君じゃなきゃダメなんだ 4
花男Ｆの映画の場面を思い出したところで少し短編が邪魔しましたが、お話を進めます。(^_^;)
話を書こうとすると今、バイト編のお話も邪魔してるんですよね。
*「大げさに婚約発表はしなくても大丈夫だから」
週刊誌に掲載される覚悟はいると思うけど。
それも言いにくい状況。
それに俺がお前の写真を公開するとしたら俺に向ける笑顔がいい。
だから泣きそうな顔で見るのはやめてくれ。
「絶対？」
「会社内の注目だけで十分なんだからね」
「分かってる」
「でもつくしちゃんこれから大変だよね」
「なにが？」
「必要以上に騒がれるでしょう。いきなり有名人の仲間入りだよ」
騒がれる内容の想像は誰でも思い浮かぶ。
シンデレラストーリーはきっともてはやされる。
庶民から皇室に嫁ぐレベルと見劣りしない。
「慣れてるし」
「それはあなたたちでしょう。私ならきっとやせ細る」
「司がどうにかするよ。牧野も覚悟はしてるだろうし」
写真を選んだのが俺たちって牧野にばれた対処法も考えていないといけないよな。
「あいつらの事より俺たちのことを考える必要があるんじゃないか？」
「えっ？」
「あっ、家に帰る話か・・・」
そうじゃない！
ギクッとなった強張る頬。
「そんなにダメなの？」
「出ていくって言うなら今日にでも籍を入れる」
葵の腰に回した腕。
「強引なことするの苦手だよね？」
寄せ合う身体の体温が静かに葵から俺に流れてる。
バスローブを素肌に羽織っただけの葵の身体。
スラックスに白いワイシャツを羽織っただけの俺のはだけた胸元。
シャツのボタンを葵の指先が一つずつ閉じて襟のところで止まった。
時々見せる葵の大人びた表情。
見るたびに我儘になっていく気がした。
どうせならボタンをはずしてもらう方がいい。
するっとバスローブの胸元から手のひらを滑り込ませれば手のひらにすっぽりと収まるふくらみがすぐそばにある。
思い出す感触はリアルに俺の感覚を呼び覚ます。
「お前を手に入れるためなら何でもする」
「それは困る」
俺を見つめたままクスッと崩れる表情はすぐにあどけなく変わる。
その表情のギャップがたまらなく愛しい。
ベットで夜の続きをやりたくなる。
心の奥で目覚めかけた欲望をなんとか理性で閉じ込める。
結婚までに片づけることはたくさんあるのだから。
貴重な二人だけの時間は限られる。
「その前に大事なこと忘れてた」
「えっ？」
「行こう」
「行こうってどこに？」
「いいから、早く着替えて」
葵をせかせてマンションを出る。
行きつけの宝石店。
「いらっしゃいませ」
すぐに低い腰で現れたのは顔見知りの店長。
「婚約指輪を見せてもらいたい」
「かしこまりました」
俺の横で無言のままぽかんと口を開けて葵が固まった。
「まだ指輪を贈ってなかったから」
「好きなのある？」
「あるって・・・」
「ほとんど見たことないような豪華さなんだけど。指が折れそう」
目の前に並ぶダイヤの石をちりばめたプラチナの指輪。
最初から店長が持ってくる指輪は桁が違う。
横に座った葵はマルの数を一つ一つ確かめるように動いて固まった。
「もっと安いのでお願いします」
俺より店長の方が驚いて目を丸くする。
「こいつが言う様に頼む」
クスクスと俺も声を漏らす。
「あのね。指輪はうれしいんだけど・・・」
「あのさ、こんな高そうな店じゃなくて普通のお店の方が落ち着いて選べる気がするんだけど」
「怖くて触れられない」
耳元でこっそりと小さく葵が呟いた。
「それじゃ、葵の好きにしていいよ」
俺の笑い声は収まりそうもない。
そのまま店を出ようとしたとき携帯から響くメールの着信音。
『あきらくん、最近冷たい。
全然会ってくれないんだもん。
浮気しちゃうから
』
なんで浮気の後に
一体誰と浮気するというんだよ！
おふくろ！
葵が見たら誤解するだろうがぁぁぁぁぁ。
メールを読んでる俺に「なにかあった？」みたいな表情を葵から向けられた。
葵に見せるメール。
あのおふくろを直に見せるよりメールがクッションの役目を果たしてくれそうだ。
「誤解するなよ、これ母親からだから」
「そう、お母さん・・・」
「えーーーツ」
やっぱり驚くよな。
デコメでレースがひらひらの画面が踊る。
実物を見たらもっとインパクトあるぞ。
母親を葵と対面させる日も近い。
拍手コメント返礼
b-moka様
この二人の雰囲気はつかつくには出せないですよね～。
あきママと葵の対面はどうなるのかな～。
ゆめ＊＊＊様
あきら君のお母様違う意味でインパクトは巨大ですよね。
あのお母様と１ＬＤＫでは暮らせそうもありません。
落着けない！
ゆめ＊＊＊様もお体には気を付けてお過ごしくださいませ～。
no＊＊＊様
一生に一度ですもんね♪
婚約指輪って注目浴びますよね。
見せてください～
フラッシュバチバチ。
推定何千万の記事。
あきら君もこれくらいはいくでしょう♪
葵が受け取るかどうかは別にしてね～
司のつくしへ婚約指輪はなかったようなきが・・・。
あのティアラ？
本物なら推定500億でしたっけ？
あきらのママと小姑たちどうなるんでしょうね♪
han＊＊＊＊様
あきらパパ・・・
少し影が薄いですよね。
でもあきらと葵のお見合いには少し絡んでいた。
忘れてるし・・・。
つかつくと入籍はどっちが先？
う～ん
どうしよう(^_^;)
