君じゃなきゃダメなんだ 6
ここからお話は佳境へと向かう!
本当か!
どんな佳境!
愛し合う二人、実は血のつながった姉と弟だった。
悲恋物語!
だから、それは違うって!
それはべつなお話「思い出は夢の中で」の設定。
だからそれも違う!
そんな設定はありません(^_^;)
ランキング御礼ショートUpしました。
*「今日の予定です」
デスクの上に書類を置いた私の指先の動きを追う視線がほほ笑む。
薬指に小さく光るピンクダイヤ。
付けてるなってうれしいと囁く様な視線に心が熱くなる。
照れくさいと思う感情とうれしいと思う感情。
身体中にくすぐったい感覚があふれてくる。
指先に絡めるように伸びてきた手入れの行き届いた綺麗な爪の光沢。
しなやかに伸びてくる長い指先。
私の手のひらにそっと触れて指の間へと滑り込ませる指先。
その指使いは不覚にもいつも私の肌を熱くさせる情事を思い起こさせる。
触れ合った先からからんでくる熱に耐えられなくて自分から指を外した。
「失礼します」
くるっと背中を向けて数歩進む。
「もっ」
心の中でつぶやいても頬が熱くなっているのが自分でもわかる。
自覚的にフッと頬を膨らませて隣室に向かうドアの扉を開けた。
「大丈夫?」
「えっ!大丈夫です!」
必要以上に高くなる声。
「悪戯されたら言ってね」
悪戯っぽい表情を浮かべてるのは一之瀬さんの方だ。
悪戯って・・・
これが悪戯なら心臓に悪い。
睨むような面持ちで閉まったままのドアを眺める。
思い浮かぶのは大きなデスクの前で難しい顔で書類に目を通す姿。
書類から顔を上げて私に気がついて優しく微笑む。
ポッとなって・・・何してるんだ。
今見えたのはこれはあくまでも頭の中の妄想で・・・
扉は閉まったままのチョーク調の木のドアが前の前を覆ってる。
浮かれてる。
ダメだッ。
気合!
ぐっと腹に力を入れて歯を食いしばる。
「なにしてる?」
「えっ」
開かれて明るく差し込むライトの光。
目の前には、おかしなやつとでも言いたげなあきらの表情。
「何でもない」
自分の妄想したあなたに見惚れてました。
言えるわけがない。
ここは仕事場で、あなたは社長で私は秘書!
呪文のように心の中で切り替えし唱える。
「出かけるぞ」
「出かけるって・・・どこに?」
「どこって・・・今日のスケジュールを持ってきたの葵だよな?」
「大丈夫か?」
熱はないよなって額に置かれた手のひら。
「ダダダ大丈夫ッ」
置かれただけの手のひらにビクンと反応する身体。
目の前に近づく優しい瞳に魅入られて自分を見失う。
美人じゃなく美男子は3日で慣れるなんて絶対嘘だ。
違う!慣れるのはブス。
美人は飽きるだ。
でもいまの私は、この贅沢な状況に慣れてない
思わず手のひらから逃れるように体を小さくした。
落着け・・・。
意識し過ぎというか・・・。
指輪・・・
婚約指輪じゃないけど、この指輪を買ってもらってからなんとなくおかしい。
自分からプロポーズして数日。
道明寺さんの婚約発表を見て・・・
家族の話がでて・・・
そして婚約指輪のことになって・・・
結婚が現実味を帯びてきて確実に近づいている。
「本当に大丈夫?」
心配そうな表情もカッコよくて・・・
不安げな瞳にキュンとなるって・・・
あきらに悪い。
「大丈夫」
私を見つめる視線から外れるように足早に先頭を歩く。
「大丈夫そうだな」
クスッと聞えた声にまた照れくさくなった。
「今日は夜は明けといてくれ」
すれ違いざまに聞えた声。
「親に会わせるから」
「わかっ・・・えっ?」
えーーーッ!?
今日!
目の前の背中をジッと見つめて立ち止まって、固まって数秒経過。
仕事なんて手につかなくなりそうだ。
拍手コメント返礼
b-moka様
ありがとうございます。
200万を突破しました。
うれしいですねこんなにお付き合いをしてもらえてと思っています。
300万に行けるまで頑張るぞ~。
あきらママとの対面はどうなんでしょうね?
まだ私の頭の中は不安定でぐにゅぐにゅと揺れ動いています。
han****様
いえいえ、丁寧というか・・・(^_^;)
皆さまが丁寧なコメントをしていただけるのでついつい返事も楽しくさせていただいております。
『あっぱれ』をいただき今日1日背中に張り付けて喜ばせていただきます。
あきらママのキャラは予想がつかないことをしそうですよね。
どんなんだろう?
どうしたらおもしろいかな~
なんて秘策を探している段階です♪
no***様
葵のこの反応はやっぱり相手があきらだからでしょうか?(笑)
これがつかつくなら・・・。
「なに触ってるの!仕事中でしょう」
「いいじゃんへるもんじゃねぇし、俺のもんだし」
「いつ、だれがあんたのモノになったの!」
「言わせるのか?」
指を折って過去に記憶を飛ばす司。
「はじめてお前を抱いたのは・・・」
「思いだすな!」
こんな感じでしょうか?(爆)