SP物語 1

『ソラノカナタ』スピンオフ物語。

西田さんの観察日記で番外編をUPしようか迷ったところですが、なんとなく新しいキャラを登場させたくて、

カテゴリーを追加してみました。

この新キャラも皆様に愛されることを祈って♪

このお話は『ソラノカナタ1』につながるちょっと前のお話になります

*

ウソだろうッ!

気難しそうで・・・

不機嫌そうで・・・

執務室入り口直ぐで感じる威圧感。

奥から感じる冷気。

近づくなって何かが後ろで囁く。

「新しく配属された千葉一平です」

その横に何気な雰囲気で佇む第一秘書西田さんが俺を紹介する。

この人の言うことを聞いてれば安全だって先輩は言っていた。

初めてのあいさつでチラリと俺に向かられた視線。

あんな冷たい視線、先輩に怒鳴られるよりすごみがある。

この威圧的オーラーがなければ世界TOPは務まらないのだろうか。

俺より5つも若い男に委縮してる。

俺は自分の仕事を全うできるか1日目で怪しくなった。

道明寺家代表 道明寺司の警備担当に配属されて3日目。

代表のNY出張についていくメンバーの発表。

大体まだ1度も代表の警備についたことのない俺には関係ないはずのメンバー。

頑張って下さい~と心で声援をおくる。

俺がえらばれるわけはないのだから。

渡米中の予定は1週間。

この間に緊張した心を解きほぐしてのんびりできる。

「千葉、・・・一平!」

「ハイ」

隣に立つ先輩から脇腹を小突かれて慌ててうつろな返事。

「さっきから、名前よばれてるぞ」

「俺?」

当り前だろうって先輩に舌打ちされた。

「オレッ!」

思わず舌を咬みそうになった。

「今度の警備は楽勝だな」

デスクの椅子にもたれながら先輩の一人がグッツと背を伸ばした。

楽ってウソだ。

あの代表に数日休みなく張り付く警備。

それも銃社会のアメリカ。

どこから狙われるか気が抜けない。

それにSPメンバー俺以外は班長の相葉さん一人で後はアメリカのSPって、なんで?

「・・・一平、顔が強張ってるぞ」

「先輩、変わって下さい」

からかい気味の先輩に本気で泣きついてる。

「俺が人選に口出せるわけないだろう」

変われるんだったら立候補するって先輩の声にその場にいた全員のSPから「俺も」って手が上がった。

この人気はなんだ?

わけがわかんねぇーーーーーッ。

「今回は新米のお前でも大丈夫だよ」

「へ?」

「女神がいるから」

「女神って・・・会長?」

バカか、お前って呆れた視線で見つめてた先輩が唾を飛ばして笑いだす。

「代表の母君は女神じゃなく女帝、鉄の女って言われてるの」

「それに会長がついてきて代表が機嫌がいいわけないだろう」

グゥっと先輩は俺の両肩を押さえつける。

押さえつけられるままにポトッと抵抗もせず椅子に座らせられてる俺。

「いいかよく聞け。今回は代表の婚約者も一緒に渡米するらしい」

真剣にしかっと見つめる先輩の眼差し。

ゴクンと緊張からつばを飲み込んだ。

守るべきものは2人・・・

倍に増えるってこと?

このどこが楽勝だ。

我儘でうるさくて傲慢タイプが多い世間知らず。

大体金持ちのお嬢様の警護って言うのが俺は一番嫌いだ。

自分で稼いだ金でも築いた地位でもねえぇだろって言いたくなる。

「俺、女性の警備って苦手なんですよね」

仕事じゃなければってお近づきにはなりたくない。

「心配するな、彼女がいるといないでは全然違うから」

「違うって?」

すごく美人で優しくて気遣いができるお嬢様にはいないタイプ?

