夢色!恋色!花模様 6
お約束の皆さんも揃ったところで~♪
お笑いを一席!
違うってッ(^_^;)
*「くっつきすぎだよ」
道明寺との接点をはがす為に腕と腰の合間に入れ込もうとする指。
それを阻む様に道明寺の腕は私を抱き寄せる。
「牧野、何のためにお前を連れてきたと思ってるんだ。俺たちの密接さを示すためだろう」
腰にあったはずの腕はそのまま私のラインに沿って移動してうなじをなぞる。
「髪をアップしてるお前って、色っぽいよな」
道明寺が自分の肩に私の顔を乗せるように指先が頬に触れる。
そして道明寺の熱がそのまま私の体を包み込む。
いつもみたいに我儘に傲慢に接してくれたら私らしく反抗できるのに、こんな時だけすごく優しくなるのはルール違反だ。
私に見とれているような表情には慣れてないんだから。
見とれてるのはいつも私の方で、F4が揃った瞬間その華やかさは相乗?倍増?会場の視線を一気に集める。
その中でこんな態度取られたら私たちが一番目立つ。
目立つのは極力避けたいのにその腕を振り払えなくなる。
「俺たちもいること忘れてないよな?」
道明寺の肩を軽くポンと美作さんが叩く。
「牧野が司のものだって分かっているから」
喉の奥で西門さんの声が機嫌よく震えてる。
「誰も手出しできないというか牧野にこの会場で近づく無謀者はいないだろうな」
花沢類はぐる~と会場を見渡しながらそうつぶやいてにっこり私にほほ笑んだ。
どう反応していいかわかんない極上の微笑み。
ここで頬でも染めたものなら道明寺のわたしへの束縛はMAXを超えそうだ。
顔を見られないように俯いた。
「お前らは例外だろうがッ」
不満そうな言葉を口にした道明寺の声は思ったより機嫌がいい音色。
びくびく見上げて見た道明寺は笑っている。
ホッと安堵のため息。
私が道明寺のされるがままにおとなしくしてる成果だろうか?
「なぁ、口をあ~んの写真て、何?」
口、あ~ん?
なんだ?
「えっ?なに?」
美作さんが突然振った話題に顔に張り付けた疑問符。
「たぶん司のとこの社員だろうと思うけどす~げ盛り上がっていた」
「お守りになってる司の写真。あれば俺もほしい」
なんのお守り?
道明寺に会えるお守り。
女子社員には一番売れそうだ。
道明寺の機嫌を損ねないお守り。
社員には一番の重要事項か。
それは私が素直になればいい。
一番無理だつーの。
我儘を言わなくなるお守り。
我儘を言わなくなったら道明寺じゃない!
「知らねぇよ」
急速に道明寺の機嫌の濃度が良から不良に書き換えられた。
「俺は知ってるけど」
花沢類の声に4人の視線が一気に集まる。
「牧野も知ってると思うけど」
「わーッ、言うな」
さっきまでの余裕の道明寺は会場内から消えている。
「ほら、牧野が司の会社で働いてたことあったろう?」
バイトって・・・
道明寺に内緒でバイトして見つかって秘書やらされた短期間の出来事がぐるぐると頭の中に浮かんできた。
「口・・あ~んって・・・、まさか・・・」
屋上でのお弁当・・・
道明寺と二人でベンチに並んで食べたお弁当。
「ほら食えって」道明寺が指で赤いタコさんウインナーをつまんで私に食べさせた。
そのあと「俺にも」って大きく無邪気に口を開けて催促を繰り返した道明寺。
小さい子供に食べさせてる見たいで・・・。
道明寺財閥の総帥の威厳はどこ?
他の人には絶対見せないよね。
いや・・・見せられないか・・・。
その子供っぷりの変化に私が魅せられた懐かしい想い。
「あの時、誰もいなかったんじゃなかった?」
私の感情も恥ずかしさに丸呑みされてしまってる。
「隠れて見てた社員もいたんじゃないのかな」
「携帯って便利すぎるからなぁ」
いたっていつもののんびりとした調子の花沢類。
「そんなことあったのか!」
「俺たち二人はのけ者・・・」
「その写真見てぇよな」
道明寺の不機嫌を触発するようなノリで会話を続ける美作さんと西門さん。
「抹殺してやる」
地獄の底から響く様な冷淡な声。
「それ言うなら抹消じゃねぇの」
道明寺の怒りを気に留めてない西門さんの落ち着いた声。
「あんまりさ、事を大きくしない方がいいんじゃないのかな?」
「牧野!お前は嫌じゃないのか!」
「実害があるわけじゃないし、それにお守りにされてるってある意味すごいかなって」
「ほら、学生の頃もF4の写真て高値で売れたじゃない」
言葉を吐きだすたびに心臓はバクバクと音を立てる。
「クッッ」
道明寺が突然笑い声をあげた。
「俺もここで怒りを爆発させるほど子供じゃない。自分の立場は理解してるぞ」
「焦って、不安そうな表情しやがって」
えっ?
道明寺のほころんだ表情に私の顔の筋肉から緊張が抜け落ちた。
「お前がそんなだと俺も冷静でいられる」
さっきのは演技だとでも言いたげな道明寺。
そんな器用さは持ち合わせたはいないはずだ。
えっ?
おっ?
はっ?
いままでえ一番呆けた顔を作ってしまってる。
その証拠に私の周りで4人の遠慮ない笑い声が上がっていた。
「司、なぁ、写真を抹殺する前に俺たちにも見せろ」
「抹殺するのは写真じゃなく見たやつらってことはないよな?」
「俺も写真は見てないんだよなぁ」
「俺が持ってるわけねぇからな」
この4人・・・
じゃれあう様にいまだ言いあってる。
「ホントに仲がいいんだから」
小さくつぶやいてクスッと笑いながら見てる私も楽しくなった。
拍手コメント返礼
b-moka様
そうなんですよ~ひと波乱♪
どこまでハードルが高くなるのか(^_^;)
飛び越すのも一苦労。その割には痩せない私・・・。
ベストショットの写真、つくしといればいつでも盗み撮りできそうですよね。