ソラノカナタ 1

序章の部分はパスワード限定なので、1をUpしてみました。

これが序章とどうつながるかは新春からUPの予定です。

序章は読まなくても分かる話の流れにするつもりですが、より楽しみたい方はPW申請をお願いします。

本日15時までに申請された方は返信してます。

届いてない方は再度ご連絡をお願いします

クッ・・・

耳が痛い。

キューンと詰まった感じは覚えがある。

飛行機の上昇で起こる圧の関係で起こる現象の時みたいだ。

ゆるりと開いた瞼。

「覚めたか?」

近すぎる顔は歪んで把握できないが声の主なら間違いなく分かる。

「どう・・・みょう・・じ?」

いつもと違う雰囲気にふと横に顔を向けた。

目に入ったのは白い壁に開かない卵形の窓。

窓には寝ぼけたままの表情の私を映してる。

瞬きを繰り返して見つめた窓の外は真っ暗で何も見えない。

かすかに点滅するライトの光が後方数メートル先に見えた。

「なんで飛行機に乗ってるのよ!」

それも空の上を現在進行形。

「俺が乗せたに決まってるだろう」

悪びれてる様子もない冷めた表情が目の前で意地悪く微笑んだ。

「お前重くなったんじゃねぇ?」

「なッ!」

「お前を抱きかかえた腕がイテッ」

目の前で手首からわざとらしく道明寺がブラブラとさせる。

ムッとなったがそれよりも、どうして私が飛行機に道明寺と乗っているのか説明を聞いてない。

それよりさっきまで私は道明寺の屋敷で、道明寺の部屋で一緒にワインを飲んでいた。

「あーーーーーっ!!!!!」

「急に大出すな」

「大声って、あのワインに何か入れてたの?」

「素直にお前はウンと言わないだろ。だから強硬手段にでただけだ」

強硬手段って!

完全に誘拐じゃないかッ

ハフハフと声は怒りのために言葉にならない。

「心配するな、お前の親には了解を取った」

うちの両親が道明寺に対して『NO』の単語は持ち合わせてるはずがない。

「なにさせる気?」

やっと出た声は怒りのままに震えてる。

「この飛行機はNYに向かってる」

「ニューヨーク?」

「着いたらすぐにパーティーに出席する。もちお前は俺のパートナーだからな」

国内でのパーティーの出席も断ってるのにいきなりアメリカまで眠らせて連れて行くって悪度すぎないか。

「俺の言う通りにしねぇと日本に帰れないぞ」

飛び降りてやる!

言えるはずがない。

「ひどくない?」

「おふくろや姉貴だと周囲がうるさいんだよ」

「美女にまとわりつかれる俺を見たいんなら別だけどな」

それは見たくない。

表情に出すのはしゃくに触るから「どうぞ」と顔を横に向けた強情さ。

ちょっぴり後悔気味に視線を道明寺に投げて直ぐに外した。

「今回は重要な取引相手なんだお前がいるとうまくいきそうな気がする」

道明寺にしては弱気な発言。

いつもは俺様のすることは間違いない!って強引さがうりなのにッ。

ゆるりと首にまわされた腕。

掌が頬を包み込む様に触れる。

強引気味に顔の向きを変えられた。

しっくりと頬に伝わる手のひらのぬくもり。

ダメと動いた唇を強引に塞がれた。

乱暴気味なキス。

言いたいことはたくさんあるはずなのにすべてをキスに飲み込まれていく。

パーティーなんか出るもんか。

頭の隅で思いながらもその考えはクリーム状にとろけてる。

二つのかさなりあう唇から発した熱は頬に首筋に背中へと伝わって逃れられなくなる。

頭の芯までとろけてきそうな甘いキスに変わった。

唇しか肌に触れてないのに・・・

体中に伝わる甘い痺れ。

きっと騙されて飲まされてしまった薬のせいだ。

それは・・・

言い訳だと気がついてる。

気がつくと自分から舌を差し出してしまってた。

「契約成立だよな」

スッと離れた唇は満足げにそう呟いた。

拍手コメント返礼

b-moka

今回は司君策を弄して頑張ってますが、これが続くかが問題なんですよね(笑)

yoshi様

この先はドタバタになるのかシリアスになるのか甘甘になるのか・・・

序章を読んでますます悩むかもしれません(^_^;)

どっちにでも行きそうな話の序章の内容です。

年明けになりますが少しづつ全貌が見えてくると思います。

それまでお楽しみと言うことでよろしくお願いします。