それなら警護も気持ちよくできそう。

俺の彼女の基準なら別に美人じゃなくても愛嬌があればいい。

「代表がすごく柔らかくなるから」

「同じ人物かって疑うほどにな」

「代表が不機嫌になったら彼女を差し出せって、合言葉になるくらいだから」

「牧野つくし、しっかり名前を覚えとけ」

変わるのは代表か・・・。

信じらんねぇーーーーーッ。

そんな代表って北極の氷が解けだしてるみたいじゃないか?

眉唾物。

まだ俺は先輩の言葉をうのみにするほど単純じゃない。

そう悩みながらもその日はやってきた。

代表が邸宅のエントランスに姿を現す。

両腕で小柄な女性を抱えて・・・。

だらりと下に垂れ下がってる腕。

意識がなさそうだ。

「先輩・・・」

「心配するな。素直についてきそうもないから眠ったままジェットに乗せるそうだ」

「もしかして、あの抱いてる女性が婚約者ですか?」

ストレートの黒い黒髪。

代表の胸元で隠れる表情で顔は俺からは確認できない。

時々覗き込む代表の視線。

穏やかに優しく見つめる代表の眼差し。

男の俺が見ても照れくさくなるような艶がそこにある。

先輩の言っていたこと嘘じゃないらしいけど・・・

大丈夫か?

眠らせて連れて行くって・・・

これって・・・犯罪じゃないんですよね。

「行くぞ」

代表の乗り込んだ車の後を俺たちの乗った車が後を追った。

拍手コメント返礼

じゅ*様

またまたお褒めのお言葉を頂きありがとうございます。

ネが単純なもので~。

ハイ♪ニヤッとなっています。

さらりと書いた相葉君にも気がついてもらえてうれしいな。

さらりとSPの名前これからも入れていこうかと・・・

大野、二宮、櫻井、松本♪

ついでに嵐とかぁ♪

女神を差し出せば安泰ってすぐに納得できそうですよね。

3話連続は無理でした(^_^;)

ミントン様

このお話はクスッとした笑いが生まれるお話にしたいと思っています。

坊ちゃん観察日記に追い付けるかな・・・

ソフィ様

一平君はどんな感じに仕上がるかまだ未知数で、楽しみのあるキャラです。

公平君も最近登場してないですね。

そのうちに~。

なおピン 様

わざわざのメールありがとうございます。

『君~』の方は拍手コメント反映されてたんですけどこちらは残ってなかったみたいです。

なんのエラーだったんでしょうね。

お手数おかけました。

そしてわざわざメールでコメントを頂けて本当にうれしいです。

ありがとうございます。

第3者目線結構ハマりますよね。

幾らでも書けそうな気だけはします。

体調はほとんど回復してます♪

ぱんな様

初めまして、「ソラノ」を楽しんでもらってるみたいでうれしいです。

本編とは違ったおもしろさがあるとおもいますのこちらもよろしくお願いします。

ゆげ様

違う第3者視線って性格によっていろんな角度から入り込めるので考えるのも楽しいんですよね。

でもいい人側わからしか書いてないからなぁ。

いじわる目線もたまにはどうだろうなんてことも思ってます。

つくしにドキッとするのか!

そこは気になりますよね♪

Gods&Death様

ありがとうございます。

期待してください!← 大丈夫か?

おぎば**様

コメントありがとうございます。

シリーズが途中で止まると落ち着けませんよね。

でも実際何も浮かばなくなって書けなくなるってこと確かにあるんですよね。

SPシリーズは数話は頭の中にできてるので順調にしばらくは更新でいると思います。

なぜか書いても書いても頭の中のお話は増えていくばかりで、もうひとり欲しい状態に陥ってます。

これからもお付き合いよろしくお願いします。

おくら 様

オリキャラに興味を持っていただけるのはすごく嬉しいです。

まわりを以下急いてくれるのはつかつくの存在があってからこそなんですけどね。

原作にないキャラを登場させて楽しめるのも二次の面白さかな、なんて思ってます。