君じゃなきゃダメなんだ 24

ち**様からのコメントもあり、今回は総ちゃんサイドからのお話です。

考えたら最近F3の出番が少ないなぁ。

特に類君。

何か考えよう。

*

「人の都合も考えなしに突然だよな」

「いつものことだと思うけど」

司から連絡がきた数時間後、俺は類と一緒にあきらのマンションへと向かう。

「あきらもうまくいって良かったんじゃん」

あきらのプロポーズを断る女性がいるとは思わなかった。

あきらめずに何回もプロポーズするあきらも予想外。

あいつは確実に落とせる女性を口説くタイプ。

離れていく女性を追いかけるタイプじゃないと思ってた。

「変わるもんだよな」

「あきら?」

「あきらも司も」

車が横付けされたマンションの前。

仕事で遅くなると自宅まで帰るのが億劫になるとあきらが買ったマンション。

必要以外の家具はなく生活感のない殺風景だった部屋。

あの部屋が今はどう変わってるのだろう。

マンションの入り口で何やら言い争ってる見慣れたシルエット。

長身のその横にまとわりついてる小柄な体。

「やめた方がいいんじゃない?」

「なんで」

「邪魔じゃないかな?」

「あいつらのことを祝うために来たんだぞ」

「からかうんじゃなくて?」

「俺がそんな男に見えるか!」

牧野が司のシャツの袖を引っ張りながら真剣に司を説得中。

ここまで来て無理だって。

司は牧野との言い合いも楽しんでる。

強めの口調でも、司の目が笑ってる。

牧野がそばにいるときは相変わらずの柔らかい表情。

結婚の記者会見以来すげー機嫌いいしな。

牧野が居ればそれでいい。

司の幸せレベル低すぎだ。

「牧野、自分が有名人だって忘れてない。早くマンションに入った方がいいと思うけど?」

類の声にぎょっとなった牧野が振り返る。

「司と一緒だとなおさら目立つぞ」

わざとらしく周りを確かめてるように視線を移動させて牧野をもう一度見た。

「一緒に来たんだ」

「司の呼び出しを無視したら後が怖い」

当たり前だろってふてぶてしい表情の司に一気に変わる。

「牧野最近大変そうだね」

「そうなんだよ、道も歩けなくて、アパートから出るのも大変で・・・」

「それもこれも道明寺が相談もなしに勝手に発表するから・・・」

類と牧野が並んで玄関の自動ドアを開けて進む。

扉の左フロントに立つ警備員が丁寧に頭を下げる。

牧野があきらの部屋番号を丁寧に告げてる。

俺たち顔パスだぞ。

「類!牧野とくっ付き過ぎだ!」

二人の間を裂くように司が割り込んだ。

大学からの見慣れた風景。

結婚するんだからそれくらい多めにみろよ。

独占力が牧野のことになると半端なく作動する司には無理か。

俺らを明るく出迎えたあきらの彼女。

清潔感が漂う容姿。

人目を引くほどの華やかさはないが美人の分類に入ると思う。

丁寧にアップされた後ろ髪。

つややかな色合いのオレンジのルージュ。

部屋に通されてすぐに、牧野と彼女は二人で会話を始めてる。

あきらの両親にあったとか・・・

乙女チックな部屋にびっくりしたとか・・・

あきらの女性遍歴を妹たちが暴露したとか・・・

あきらはどう対処したのか本人に聞いてみたい会話が続いてる。

おもしろい。

「そろそろかな」

立ち上がった彼女はベランダに続く窓を開ける。

「帰ってきた」

手を上げて左右に大きく手をふる姿。

「手を振って待ってるなんてあきらも愛されてるね」

「あきら、にやけてねぇーか?」

彼女の横に俺と司が並ぶ。

あきらは司ほどにやけてないと思うけどな。

ガシャ!

玄関のドアが開く音。

焦ったように現れたあきら。

なんでここにいるって、あきらにしては珍しい不愉快な表情。

いつもの冷静なタイプのあいつにしては珍しい態度。

「かわいいね、あきらの帰りに気がついてベランダから手を振るって」

司じゃないが遊びがいがありそうだ。

俺を無視する様にあきらはネクタイを緩めてソファーに座って息を大きく付く。

ちらっとわずかに彼女に移す視線は困惑気味。

「美作さん、ごめんね」

牧野だけはこの状態で本当にあきらに悪いって思ってるらしかった。

「プロポーズを断られた時にあきらの落ち込みようを知ってるからな」

司の心配してたって口ぶり。

でもしっかり目が笑ってる。

表情が伴ってねェよ。

「あきら、お前のシスターズ侮れないな」

「付き合った女性の写真を彼女に見せられたら焦るよな。ひとりや二人じゃねぇし」

なんで知ってるって、あきらの首に巻きつけた俺の腕を外すようにあきらが体を反転させた。

「それは隠しようがないが、今は関係ないし」

「そんな説明で済んだのか?」

「過去を責めるような葵じゃない」

理解と感情は別物だ。

もう掘り返すなってあきらの気持ちが読める。

「おまえも気をつけた方がいいぞ」

「俺には兄貴を溺愛する妹はいないし」って軽く笑って言い返す俺。

言葉に詰まるあきらはレアだ。

あきらがここまで素直に感情をあらわにするってこいつにしたらいい傾向なのかもしれない。

いつも自分の気持ちを抑えつけて、飲み込んで周りをまとめようってするやつだから。

あきらがいるから俺たちの関係は成り立ってるって思ってる。

いい子をつかまえたんだろうな。

きっとお前に合ってる相手。

良かったなって本当に思える。

「ごめん帰るから」と、司をせかすように牧野が席を立つ。

いい頃合い。

「俺らも失礼するよ」

あいつらの後を追うように俺と類もあきらの部屋を後にした。

拍手コメント返礼

m*様

おはようございます。

基本的にみんな優しいんですよね。

Gods&Death様

総二郎の恋♪

優希ちゃんか・・・

うちの優希ちゃんは登場の度合いすくないですもんね。

韓国版の二人の関係はすきだったなぁ。

ひつじ様

その後のF4の幸せを見れるのが二次のいいところですよね。

やっぱり楽しい話が好きです。

なおピン様

仲がいいから許されるってところですよね。

あきらを本気で怒らせると怖いって知ってると思うし・・・。

そこまで見たいかも~。

*そうみたいですね。次は大野君。

ラッキーは明日は放送なくて寂しいです。

視聴率下がってるんですね。

今までの月9を見てる人が離れてるってこともないのかなぁ?

恋愛が絡んでこないと面白くないとか?

「夏色~」より私的には面白いんですけどね。

han****様

事件起こしたいけど起こしたら終わらなくなっちゃいますよ~。

早く終わらせて次の段階のお話を書きたいと構想中ですのでそこで事件を起こそうかな♪

b-moka

F4全員の幸せを見届けないといけませんよね。

残りは総ちゃんと類・・・。

結構この二人が一番難しい気がします。

ゆげ様

総ちゃん一抹の寂しさはあるでしょうね。

一緒につるんでる機会が二人は多そうだし(笑)

俺には無理だ~って思ってそうですね。

類はどこでも自分のペースを崩さなそうな気がします。

yum***様

『わたしを月まで連れて』は読んだことないんですよね。

竹宮〇子先生の作品はファラオの墓なら読んだことがあるんですけど・・・。

残念ながら想像がつきません。

今から読むことが出来るかしら?

少女に振り回されている類はなんとなく見てみたい気もしますが・・・(^_^;)