思い出は夢の中で 16
いよいよ待ちに待った週の始まり♪
邪魔者は・・・いない!
でもね・・・
本当の邪魔者は!?
ドS倶楽部発動100%充填完了!
発信!(発進じゃないのがミソ~)
ヤマトじゃねーよ。
*「西田さんすごいよね」
フォークを口に運びながら牧野がつぶやく。
グラスを包む細い指先。
ワインを飲み込んだ喉元はゴクンと上下する。
唇をわずかに濡らすワインの色でつややかな唇。
少し開いた口元からペロッと出た舌先が唇をなめるように動いた。
俺の唇でそのまま拭きあげたいと心に浮かぶ欲は濃艶な色合い。
「でもどこで見てたんだろうね」
道明寺の力をもってすれば・・・
それはどこかの執事のセリフだっ。
「坊ちゃんはアホでいらっしゃいますか?」
絶対言わせねぇよ。
「しっかりビデオで見てるか盗聴でもしてたんじゃないか」
それしかないとでも思う周到さ。
実際に俺たちの帰る時間もわかっていたような準備の良さだ。
「盗聴って・・・」
牧野の喉元が今日一番の大きさでゴクンと動く。
どうやら噛みかけのまま牛肉の塊を一飲みしたらしい。
「うっ」
喉に停滞気味の肉を流し込む様にグラスの中の液体を一気に流し込んだ。
「・・・もしかして、見られてた!聞かれてた!」
「なにを?」
「お店で私が隅っこに道明寺に連れ込まれてた・・・」
「キスしかしてねぇだろうがぁ」
「思い切り抱きしめられていたんだけど」
嫉妬してるだろとかするわけないそんな言い合いも俺の機嫌の度合いを上げて。
俺に嫉妬してるって思ったら自然に顔が緩むなんて牧野を愛しく見つめてた。
「ここじゃ、兄妹だからねッ」
「妹を抱きしめて何が悪い。妹じゃねぇし」
「バカ」
嬉しそうな表情してたよな。
まき~の~。
「あーーーーーっ」
なに?
どうした!
西田でもまたやってきたか!
叫んだ牧野はフォークをしっかり右手に握りしめたままテーブルの中に頭を突っ込んだ。
そしてすぐに頭を上げて俺を見つめる。
「どうした?」
「盗聴器とか仕掛けられてないよね?」
「へっ?」
返事をしながら俺も一応自分の座っていた椅子をひっくり返す。
「そこまではねえだろう」
それに聞かれて困ることは何も言ってない。
「昨日・・・」
「昨日?」
「道明寺が私の上に乗っかって途中で止めて・・・買い物に行って帰って来たら西田さんいたよね」
「タイミング良すぎない?」
あれは多分盗聴じゃなくて外で誰かを張りこませてるとか?
そんなもんだと俺は思う。
高校時代の素行の悪い俺の行動を見張られていた前科が西田にはあるからわかる。
立ち上がった牧野はぐるぐると部屋を回って探し物を始めた。
ソファーのクッション。観葉植物の植木まで持ち上げた。
「よくさ、ドラマとかだと受話器の中とかコンセントの中とかだよね」
この部屋の電話を盗聴しても誰も電話なんてかけて来ないぞ。
「西田もそこまで俺たちのプライバシーには侵害してこないはずだ」
目の前を落ち着かなく歩き回る牧野の腕を捉えて引き寄せた。
膝の上に落ちてきた牧野を抱きしめる。
「なに?コレ?」
落ち着きをなくしたように赤く染まる目元。
偶然だが俺の手の平はふんわりとした柔らかさのふくらみを捉える。
それを放っておくほど俺はおとなしくねぇし。
「わざとじゃないから」
「わざとって!指を動かさないでよ」
「やめッ・・・」
抗う様に牧野の両手が俺の手の動きに重なる。
「あつ・・・」
お前が力を入れれば俺の指にも力が入るだけ。
「調べてみなければ落ち着かない・・・」
「聞くのに耐えられなくなるくらいお前の声を聞かせればいい」
「なにッ」
肩に置かれた牧野の頭が後ろに動いて俺を見上げる。
そのまま唇を重ねる。
「・・・んっ」
「だからダメだって」
「テッ」
俺から離れた牧野は仁王立ちでクッションが頭上から数度投げ落とされる。
「やめろ」
「道明寺は私がやめてっていつてもやめないくせにっ」
それは意味が違うだろうが!
お前のやめろは本心じゃなく体は俺を欲しがっているのは知っている。
「お前のやめろはやめないでだろうがぁ」
さっきより強めにクッションを振り下ろされた。
「盗聴器見つけるまで私に触らせない!」
触らせないって・・・
なんで盗聴器がこの部屋にあることが前提なんだ。
だから。
西田はそこまではしてないって。
そこにはそう言い切れる俺と西田との信頼感が確かにある。
ないものは見つけられるはずがない。
見つかったら見つかったで牧野は俺を近づけないようにしそうだ。
どっちも俺にとっちゃ最悪だろうがァァァ。
「もう寝る」
牧野が不機嫌につぶやいた。
あ~久々です。
この蛇のなまころがしの坊ちゃん。
好きだなぁ~。
拍手コメント返礼
b-moka様
久々です。坊ちゃんのなま転がし~。
坊ちゃんふて寝しないで一緒に探してあげましょうよ~。
どこかに仲良くなれるきっけけが転がってるかもしれませんよ♪
Gods&Death様
坊ちゃんはかわいそうなんですけ。
その前にたっぷり楽しんでたという想定で~。
盗聴器があると思えばつくしの反応は当たり前ですよね(笑)
どうやって現代に帰るのか!
あははは・・・
すっかり忘れてました。(^_^;)
結納お疲れ様でした。
おめでとうございます。
no***様
誰かに見られてる!
それも西田さん・・・。
そう思ったらつくしちゃんじゃなくても・・・(^_^;)
司は気にならないタイプ?
それとも見られたい!
そんなアダルト路線は取扱い不可能です。
ワイン飲んで唇、濡らすから私も吹き上げてほしい。
ですよね~。
「これで、勝手に拭け!」
雑巾を投げられそうですが・・・(^_^;)
せめてタオルでお願いしたい。
司の触ったタオル♪