思い出は夢の中で 12
バイトの司に接客されてみたいなんて思いながら読んでますのコメント。
わ~あ、私もそう思います。
ほとんど病気だ(^_^;)
*「お兄さん、彼女いる?」
「いくつ?」
「大学生?」
「どこの大学?」
質問の核心はどんどん道明寺の本来の姿に近づきつつある。
彼女います!
私だッ!
大学4年生!
この近くの英徳大学!
すべて腹の中に飲み込んだ。
私がしゃべる必要もなくお店が開店してから5時間で山田太郎、大学4年、彼女なしの情報が都合よく出来上がっている。
ついでにいいとこのお坊ちゃま。
どこまで都合がいいのか・・・。
もともと生まれがいいから品がある。
モテてる様相は必要以上に広がって歯止めがない。
道明寺本人は私に見せつけるように接待をほほ笑んで繰り返す。
「本当に彼女いないんですか?」
はじめての会話でそれを聞くかぁァァァァ。
「いないように見える?」
視線の隅で私を確認しながらニンマリと見せる表情。
質問した女性は返事を見失って頬を染める。
あれは・・・
いつもの道明寺じゃない。
絶対私をからかっておもしろがっているのだ。
るせっ。
来やすく声をかけるな。
触るな。
冷たく他人を否定する態度を見慣れていた分、私以外に見せる柔らかな表情がチクッと胸の奥の感情を刺激する。
安心していたわけじゃなく道明寺に甘えていたんだと気がついた。
我慢してる感じじゃなく楽しんで笑顔を作ってる道明寺に比例して私のふくれッ面は出来上がってくる。
わざとだッ。
私の不機嫌の原因がばれてるから始末が悪い。
もう、本気で絶交を言い渡すぞ。
って帰るところは一緒なんだよなぁ。
道明寺の意図はわかってるのにそれに乗せられる自分が悔しい。
「ばか!あほ!嫌いッ」
道明寺の視線から外れるようにそっぽを向いてテーブルの片づけをはじめた。
テーブルの上の食器を片づけながらテーブルを拭く。
ゴシドシと力一杯吹き上げる。
自分の不満をぶつけてる。
「持つよ」
横から食器を持ってくれたのは太田さん。
「ありがとうございます」
「お兄さん、モテるね」
「いつもの事ですから」
完全に声の上に妬みが乗っかった。
「花子ちゃんてブラコン?」
「えっ!?」
「なに、驚いた顔してるの?」
あっそうか・・・私は今山田花子だった。
その名前に慣れてない。
山田太郎には慣れたんだけど。
お店のかしこから「山田君♪」「太郎君♪」と呼ばれる声が上がれば嫌でも慣れる。
それに比べ「花子」と呼ばれたのは店長と太田さん二人の2回だけだ。
道明寺は牧野としか呼ばないし。
慣れるはずがない。
「妹として自慢できる兄貴だよな」
「我儘で横暴で自己中で全然優しくないですよ」
「そう?」
クスッとおかしそうに太田さんが笑った。
それに照れてしまってる自分。
道明寺の優しさは私が一番知っている。
我儘で横暴でどうしようもないやつだけど、私のことをどれだけ大切にしてくれているか知っているから。
私を包み込む腕の中がどれだけ私を安心させてくれてるか知ってしまってる自分の感情、それは隠しようもない。
「こいつにしゃべりかけるな」
突然強引な力で腕を取られた。
「なっ!」
引き寄せられた私の体はぴたりとたくましい体躯に吸い付けられる。
「キャー」と上がる声。
「妹だから」
しょうがないとでもいう様に小さく言い合う声。
「でもうらやましい」
「かわりたい」
聞える声に思わず体に力が入る。
「おまえ、何やってんだよ」
何って・・・片づけをと言いたい声を呑み込んだ。
いつも以上の道明寺の不機嫌な表情。
鋭い目つきは太田さんを睨んでいる。
「お兄さんはシスコン?」
楽しげに太田さんは声を出す。
「シスコン?なんのコンテストだ?」
道明寺の睨む視線は太田さんの鼻先1センチで止まって冷たく微笑んだ口元は言葉を吐き出した。
コンテストじゃないッ!
「プッ、冗談」
太田さん、笑ってますけど、道明寺は本気で聞いてます。
「妹を大好きなお兄ちゃんをシスコンって言うの」
道明寺の肩耳を引っ張ってその耳の奥に声を投げ入れた。
「えっ・・・」
ここできょとんとしないでよーーーッ。
「違うぞ、俺たちは血のつながりはないんだから」
気を取りなおした道明寺が太田さんに声を殺してつぶやいた。
「あっ・・・」
自分でばらすか!
「こいつにちょっかい出せるのは俺だけだから」
クルッと腕に巻きついた腕。
苦しいッ。
両手で必死に外そうと抗った。
手心を知らないのは今に始まったことじゃない。
私を殺す気かぁぁぁぁ。
「花子ちゃん死にそうだよ!」
太田さんの声にようやく道明寺の腕が外れた。
「ゲホッ」
「ばかっ!」
苦しい息の中からも道明寺を責める。
西田さん、すいません。
貴方がなにを狙ってこのバイトを選んだかわかりませんが、私と道明寺の関係は1日も持たずに道明寺がばらしました。
今日の報告はこうなりそうだ。
「君たち二人・・・その・・・なんだ・・・」
言いにくそうに歪む表情。
「二人の関係とここのバイトって関係ある?」
太田さんが気の毒そうな表情で見つめる。
「えっ・・・」
「やたら店長が気を使ってるしさ」
もしかしたら・・・
血はつながってないが戸籍上の兄妹の悲恋物語みたいなストーリーが出来上がってないか?
「違います」
「何が違う!」
道明寺が私と太田さんの間に口を出す。
「ややこしくなるから口を出さないで!」
今度は道明寺と私が睨んで対峙していた。
拍手コメント返礼
びー***様
自分以外にはめちゃめちゃ冷たい司がお客さんに向ける優しい笑顔、それを見てるつくし
意外というかうちでは珍しい設定ですよね。
たまには司じゃなくつくしちゃんに嫉妬をのパターン結構楽しいと思っています。
no***様
座布団ありがとうございます。
これで6枚ゲット!φ(..)メモメモ。
何のコンテストだ?
総ちゃんとあきらなら楽しい会話を返してくれそうですけどね。
「なんのコンテストだ?」
「司、知らねーの?」
「知ってるけど思い出さねぇンだよ」
「すしのコンテスト?」
「シスとスシねぇ・・・・」
「くるしくねぇか?」
「コンテストじゃないしな」
「ブッ!」
こんな会話しか思いつかなかった(^_^;)
メグリン様
続き・・・
わっありがとうございます。
もうしばらくお待ちを~
水曜日まで忙しい私。
今日しか時間がないと思っていたら子供が熱出して学校を休んじゃいました(^_^;)
寝てる間にどのくらいかけるかなぁ~。
美優様
司の嫉妬誘い作戦!
めずらしくつくしにはばっちり効果あり~
悲恋=韓国ドラマ♪
結びつけてもつかつくじゃ悲恋には程とおおい~。
太田君の頭の中で語っていただきましょう♪
どんな悲恋~。
God&Death様
こうでなくっちゃいけませんよね♪
つかつくは~。
二人でヤキモチ妬いてれば世話わない。