思い出は夢の中で 34

さて・・・

入れ替わったカップルの設定にしたら視点があっちこっちに飛んでややこしくなっている気がします。

みなさまは大丈夫でしょうか?

こんがらがってないことを願いつつお話を進めます。今回も未来のつくしと過去の司サイドのお話です。

*

「突然、何を言い出す」

「かわいいといわれて喜べるかッ」

怒った口調も焦ってる。

目の前の道明寺は私より年下で・・・

時より見せる何気ない表情、雰囲気はやっぱり幼くて・・・

かわいく見えてしまってる。

あのころは気が付かなかったあどけなさを見つけてうれしくなるのは私が大人になったからか?

立ち上がった道明寺が私を窓際まで追い込んだ。

私と道明寺の身長差じゃ透明な窓の外が丸見えで、歩いてるもう一組の私たちが見つかる危険性がある。

目下の重要課題はこれだ。

ちらっと視線を斜め後方に移した。

花沢類が二人に駆け寄るのが見えた。

「何見てる?」

わー!

きゃー!

ダメっー!

心の中は3段階に叫び声をあげる。

その後は無我夢中。

自分でも思わない行動に出てしまってた。

道明寺の頭を引き寄せて胸の中に抱きしめる。

一応これで道明寺の視線は遮ったはずだ。

「おっ」

声を上げた3様の声色。

胸の中で聞こえた声はそのまま息を素肌に通した。

わずかに感じる道明寺の唇が柔らかい。

それが遠慮がちに離れるように私の胸元から動いた。

それでも生暖かい息が呼吸をするたびに私の肌に触れる。

ドクンと聞こえたのは私の心音?それとも道明寺のものだろうか。

後は『大胆』とか『やるねぇ』とか?の冷やかし気味の声。

西門さんと美作さんの視線に慌てて道明寺を突き放した。

「えっ!」

なんで?みたいな拍子抜けした道明寺の顔。

その顔に反応して私の恥ずかしさだけが体の奥からグンと湧き上がってくる。

「トイレッ」

場当たり的に発した言葉。

ほかに言葉が浮かばないって悲しすぎる。

「司、大丈夫か?」

「こいつ・・・ふやけてるぞ」

ストンと椅子に腰を落とした道明寺を囲むように西門さんと美作さんが立っている。

行けって西門さんが片手を振って私に合図を送ってくれた。

どうしようーーーーーッ。

洗面所の鏡に映る私は存亡の危機の表情。

高校生の私が道明寺の顔を胸に押し付けるってありえないつーの。

今でも滅多にない。

大体が胸に顔を押し付けられるのはいつも私の方だもん。

この後どう対応する?

