秘書西田の坊ちゃん観察日記 34 (FIGHT!! 番外編2)

12月は忙しいです。

きのうUpするつもりで書いていたこのお話も邪魔者が~。

最近週末はつぶれるのは仕方がないという状況です。

この分じゃ

冬休みは・・・・・。

時間が作れるのは夜だろうな。

このお話は『FIGHT!! 17』の番外編となります。

PWの申請をされた方へのご連絡。

本日申請された方まで返信済みです。

確認をお願いします。

よっち様、文字化けしていて返信できませんでした。

ご連絡をお願いします。

*

麗らかな春の日差し。

穏やかな邸宅の朝。

都会の朝のあわただしい出勤もここには存在しないようだ。

「いってらっしゃい」と坊ちゃんに手を振りにこやかな微笑みを浮かべるつくし様。

長身の大きい方の坊ちゃんの姿は見当たらない。

私に気がついた駿坊ちゃんがにこっとほほ笑んで手を振る。

つられて気がつかないうちに緩む口元。

ごまかす様に咳払いを一つ。

誰も私に気に留めてるものはなかった。

人を引き付けるオーラは、三歳にして身についている。

「当然だろう、俺の子だ」

満足げな表情の代表が目に浮かんで消えた。

たとえて言うなら現代の光の君、光源氏

屋敷の使用人の誰もが世話を焼きたがるというのもうなずける。

癇癪持ちの代表の場合は誰が世話をするかこわごわとくじを引いていた記憶。

外れたものが万歳と両手を上げる。

今はがっくり肩を落としてるらしい。

代表が幼少の頃はほとんど見たことがないような愛嬌のある微笑み。

感情すべてそのままに表情に浮かべるのは母親譲り。

父親譲りの整った顔立ちを引き立たせる。

将来の道明寺も大丈夫だと思える確信。

駿坊ちゃんの秘書は幸せだ。

クスッと心に浮かぶ笑み。

私も幸せですよ代表。

心の中で思ってはいます。

本当に。

代表が時折見せる優しさと心を許した相手だけに向ける信頼の微笑み。

それがわたしの苦労を帳消しにしてくれます。

私に気がつかないまま目の前を通り過ぎるつくし様。

珍しいこともあるものだ。

普段なら隅々まで気を配る性格。

普段なら私に気がつき「お世話かけます」とか「おはようございます」と朗らかな声が聞こえる。

代わりに私の耳に聞えたのは「ちっとも寂しそうじゃないのね」の気落ちした声とため息。

ダダをこねることなくすんなりと幼稚舎に向かった息子に子離れの寂しさを感じる母心?

きっと・・・

父親が母親を離したがらないから三歳の息子の方がそれを心得てると思うことはできないでしょうか?

