☆St. Valentine's day 6(最終話)

*

「行くぞ」

ぶっきら棒にそのくせ少し照れたように目元を赤くした道明寺が私の目の前に手を差し出す。

「行くってどこに?」

差し出された手を気にしながらもその手をとれずにいる。

照れくささは道明寺のそれを完全に私の方が上回ってる。

「仕事も終ったから暇なんだよ」

「これからの俺の時間はお前のものだ」

道明寺が気恥ずかしげに目を細めて優しく笑う。

「うれしいだろ」

悪戯っぽくつぶやく口元。

どう反応していいかなんて分からなくなってる。

道明寺が一歩動いて長い指先が私の指先に触れた。

早くしろって催促するみたいに動く指先。

そのまま5つの指は絡める様に動いて私の指とつながった。

かさなりあった関節から受けるわずかな痛み。

ギュゥと道明寺の指先から力をわたしに伝えてくる。

まるで私を離さないって言われてるみたいだ。

道明寺に命令されるままに促されそうになっている。

「でも、どこにいくの?」

そんなこと聞くのかって呆れたような顔が目の前に迫ってた。

「俺はここで押し倒しても構わないけど」

「えっ!」

前のめりに私を押さえつけてきた道明寺の身体。

背中からソファーに倒れそうな私の腰を道明寺の腕が支えてる。

「丁度いいところにソファーもあるし、どうだ?」

まったく悪びれない言い方に自信ありげなにやりとした表情。

「どうだって、ダメに決まってるでしょう」

焦ってどもって狼狽える。

「分かってるって、そんなに焦った表情するな。俺はがっついてねぇぞ」

「ククッ」と漏らす笑い声。

笑う道明寺を憮然と見つめた数秒後、私もクスって笑い声をあげていた。

「意地悪するんなら、一人で帰る」

「俺が帰すわけないだろう」

今日の道明寺はいつもに増して、

俺様で・・・

我儘で・・・

強引で・・・

自信たっぷりで・・・

それなのに、優しすぎて・・・。

私は囚われていく。

逃れるすべはありそうもなかった。

*続きの部分からは年齢制限かけさせてもらいます。

R18 禁です。

年齢に満たない方はお控えください。

成年でも、そのような表現がお嫌いな方はお戻りくださますようお願いいたします。

*

食事を楽しめる余裕もなかった。

ただ時間が過ぎるのを待つみたいに黙々とフォークで肉を口に運んでる。

はじめては道明寺の誕生日で、今日は二度目で・・・。

あの時は夢中で訳が分かんなくて・・・。

道明寺が触れたところから熱くなって自分じゃなくなっていくみたいな感覚。

分かんないうちにおわったっていうか・・・。

痛みだけがしっかり後まで残って・・・。

次の日の講義・・・

うまく椅子に座れなかったんだからッ。

デモね、これだけはしっかりわかってる。

一つになった瞬間に感じた痛みも刺激もすべて溶けあって幸せだって思えたことはきっと一生忘れられないと思う。

道明寺が私の初めての相手でよかったってそう思えるから。

これから先、別な人とって絶対無理だ。

あんな恥ずかしいことっていうか恥ずかしい恰好できない。

あれ以上の事がアルって桜子や滋は言ってたけど・・・。

今度は大丈夫かな?

って・・・

何が大丈夫なんだろうッ。

道明寺に見られてないことを祈りながら青くなったり赤くなったり。

私はリトマス紙かッ!

自分で突っ込んでまた赤くなる。

抜けられない。

これから道明寺と二度目・・・

考えてひとりでドキドキして心臓が爆発しそうだ。

一度目より緊張してる。

道明寺はそうでもないみたいにワイングラスを口につけてる。

ゴクンと動く喉にも艶を感じるって意識し過ぎだッ。

食事が終わってそのまま向かう客室。

カードキーを差し込んでカチッと開くカギ。

心音がポンとひとつ跳ね上がった。

暗闇に浮かぶオレンジの柔い明り。

そのまま部屋に浮かぶダブルベット。

これからの道明寺との行為が艶かしく確実に近づいてきてる。

ドクンドクンと心臓が早くなって逃げ出したい気持ちに傾いても誰も責めないと思いたい。

「牧野」

背中から伸びてきた道明寺の腕が胸元で交差する。

まだ・・・

気持がついてきてない・・・。

今、私が振り返って道明寺の顔を見たらすごくブスな顔をした私が睨んでると思う。

「そんな顔をするな」って道明寺はクツクツと声を上げて笑ってくれるだろか?