あの二人が道明寺をどこか連れ出してくれてないかな。

洗面所の壁から少し顔をのぞかせて3人の姿を見つめる。

私のいなくなった席は相変わらず周りの視線を集めてる。

なんだか、にこやかな和んだ雰囲気。

クスッと笑い合ってポンポンと道明寺の肩をたたく美作さんが道明寺の前の席に腰を下ろす。

からかいがちに言い合う西門さんに「うるせっ」って感じの道明寺が照れた表情を見せた。

あの席に戻るしかなさそうだ。

壁にもたれて決心して大きく息を吐く。

「ヨシッ!」

ここで入れる気合。

一歩進んで4人掛けのテーブルのそば。

「あの3人かっこいい♪」

「足長い~」

「芸能人みたい」

「さっきの彼女かな?」

聞こえた声は私を気にするように息をひそめた。

「あっ髪に手をやった」

「脚を組んだ」

「息をした」

歩くたびに聞こえる実況中継。

「こっち見た」

「きゃーッ」

動作の一つ一つに感嘆の声が上がってる。

道明寺達が何をやってるか見なくてもわかる。

そしてあたしを気にするように視線が動く。

「普通だよね」

「彼女じゃないんじゃない」

私の評価は大体こんなもの。

想定内だ。

それにあの道明寺は私の彼じゃないしねッ。

それでも、彼女たちの勝ち誇ったような視線は慣れてはいても気分のいいものじゃない。

相手にする気はないがムッとする感情は沸々と心の中に湧き上がる。

「お前らッ」

「キャーしゃべった。こっち見た」

じろりと視線を投げて道明寺の低い声が響く。

「ちらちら見てんじゃんねぇーよ」

冷酷無比の視線。

ブス

やっぱり・・・言った。

一気に冷める空気。

私のために言ってくれたのならうれしいけど、気の毒な気もする。

あの冷ややか過ぎる態度は爆弾より強烈過ぎる。

凍りついた空気を押し分けるように緊張した足取りで私は進む。

重い空気はどんどんと私の背中に張り付いてくるようだ。

「あの・・・」

「おっ、やっと帰ってきた」

私に向けられた満面の笑み。

一気に冷めた冷気は歓喜に変わり彩る。

それは多分道明寺の周りだけだけど・・・。

この両極端に戸惑う。

「お前、俺の好きだろう」

「えっ?」

「じゃなきゃ、抱きしめたりしないだろうしなぁ」

「そうか、そうだよな」

自分で言って納得して満足そうにうなずく道明寺。

「この状況じゃ仕方ない」

ぼそっと耳元で美作さんがささやく。

「別に問題ないよな?」

確認するって言うより押し切る色合いが強い西門さんの声。

この二人・・・。

道明寺に何を言った!

きっと牧野はお前のものだとか・・・。

ずいぶんと好かれてるみたいだとか・・・。

将来も安心とか・・・。

どう考えても道明寺を満足させる説明が私のいないうちに終わってる雰囲気だ。

否定したいけど否定できない。

このまま過去の私はこの道明寺に対応できるのだろうか?

不安になった。

拍手コメント返礼

Gods&Death様

入れ替わった過去のつくしのもとへは花沢類♪

まだ気持ちは全部司に行っていない設定なので ← 未来の司にはいじわる♪

じ**様

過去のつくしが見たら泡を吹いて倒れそうな気がします。

司君♪調子に乗ったら危ないぞ~。

『etc~』のブログは別な管理人さんのブログで私とはブロともさんです。

お話の波長が合ったのであちらのお話に参加させてもらってました。

コンナつながりも案外楽しいものです。

ひつじ様

幼さの残る司♪

今よりいい!なんて思わなければいいですけどね。(笑)

「若紫」似合いそうなのは総ちゃんならばっちりのような気がします♪

司には無理そう・・・。

なおピン様

司にとったら「夢みたい~」でしょうね。

若さが暴走しそうな展開を期待しちゃいそうだし♪

「このまま行けんじゃねェ?」なんてつくしちゃんを押し倒さなきゃいいけど(笑)←ちょっと見たい。

今昔つかつくコラボ楽しいですよね。

意外な面白さが癖になりそうな気がします。

ゆげ様

特技:自分で自分の首を絞める。

大文字で書き込まなきゃいけないつくしちゃん(笑)

つくしちゃんがいないときの3人の会話気になりますよね。

きっと司を煽ってることとと・・・。

未来の二人を知ってるだけに楽しめるだろうなぁ。

スタバで~

あははは、私が書いてるものが危ないものに思えてきました(笑)

今日は子供が寝てたのでスマホのメールはゆっくり見ることができました。

今PCの前でこのコメント書いてる姿を見られる方が危ないかも(^_^;)

ただいま娘は勉強中で助かってます。

クー**様

コメントうれしいです♪

やっと『キターーーーー」ですよね(笑)

>『少女だったと懐かしく想う時がくるのさ~』

H²Oなつかしいな~

「みゆき」に「タッチ」♪

はまって読んでましたよ。

自分のまいた種を刈り取らなかったらどうなる?ってパターンが頭から離れてない私です。

高校生のころの初恋の花沢類に会ったら、またぽっってなりそうですよね。

どうなるかなぁ~。