテレが入っている。

「私も買ったことないから・・・薬局にはあるのかな?」

「薬局?俺は医者が処方したものしか使わねぇぞ」

どこにコンドームを処方してもらうバカがいるのよッ。

そのくらいのこと中学生でも知ってるッ。

薬じゃないつーの。

「帰れるまで道明寺が我慢すればいいだけだから」

「そんな我慢できるかッ」

「せっかくこんな狭い部屋で二人きりでいられるのに、拷問だぞ」

ぼやいた顔は不満を完璧に張り付けている。

「行く」

「へっ?」

「いいから一緒に来い」

おーーーおっ。

無理やりに引っ張られたまんま引きずられるようにマンションを出た。

この状況で行くのは・・・やっぱり・・・・。

夜八時過ぎ。

お店の中は昼間のように明るく電気をつけている。

昼間よりはお客の少ないと思われる店内を相変わらず道明寺に引っ張られて歩く。

「おい、どこに置いてあるんだ?」

「どこって、知るわけないでしょうッ」

うろうろすることどのくらいだ?

「あっこれか・・・」

道明寺がいくつか並ぶ箱の中から茶色のパッケージの小さな箱を手に取った。

「なっ・・・このサイズとかタイプとかなんだ?」

ジャスミンの香り付き?こっちはイチゴ味って書いてあるけど、くいもんじゃないよな?関係あるのか?」

私に聞くな!

サイズならお前の方が詳しいだろうって真顔で言うなッ。

そんなに凝視したことないつーの。

少しは小さく声を出せッ!

ボリュームが大きすぎる。

周りに人がいないことを祈るように見渡す。

「牧野、お前なら味付きの方が喜びそうだなぁ」

にやけた顔がふり向いた。

味付き・・・

よろこぶって・・・

いけない想像。

知識だけなら少しはある。

この辺は桜子に滋の影響は否定できない。

私は亀のように頭ごと体に収納したい気分だ。

カメ・・・

ニョキと甲羅からでた頭も卑猥に思えてくる。

重症だ。

「私が知るわけないでしょう!」

自分の考えてる事が道明寺にわかるはずないのに不機嫌な声で誤魔化してる。

「一緒に使うんだからそこまで嫌がることないだろう」

目の前でひらひら左右に振られるスキンの文字の箱。

西田さんに準備を任せる道明寺に羞恥心があるわけない。

「好きなの買えばいいでしょっ」

「なぁお前の好みは?」

「ない!」

絶対使わないんだから!

その思いを背中に張り付けて道明寺から離れた。

慌てたようにレジで支払いを済ませる道明寺は店の中に残したままマンションに向かってひとり歩く。

過去の私にこんな思いをさせられない!

道明寺を仕込む!

って・・・

仕込めるのだろうか・・・。

昼間の傍若無人の昔の道明寺の顔が目の前に浮かんだ。

なかなかお話が進みませんが、この対抗戦どうなるのかな~。

つくしの初恋奪還大作戦 VS 道明寺スキン購入大作戦。

つくしのほうが切実だけどどう指導する気だろうと考え込む私。

拍手コメント返礼

ミン**様

こんちわ。

笑いながら読んでもらえるなんて♪

何よりうれしいコメントです。

どうすれば笑いが取れるか結構考えながら書いてますので~うれしいな。

更新はもうしばしお待ちくださいませ~。

くれ**様

Pw申請ありがとうございました。

大したものではありませんがお楽しみいただけたでしょうか。

これからも時々は☆が出てくると思います。(^_^;)

中、現在・過去の 西田さんパターンを並べて並ぶつくしちゃんの頭の中ドバ~と公開したいですね(笑)

焦ってるだろうな~。