駿ぼっちゃんの成長の陰に何かしらの影響はあると思えます。

「お前に貸してるだけだから」

「早く大きくなって返せよ」

母親に抱っこされてる乳児に向ける真剣なまなざし。

「なに言ってるの」

呆れながらも冗談を言ってと笑顔をこぼしてたつくし様。

あれはまじめに受け取るべきだと昔から坊ちゃんを知る者は気がついてると思います。

「邪魔者はいない」

「二人きりだな」

いまだに司様とつくし様、このお二人の間には聞こえてきそうだから赤面ものだ。

すんなり機嫌よく一番厄介な子供より我儘な代表を機嫌よく送り出していただきたい。

駿坊ちゃんの入園式に朝から出たいと我儘言って、調整させたその影響が、今はたんまりとスケジュールに組み込まれているのですから、お願いいたします。

出発3分前位に車に乗り込む代表。

不機嫌な表情は車に乗り込んだ途端に緊張が溶けるように四肢を弛緩させた。

赤く熱を持った頬を隠す様に代表の右手が口元を隠す。

「やべー」と小さく漏れた唇に残るルージュの色。

私の想像は想定内とうなずける。

「どうかしましたか?」

気がついてるのに気付いてないふり。

「なんでもねぇ」

不機嫌そうに口の周りを抑えてる指先は落ち着きなく口元を、頬を、なぞるように動く。

「熱でもあるのかと・・・」

声が緩みそうになって言葉尻が自然と途切れる。

「気にしなくてもいい」

ぶっきらに顔をそむけても耳まで赤く染まって、照れくささは代表から抜けずにいる雰囲気。

車の中の室温は1度は上昇しているようだ。

子どもがいるとは思えない純情さ。

気にはしてませんが・・・

いや、してるのでしょうね。

坊ちゃんの見せるこの反応はツボですが、誰にも見せられません。

やり手!

切れ者

洗練された手腕!

世界の財界を先導する若き指導者!

評価が違ってしまいます。

代表の前に上着のポケットから取り出したハンカチを差し出す。

「どうした?」

「唇が紅いので・・・」

つくし様のルージュを付けたままの代表を見るのはこれが最初ではなく・・・。

指を折って数えたら私の両手両足の指を足して使っても足りません。

「出勤時間を遅らさずに済んで助かりました」

差し出したハンカチを無視して自分の親指で代表は唇を拭きあげる。

こんな仕草に世の女性たちが熱を上がるのだろう、普段は見られない艶が漂う。

出来ればその10分の1でいいので今日予定の会見で披露していただきたいものだ。

無言のまま私を見つめる代表。

当たり前だろうだけじゃない言葉が目の前に見える。

「お子様が生まれる前は、何度調整に当たらされたことか・・・」

代表の心の内を探るように言葉を選ぶ。

そして眼鏡をずらして目頭を押さえる。

当たり前ですが泣いてる演技です。

あほらしいとでも言いたげな横目でチラリと私を見る代表。

「駿坊ちゃん、ご機嫌な様子でお出かけになられたようでしたね」

「つくし様はどこか寂しそうで・・・」

「それを慰めていた代表が・・・」

代表の顔色が変わった。

「ミイラ取りがミイラにならないかと心配していました」

代表にこんなに見つめられたのは久しぶりだ。

想像は核心に9割近づいて姿を見せる。

「お前、どこから覗いてたんだッ!」

「覗いていたとは人聞きの悪い」

「私はストーカーではありません」

「長年の付き合いですから。代表のご様子と口元についた口紅を見れば推察は簡単です」

代表の表情はしかめ面の様相。

そして垣間見える期待感。

それは、たぶん、仕事を早く終わらせろの願い。

「俺の頑張りに残業なしのプレゼントの準備を用意してるとかあり?」

「ありません」

私もそうそう甘やかせる立場ではございません。

ここは心を鬼に!!!

そう思いながら数日のスケジュールを浮かべて省けそうな時間を探してる。

つくし様の次に私も代表に甘いのかもしれません。

拍手コメント御礼

さっちき様

『謎ディーの執事』と西田さんかぶりますよね。

思い出は夢の中で 16の中でダブらせるセリフ司に遣わせてる私(笑)

坊っちゃんは、バカでいらっしゃいますか」

「クビだっ!」

「わかりました」

「あっ?えっ?」

この状態の二人は想像できます。

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一コマは数日遅れで『ある日の一コマ』で少し付け足したりしながらUpしてます。

b-moka

土日は新しいお話が更新できなくて。(^_^;)

やっはり12月は忙しいですね。

司で遊んでる西田さん♪

本当にそんな感じに仕上がりました♪。

つくしのうさぎ公開?も近づいてきました。

ぬ?公開?するの~。

Gods&Death様

客観的なクールな物言いで代表の行動を語る西田さん。

司の思考を全部把握してるからこそできる特技。

大々的にマイクで社内で語られたら爆笑でしょうね。

そんなお話も書いてみたいと思わず思ってしまいました。

ゆ*様

大好きとコメントいただけるとまた書きたくなっちゃいます。

このお話も34話目になりました。

きっとつかつくのお話を書き続ける間は西田さん日記も連載の数を増やしていきそうです。