ソラノカナタ 18

どうしても週末は時間の制約があるので、『携帯~』の先まで書くつもりが書けないままにUP。

今日も途中途中で邪魔が入って、やっとUPできました。

*

向かい合って座る王子と私。

そして私の横にはジェームズさん。

目のやり場に困って俯いた。

「何かあったか?」

「えっ?」

声に促されるように首をもたげた視線先で、頬杖をついてわずかにチラリと向けられただけの王子の視線。

その線の流れだけでも優雅で包みこむ空気は艶を生んでいる。

身体全身が浮き彫りになって光を放つ!

そんな感じ。

異次元の人物を目の前に私はと言うと、今の自分の置かれた状況を腦が必至に理解しようともがいてる。

なんでこうなってる?

王子の姿を見ていたらますますこの状況を理解できなくなった。

道明寺の不機嫌の一端は少なからずこの王子にあるのは分かってる。

私がちょこっと話しただけで嫉妬を見せるのは道明寺なら当たり前のことで、私はヤダって思いながらも慣れてしまってる。

いや・・・

慣らされてしまってたんだ。

嫉妬するのは道明寺で私じゃないと。

あの状況を目撃してあんなに落ち込んで悩んでいたのに心の底では、あいつを信じてる。

道明寺のそばにいた女性に嫉妬してただけだ。

きっと何もなかったはずだよね。

道明寺が私を抱きしめて欲してたあの時に「ごめん」って、一言謝って道明寺を抱きしめて受け入れていたらきっと結果は違っていたはず。

このままじゃ、道明寺にまた浮気って責められる。

私は判断を誤ってややこしくしてないか?

少しずつボヤがなくなるみたいに頭の中が鮮明になってきた。

それでもやっぱり、心の中はまだぐずぐずと不機嫌な気持ちが渦巻いている。

何もなかったからって私をほっといてほかの女性といたのはやっぱり許せない!

これじゃ嫉妬深いッて道明寺をこれから責められないよ。

「はー」と王子の口元から漏れたため息は私を王子に引き戻した。

そのため息は心配してると言うより呆れてる感じに思える。

今考えてたことばれてないよね。

視線が重なった瞬間にドクンと心音が跳ね上がる。

「一人で何してた?道明寺は?」

「王子に心配してもらうようなことじゃありませんから」

道明寺の名前が出ただけで心拍数は限界まで跳ね上がった気がした。

「王子じゃなく名前でそろそろ呼んでくれないか?他人行儀だ」

それは嫌味に感じない命令口調。

拗ねてる様な言い回しで「ジェームズだけ名前ってズルいぞ」

その声に「すいません」とジェームズさんがほほ笑んだ。

「アレックス王子?」

遠慮がちに道明寺から聞いていた王子の名前を口する。

「アルって呼んでくれ」

親しみやすい笑み。

初めてこのホテルで最初にみた魅せる表情。

これって表面的にあいそよくしてるやつじゃなかったっけ?

騙されると危ない。

「道明寺がつくしを呼んでも無視してたみたいだし」

「呼んでたって、道明寺がですか?」

全く気がついてなかった。

「3Fから身を乗り出して、牧野ーって必死だったよ」

あの時はほとんど周りの人も声も気にしてなくって、視覚も聴覚も動いてなかったような気がする。

「それじゃ、王子たちと一緒のところ道明寺に見られました?」

王子にしがみついて問いただす一歩手前で心を押しとどめた。

道明寺は噴火寸前までいってるかもしれない。

「ちょうど見送ってくれたし」

車の後部席から眺める後部の窓。

豆粒みたいに小さくて人の塊しか見えなくなっている。

「♪~♪~」

聞えてきた携帯の着信音。

ドキとなって固まって筋肉が動かなくなっても誰も私を責められないと思う。

「携帯が鳴ってるけど?」

出ないのと促す様なジェームズさん。

「出ます」

ごくりと唾を飲み込んで携帯を手に取る。

確認しなくても道明寺だ。

携帯音は相変わらずのダースベーダの曲。

スターウォーズか」

王子が指をパチッと鳴らしながら呟いてぴったりだと笑った。

「もしもし」

「牧野か?」

その声は思ったよりも嬉々とした声。

「そうだけど」

今まで携帯じゃない受け答えだ。

道明寺の携帯から私への携帯いったい誰がほかに出るのよ。

あっ・・・

道明寺の携帯からかかってきたのはあの女性かだった。

思い出したらまた不機嫌になる。

そうとう私も嫉妬深い。

「俺はお前だけだからな」

俺を疑ってるんじゃねよとでも言ってる強気な音色。

だからなに?

ソファーに座ったままの私なら言い返していたはず。

強気にみせて内心はきっと私を心配してくれているよね?

「何でもない」と言われるよりしっくりくるのはなぜだろう。

「抱きたいと思うもの、抱きしめられたいと思うのも」

「牧野じゃなきゃ意味がねえ」

・・・。

黙ったままの私に聞こえる声。

ワガママに・・・

拗ねたように・・・

呟いて甘い香りを付け足してくる。

携帯から伝わった声はそのまま耳から全身に熱を伝える。

これ以上、早くならないというくらいの心音がまわりの音を消していく。

携帯から漏れる声を誰にも聞かれたくなくって、塞ぐように手で包み込む。

私だけが独占したい声。

「道明寺・・・」

そのあとの声は言葉にならなくて、私もだよって胸の奥で呟いた。

焦りました。スマホで確認作業中更新した「ソラノカナタ18」が操作ミスで消えちゃって・・・(^_^;)

これだから慣れないものを使うと・・・。

途中でない!と焦った方には申し訳ありません。

無事復刻しました。

ホッ。

拍手コメント返礼

びー***様

もうすぐと思わせて~ここからが本番ですよ。

事件はここから起こる?

ハリポンママ様

本当に昨日は焦りました。

UPした後、書き直しながら更新したらなぜか途中までの下書き状態に戻ってたんです。

もう1度書き直しか?と思ったら何とか残ってました。

その焦った時間は数分程度でしたが冷や汗が~。

つくしと王子はどこえ向かうのか!

それは次のお話で♪

momoyuzuhime様

お待たせしました♪

なるべくこのお話は毎日更新したいと思っています。

どうなるこの二人!

最後はいつものパターンで終わるようにとは思っています。

じ**様

つくしちゃんやっぱり信じてるんですよね司の事。

それでも素直になれないだろうなぁ~。

つくしはどこへ?

その答えは!

しばしお待ちを~。

ゆげ様

この気持ちが素直に司に伝わったら「牧野、やっぱお前は俺に惚れてるなッ」って、司は喜ぶんでしょうけどね。

そうはさせない!

司を置いて王子に連れ去られるつくしでした。