思い出は夢の中で 22
おはようございます。
やはり年末、皆様におかれましても何かと多忙な時間を過ごしていらっしゃる事と思います。
今日で今年の私の自由な時間は終了です。
後は子供の目を盗んでこそこそと~♪
時間が作れることを願わずにはいられません。
さてこの有意義な今年最後?の自由な時間を飾るにはふさわしいお方は?
ダントツ私の中ではこの方で~す。
それでは続きをどうぞ♪
*ぶす~とした表情は無言のままパンにかじりついた。
引きちぎるように口の中に押し込まれるのは軽く咀嚼すればなくなるはずの柔らかいパン。
口の中で硬さを増してるように見える。
不機嫌の原因はゴミ箱の物体に気がついて拾い上げたところから始まってる。
「どういうことだ!」
最初から疑問符を通り越した威圧的な不満。
「これを使ってる場合じゃないでしょう」
負けずに道明寺を睨み返した。
「使わないで困るのはお前だろうがぁ。俺は全然かまわないしなっ」
覆いかぶさってきそうな体勢から逃れるようにベットから飛び降りた。
ベットの端にドスッと腰を下ろて手に持っていた小さな箱は壁に投げつけられて私の足元に転がる。
苛立たしさを示す様に道明寺がクシャッと髪の毛を指で掻き上げた。
口からフーッと吐き出された吐息。
下から私を見つめる瞳は熱が絡んで悩ましげな表情を作る。
目のやり場に困る。
引き締まった裸体はダビデの彫刻の様に美しい。
子宮が収縮する感覚が体の奥から目覚めてる。
あの胸に抱きしめられると分かんなくなるんだよなぁ。
ポッとなって思い出すのは数時間前の情事。
・・・って。
ここで見惚れたら負けだ。
ゴミ箱行の箱の意味はきっと道明寺も気がついてるはずだ。
「ほら、そろそろ真剣に考えなくっちゃね」
気持をごまかす様に話題を変えた。
「一日中考えて悩んでたら気持ちがもたねぇぞ」
ポンと肩を叩くように置かれた手のひら。
耳元を通り過ぎていく落ち着いた声。
そのまま私を残して道明寺は浴室へと向かう。
道明寺も真面目に考えてたんだと手のひらのぬくもりが私の肩越しに伝える。
その不安を私に見せなかったのは道明寺の優しさだ。
聞えるシャワーの音は道明寺の不安を押し流しているように聞こえた。
見直したのに!
不機嫌さが変わらないのはどういうことよ!
「ピンポ~ン」
来訪者を告げるベルの音。
ここに午前中訪ねてくるのは西田さんくらいのものだと予測できる。
いたたまれない空気に風を通したい気分で玄関のドアを開けた。
「誰が来たのか確認もせずにドアを開けるのは感心しません」
「すいません」
無表情にいきなり叱られて滅入った気分が一つ上乗せされる。
「失礼します」
そのまま私の差し出したスリッパに足先を突っ込んで音も立てずに西田さんはリビングへと進んだ。
「お食事中失礼します」
「そう思うなら終わるまで待っておけ」
ひゃ~
過去の西田さんに気を使う気持ちはさらさらないような道明寺。
自分の不機嫌な感情をそのまま西田さんに吐き出していてる。
そして横で西田さんの顔色をうかがう私。
この構図は未来も変わらない。
現実は私が取り繕う場面はほとんどない。
西田さんが自分の感情を表面にだすことはほとんどないのだから。
「店長から連絡がありました」
「やめると宣言されたようで・・・」
道明寺が食事を終わるのを待つ時間はないとでもいう態度で西田さんは話し始めた。
じろりと視線を西田さん向けて不満げのまま道明寺。
それでもしっかり西田さんの声は聞いてるようだ。
「あの店でバイトする必要性はないだろう」
「未来の坊ちゃんがどのようにおとなしく・・・失礼。成長されたか私には判断する材料がございません」
「人に使われる苦労に耐えられるかどうかはその基準になるかと思いましたもので」
声は原稿を読む様にさらりと答える。
「私の知ってる坊ちゃんなら最初から私の言葉など無視してバイトもしないでしょうから」
未来の私は少しは楽になりそうだと少し西田さんがほほ笑んだように見えた。
「未来の私は、坊ちゃんがいなくなってその対応に追われてることでしょう」
「なるべく早くお二人をお返ししないと未来の私から苦情が来そうな気がします」
ジョークと言うには笑えない。
西田さんなら本当に未来から過去に苦情の手紙を送ってきそうな気がする。
あっ!
もしかしてポケットとかジャケットに縫い込んであるとか!
ここに来ていた時の服と持ち物!
二人を残してドタドタと走ってクローゼット前で息を止めて立ち止まる。
何が飛び出すかわからない慎重さでクローゼットを開けた。
服のポケットに突っ込む手のひら。
ポケットから何か出てきたら小説よりすごい。
洗濯してるから無理がある。
カバンをひっくり返して出てきたペン。
西田さんが私にプレゼントしてくれたもの。
高級感のあるペンは書きやすくて愛用してる。
これに仕掛けがあるとか?
あるならこれ?
目の前にかざして眺めてみた。
分解して中から何か出てきたらスパイ映画みたいじゃないか。
「どうした?」
道明寺の問いかけに、待ってと視線で制した。
ドキドキとした胸の高まり。
それを押し込めるようにゴクンと息をのむ。
この期待感は過去に飛ばされて随一だ。
クルッと真ん中から左右に回したペンの本体。
緊張感に震える指先が、中から出てきたインクの棒をそっと本体から抜き取る。
それに巻きつけられた白い小さな紙が抜け落ちてぽろっと床に転がった。
拍手コメント返礼
ai様
今年中に帰したいとは思ってるのですが(^_^;)
どんな司もカッコよくとは思って書いています。
haru*****様
鍵を握るのは西田さんの展開です。
F3もいると見せかけて~♪
アイデアですか?
最初から決まってる設定はほとんどないのです。
かきながらこの感じで行けば次はどう進んだら面白いかの思い付きが1個から数個。
そこからえらんで書いていきます。
ですから皆様から頂けるコメントは私の栄養源にさせていただいてます。
本当にそこからなるほど!てきな発想に結びつくのも頻繁で。このお話の発端も何気ないコメンあら考えたお話でした。
こちらこそ来年もよろしくお願いします。
Gods&Death様
私も・・・ふえええええ~です。(^_^;)
私の司が心配って(笑)
そのまま年越せないって急かされてる様な~。
いえいえ、こちらこそいつも拍手コメント楽しませてもらってます。
来年もよろしくお願いいたします。
さっちき様
西田さんなんて書いてるんでしょうね~
気になりますよね。
どうしてここで続く!的な叫び声に耳が痛い(^_^;)
時間がなくてここで切っちゃいました。
何とか続きは今年中に書ければと思っています。
b-moka様
ようやく話が展開しました。
カッコいい司で年を越したいと思っています。
大丈夫かな(^_^;)
ゆげ様
気になる、気になる、気にな~る。
ですよね(^_^;)
ほ~と言わせたいお話を~と思ってるのですがギャグになりそうで・・・(^_^;)
もっと深く~と、頭を悩ませる西田さんからの手紙。
もしもラブレターの様な熱い内容だったら・・・。
ブッーーーー
失礼しました。
キーマンは花沢類か西田さん!
鋭いですね(^_^;)。