優しく私を見つめて・・・

あと数分、1分、いや数秒。

そしたら、心臓は落ち着く?わけないか。

心の動揺を隠すみたいに胸元に置かれたしなやかな指先を握りしめた。

道明寺の指の動きを止めたいのか止めたくないのか自分でも躊躇してる。

首筋に触れる道明寺の唇。

ゆっくりのなぞるように首筋から頬に触れる。

「わっ、きゃ」

「驚いた声あげんなっ」

「・・・それはわかってるんだけど」

私を振り向かせる様に道明寺が私の顎を持ち上げる。

唇をついばむキス。

熱い舌先はそのまま唇をなぞって口の中に割って入ってきた。

「・・・・・っ」

容赦なく侵入して絡み合う舌先。

クチュッとみだらに聞えるキスの音に身体の芯が熱くなり体の奥に眠る官能に火がついてくるのが自分でもわかる。

身体の高ぶりから逃れるように体をそらして道明寺のキスから逃げる。

道明寺が小さく笑う気配がして、その唇は耳に触れた。

「やっ・・・」

抵抗するすべもなくて、そのままベットの上座った道明寺の膝に乗せられてしまってる私の身体。

昼間の椅子に座った状態より濃厚。

遠慮なく動く道明寺の指先は確実に服の裾から侵略し始めてる。

まかせろって言ってるみたいに優しく後ろ髪をなでる指先がクシュッと髪をもてあそんでる。

「この前は余裕なかったけど、今日は感じるお前を見たい」

初めての時は性急に追い上げられてなにもわかんなくて・・・

今日はゆっくりと丹念に触れられてるのがわかる。

じんわりと体の奥から熱くなる。

まるで味見をするように道明寺の唇が首筋や鎖骨を吸っていく。

「・・・っん」

道明寺の唇が再び私の唇に戻ってきた。

今度は無理やり押し入ることはなくて、唇の表面を軽く噛むように繰り返す甘いキス。

くすぐったいような気もちいいようなふんわりと胸の奥が熱くなるようなキス。

じゃれ合うようなキスに体の緊張がほどけていく。

甘い気分に流されてる。

道明寺の膝に座りその腕に抱かれて完全に体を預けてしまってた。

「あっ・・・」

いつの間にか横たえられた身体の上に道明寺の体が重なる。

シャツのさらりとした感触がもどかしくって、その下に隠されたたくましい胸に直に触れたいと思い始めてる。

何もかもどうでもよくなって、言葉も行動も考えもすべてが置き去りに感覚だけが研ぎ澄まされていく。

今はすべてを道明寺に委ねたい。

気がつけばねだる様に道明寺を見あげてその背中に回す腕。

「どうみょう・・・じ」

唇が勝手に告げようとしてる。

道明寺がほしいって・・・・。

一瞬勝ったような満足そうな笑みを道明寺がうかべた気がした。

そして色っぽい声が耳元で「つくし」って私の名を呼ぶ。

スカートの裾から侵入してきた指先は下着の縁をゆっくりとなぞる。

「・・・やっ・・・」

煽るような指の動きにそれに合わせるように漏れる声。

ほとんど無意識に浮かせた腰から下着が膝下まで引き下ろされた。

「素直」

嬉しそうな道明寺の声。

道明寺のそんな余裕が悔しいけど抵抗できそうもない。

服をはぎ取られて露わになった素肌に滑る唇。

身体すべてにキスされてる。

太ももをなでていた指先は遠慮なく私の脚の付け根を捉えて身体の奥からクチュッと濡れた音を鳴らす。

あらゆるところに触れて熱を生んだ道明寺の指先が今は私の体の内側に触れる。

触れられるたびに自然と甘い声が漏れる。

鼓動の音。

呼吸の音。

軋むベットの音。

すべてがまじりあって聞える音は恥ずかしいような何も聞こえないような不思議な感覚を生みだしてるみたいだ。

「力、抜いて」

耳元で聞こえた熱い吐息。

従順に反応して瞼を閉じる。

道明寺の指が抜かれて代わりに道明寺の下半身が押し付けられた。

身体の奥を貫く感覚は軽い痛みと引き換えにゆっくりと官能的な疼きを体の奥から導きだしている。

繰り返す律動。

一度離れかけた道明寺の体が再び奥深くに戻ってきた。

どこまでも深く道明寺を受け入れてしまってる。

漏れる声もみだらな音も隠す様に道明寺にしがみついていた。

熱ぽい吐息と共に私の中にいる道明寺のそれがピクンと震えた。

そのまま抱き合って眠りに付いた夜。

道明寺にやられっぱなしの気がしてきた。

今回は♪

私も素直に坊ちゃんにご褒美を♪

だってほかの話じゃ・・・・・ドS倶楽部の皆様が蛇のなまころがしを楽しみに~♪

考えてるのはわたしじゃありませんよ~~~~~とイタイ言い訳をお許しください。

拍手コメント返礼

じゅ*様

今回は久しぶりに素直すぎるつくし♪

たまには司君においしい想いをプレゼント。

根本では司君の幸せをいつも願ってるんです←「嘘つけ!」by司

こんな可愛い頃が私にもあったかなぁ~

Gods&Death様

見損なってました?1日遅れだったんですね。

純な気持ちを補充していただけでつかつくも喜んで、ますます張り切ると思います。← やめて~(ひー)

チョコレートは旦那に送ったら娘がすかさず横で食べちゃいました。

数年前から自分が食べたいチョコをパパに贈ってそれをパパが食べずに貰っています。

ga**様

パスが届いてよかったです。

いつも届いたか心配なんですよ。

連載中のお話も途切れないように頑張ります。

なおピン様

仕事中に見てたら・・・

キャーッ見れなんですよね。

私もUPはコッソとしています。

私にしては珍しく司君に優しくなってしまいました。

去年はなまころがし~。

司の代わりにお礼までいただいちゃって♪

これはもっと書かないといけないと勝手に思っちゃいますよ~。

匿名様

今回は最高のバレンタインになったことと思います。

次は・・・(^_^;)

ゆげ様

「司良かったね~」って泣いてくれてるゆげ様の姿が見える様な気がします。(笑)

普段そんなに司に意地悪してるかな?私(^_^;)

だって皆さんが楽しみにしてるんだもん♪