ソラノカナタ 7

今日はどれにしよう♪

そんな気分でUPする作品を選んで更新してます。

そして今日もソラノカナタ。

内容を温めていた分すんなりとこの物語の世界に入りこめるんです。

後の話が放りっぱなしだ~。

すいません(^_^;)

どうしてお前が隣なんだ。

そんな気まずさを感じる。

「休まないと、体力を消耗しますよ」

ジェームズさんに促されて座ったエレベーターの床。

私を真ん中に3人が座り込んでいる。

きっとこんな非常事態でもなければ私が近づくこともできない相手。

イギリスとか、ヨーロッパの王室ってバルコニーとか馬車で国民に優雅に手を振ってるイメージしかない。

もちろん私は豆粒でしか見えないその他大勢の民衆に混じる存在だ。

私の気を紛らわす様にジェームズさんは日本の話題を私に振る。

その話題の最初が私がもっていたピ○チュウーの話題だったからその意外性に心がほぐれた。

日本の食べ物とか美しさとか四季とか外国人がよく上げる日本の好きなところ!

そんな話題は一言も出てこない。

聞かれてもたぶん私に答えられる話題には限りがある。

ピ○チュウーのことを聞かれてても同じように困るとは思うけど。

「このアニメは私の国でも人気です」

「私は見たことはありませんが、小さな弟がいるんで知っているんです」

少し照れながら優しく微笑んだジェームズさんが私の手の中からするりと赤く点滅を繰り返すおもちゃを抜き取った。

以外にも興味を示して眺める表情は子供の様に無邪気だ。

座ったまま膝を抱え込んでた私の腕は緊張が抜けるとともに緩んで、いつの間にか足を延ばして背中は壁にもたれかかる。

ヒンヤリとした冷たさはそのまま私の火照った体を心地よく冷やしていく。

時間と経過とともにその冷たさが全身の熱を奪い肌寒さまで感じるようになった。

ふんわりと肩を覆う上着。

「貸してやる」

その声は左のジェームズさんからじゃなく私の右側に座っていた王子からのもの。

気にしてない風でしっかり気にしていてくれたんだと王子の意外性に驚きながら「ありがとうございます」と素直に礼を言った。

「殿下は照れくさいだけです」

そう言ったジェームズさんを余計なことを言うなとでも言いたげな視線で王子が睨む。

「私も、本当は優しいんだと思ってますけど」

「別に私は優しくした覚えはない」

つんと澄ました顔はそのまま低い声を発する。

無理に冷たくしてるように感じて拗ねた子供を私に連想させる。

「だって、本当に冷たい人なら、私にわかるように日本語でジェームズさんと会話を続けてくれるなんてしないと思ますから」

王子の目元がうっすらと赤く変わった。

白い肌に浮かんだ色はそれを明確に映し出していく。

「余計なことを考えるな」

ぷいと横に顔を向けた王子の表情はそのまま壁に向けられて私からは見えなくなった。

「もともと、感情を表に出すのは苦手な方ですから」

「そんな人私のまわりにもいますから」

表情が読めないのは西田さん。

まだ王子の方が感情が読み取れそう。

素直に優しさを表現できないのは道明寺。

本当の優しさを知っていると私は思う。

それが私だけに向けられているってことも。

頭に浮かぶのはさっき耳で聞いた道明寺の声。

「なるべく早くそこから出してやるから、無理スンナよ」

不安そうでいて私を励まそうと必死で強ぶった声。

「怪力でエレベーターをこじ開けようとか、壁をよじ登ろうとするんじゃないかって心配してるんだろうがッ」

「おとなしくしてろよ」

わざと造りだしてるふてぶてしい声の中に見える優しさ。

「・・・もしかして、ドアに蹴りまで入れたか?」

「それはやってない!」

「確かに怪我の心配はなさそうだ」

クスッとした声とホッとした息遣いが混ざる瞬間が見える。

「ごめん、一緒にいてやれなくて」

甘く私を包み込んで体中に道明寺がしみこんでくる。

エレベーターが動きだして、ドアが開いた瞬間に道明寺と会えるはずだ。

離れていてもずっとつながっていられる気がする。

だから今の私に不安なんてこれっぽっちもない。

楽観的過ぎかな?

それに一人じゃないしね。

ホッとしたらなんだか眠くなってきた。

飛行機でこっちについて直ぐのトラブル。

時差ぼけを回避できるほど私は海外旅行には慣れてない。

日本にいれば今は夜中で、私はベットに潜り込んでる時間帯のはず。

目が冷めたらきっと道明寺の腕の中に戻ってるそんな安心感も眠気に拍車をかける。

「おいッ、眠ってる・・・」

「こいつ、女って自覚あるのか?」

「こんな、密室で男とだぞ!」

「疲れてるのでしょう」

「ジェームズ、俺たちの前でこんなに緊張感がなく眠り込んでるやつはいないよな?」

「特に、女性はと付けたしましょうか?」

「俺たちを男と思ってないという態度だよな。無防備と言うか無邪気な奴」

「クッッ」

「ジェームズ・・・笑うな」

まだ日本語で話してる。

それがうれしくて、心地よくて・・・。

そんな二人の会話も子守唄に聞えていた。

拍手コメント返礼

Gods&Death様

oh!この展開は!

つくしちゃん~イケメンに惚れられる!

思いますよね(笑)

どっちが惚れるのか!

う~ん(>_<)

b-moka

ジェームズがいなければ展開は違ったものになりますよね。

難しい空気の中で過ごす男女。

違う方向に話が行きそうな気がします。

でも相手はつくしちゃんだしなぁ。

匿名様

ありがとうございます♪

ラインハルトとキルヒアイスに囲まれたら♪

違うタイプの二人ラインハルトはツンデレタイプではないですがなってくれたらもうそこには流行のドラマが♪

ゆげ様

ツンデレ度なら司に軍配が上がると思います。

王子がしょうがないと思うのかこんな奴に負けられないと思うのかどっちでしょう♪

対抗してもらった方がお話はおもしろくなるのですが(^_^;)

つくしちゃんは無防備じゃなきゃつくしちゃんじゃない!

私も賛成です♪

マリエ様

素敵な状況、変われるものなら変わりたい。

この状況をどれだけ作りだしているのかつくしちゃん。

波乱がないとねぇ~。

おいしいだけじゃ済ませません!