St. Valentine's day 4

甘々で行くか、落としていくか・・・。

最近ラブ度は低いからなぁ・・・(^_^;)

バレンタインまであと少し。

まだチョコを買ってない我が家です。

*

「どうかしましたか?」

扉から首だけ出して眺めてた秘書室。

まるでカメ。

西田さんと視線が合って数秒後、右手で襟元をギュツと握って一歩足を踏み出した。

パタンと閉めたドアの前で深呼吸。

落着け心臓!

ドクドクと胸を持ちあげる心臓の鼓動の音は西田さんには聞こえてないはずだ。

背中に感じるあいつの視線はまだドア越しに感じてる。

「代表となにか?」

「えっ?あっ!」

なにかって聞かれて上ずる声。

キスされて・・・

胸を触られて・・・

太ももに伸びてきた指先。

道明寺の変化も感じたし・・・

あのままで、ほっといていたらどこまで侵されたかッ。

「なにもありません!」

なにかあったって宣言してる様な声をあげて熱くなる。

気を取り直す様にふーっと息を吐く。

でも西田さんと目を合わせるのは躊躇ぎみ。

なんとなく眼鏡の奥の瞳に全部見透かされている気がするんだもん。

表情が変わらないからなお悪い。

自分の想像だけで追い込まれてく感じがする。

「あの、西田さんにもチョコレートをって思って」

「いつも道明寺がお世話をかけます」

頭を下げて両手を添えて西田さんに差し出したチョコレート。

一応こっちも手作り。

ハート型とか好きってことは書いてないけど。

「こちらこそお世話をかけます」

その声につられて視線を上げれば目の前に西田さんの後頭部が見えた。

律儀に頭をわたしに下げてる西田さんに思わず笑いが漏れる。

スッと頭をあげた西田さんは相変わらずの無表情。

私から受け取ったチョコは大事そうに両手で受け取ったまま。

「あの・・・甘いのは嫌いですか?」

「とんでもない、うれしいんですよ」

そう言って視線を西田さんは道明寺の居る部屋に視線を移す。

「よく、坊ちゃんが私にチョコレートを渡すのを拒否しませんでしたね」

「横取りするとか、行くなとか、駄々をこねそうじゃないですか」

「すんなり、つくし様を私のもとに送り出すとは考えつかなかったもので」

真面目にそう言われて私が恥ずかしくなる。

機嫌良く私を手放したのは、きっとあの誕生日の事があったからだと思う。

あれから道明寺はやたら私にべたべたしたがって・・・

花沢類と話しててもそのくらいじゃ嫉妬しねぇよて余裕が生まれてる気がする。

「あっ・・・、まあ・・・大人になったってことでしょうか・・・」

「あはははは・・・」

オトナって・・・

確かに大人の関係に進んだのは確か。

うっ・・・。

これ以上西田さんに追及されたら燃えつきそうだ。

西田さんの口角がわずかにフッと揺らいだように見えて顔が上げられなくなった。

このままじゃ道明寺のそばにも戻れそうもない。

だからと言って西田さんと2人でここにいるのもなんとなく気まずい。

「トントン」とドアを叩く音。

だれ?

誰って考えても私が知ってる人がここに来るわけないんだけど。

ドクンと緊張が走る。

ドアが開いた拍子に飛び出るって手もあるぞ。

「室長、ダンボールはまだありますよ」

ノックして入ってきた秘書課社員数名。

女性の声に部屋の中の空気が変わる。

逃げようとした私の体勢もそのままそこに留まった。

荷台に積まれたダンボール数箱。

色とりどりのリボンのついた箱がダンボールからあふれそうにうに詰め込まれてるのが見えた。

あっ・・・

あの袋は高級で有名なチョコレート店のもの。

一粒で1000円とか桁が違う。

大体チョコに1000円を払うなんて価値観がわかんないのよね。

我が家で1000円あれば家族3人の夕食代になるんだぞ。

食べてはみたいけど・・・。

これが全部誰宛のチョコかは聞かなくても分かる。

モテルのはわかるけど贈った相手の本気度も分かるチョコ。

さっきのデレッと私のチョコを受け取った道明寺の態度もムッとしてきた。

私のチョコだけ待っていたってそぶりだったのにッ。

ほかの女性のバレンタインチョコを受け取るんだ。

あのバカッ。

「お手伝いします」

「あの・・・いいんですか?」

どなたですって、西田さんに私のことを遠慮がちに聞いてる秘書。

大丈夫だからって片手で秘書を制した西田さんが「好きにしていいですよ」と私につぶやいた。

なんとなく西田さんのまわりには楽しそうな柔らかな空気が漂ってる。

まわりの秘書は誰なんですって興味を抱いた表情で私を見つめてる。

今はそれも気にならないくらいに気持ちが高ぶってしまってる。

好きにさせてもらいます!

ガシッと力いっぱい握りしめた荷台を押して前に進む。

扉を荷台で押しあけて開く。

開いた扉は後ろ足で蹴りあげるように閉めた。

「早かったな。珍しく素直・・・」

何か変だと気がついて道明寺の声が止まる。

「なんだッ」

「ブッ!」

道明寺の顔にめがけて段ボールの中身を投げつけた。

拍手コメント返礼

b-moka

西田さんは把握済み♪

今さら恥ずかしがってもって教えてあげたい(笑)

2人の甘い時間まであと少し♪

Gods&Death様

今回は滅多にみられないつくしちゃんのヤキモチバージョンでお届けしてます。

司君も喜んでくれると思ってるのですが・・・(^_^;)

チョコをたくさんもらえる彼。

自分のモノが褒められる♪

確かにそうですよね♪

美優様

これも西田さんの手腕。

坊ちゃんを試してるとかはありそうな気がします。

で・・・結局つかれるのはつくし♪

なおピン様

お疲れ様です♪

週末はいかがお過ごしでしょうか?

要は珍しくつくしの嫉妬♪

ハイ♪レアですよ(*^。^*)

らん**様

甘々でデレデレで溶けてEND?

チョコレートの出てくるお話ですからね。

って・・・本当のところはどうだろう(^_^;)

じゅ*様

そんなに嫉妬を見せたら坊ちゃんが~♪

ですよね。

そうなりますよね。

ニンマリと喜んでる♪

チョコとどっちがうれしいんだろう?

ゆげ様

「好きにしていいですよ」

西田さんはチョコの事?道明寺?どっちの事を考えていたのか?

なんて思いながら書いてたんです。

坊ちゃんの機嫌がUpに期待はしてるんでしょうけどね。

おいしい想いができるかなぁ~。