SP物語 6(ソラノカナタ スピンオフ物語)
今回は少し時間を戻して相葉君サイドのお話です。
つかつくの関係を知ってる相場先輩と一平君の違いを並べたらどうなるのかって感じお話です。
やっと西田さんの思惑も♪
*「閉じ込められたのはつくし様とアレックス王子なのですね」
「・・・とその御付の男性と3人です」
「相変わらずの予想外のことが起こる」
その声は困惑してる様子ではなくフッと軽く息を漏らす。
落ち着きのある様子がNYの遠く離れた距離感を感じさせない。
「西田さん、どうするればいいですか?」
こっちは泣きごとの一つもいいたい気分だ。
俺の相棒は道明寺司護衛初心者の千葉一平。
相談相手にもなりはしない。
代表の機嫌を握る紅一点。
公の場でそばにいれば大体機嫌がいい。
機嫌が悪くなるのは彼女のそばに男性が近づくことだけ。
SPの仕事としては半径3メートルで警護しておけばいい。
威嚇的に視線を投げて警戒する代表を無視して彼女に声をかける無謀者はいないから俺たちの出番はほとんどないといっていい。
今度の仕事も楽だって思うのが普通だろう。
それが・・・。
彼女が部屋に帰るって言い出した瞬間から狂い出した。
二人を一緒に警護しておけばいいって対応する相手を瞬時に判断できなかったのは俺のミス。
一平に彼女付って指示を出すのを忘れてた。
慣れた相棒ならこんな指示を出す必要もないはずなのに、一平は自分の行動が判断できずに躊躇。
この時はこんなトラブルが起きるなんて予想もしなかった。
一平の尻を叩いて彼女を後を追わせる。
俺には代表のそばを離れらないわけがある。
「今度の競争相手が何かしら仕掛けてくることがるかもしれません、それなりの対処をお願いしたい」
西田さんに耳打ちされた出国前。
指示はその都度出しますって渡された携帯電話は俺と凄腕第一秘書との直通。
軽く引き受けたのは失敗だったか?
いつものパターンだと男性には女性。
これまでも何度かあった危惧。
うちの代表の場合ほとんどが門前払いだから心配ない。
「追い返せ」
たぶんこの一言。
もったいないって思うこと男ならある。
最上階で追いついた俺の目の前に響く銃撃音。
目の前をすり抜けるように女性のかばうように男性二人が隣のエレベーターに飛び込んだ。
ピタッと閉まる扉を確認して自分のエレベーターのドアも閉める。
息をひそめて時が過ぎるのを待つ。
そして、ゆっくりとエレベーターのオープンのボタンを押す。
エレベータの中から視線だけを外に出す。
息を切らした一平に声をかけて代表のもとへと向かった。
まずい。
怪我よりも一緒にいるのは相手が問題。
依然、段に足を取られてこけそうになったつくし様を助け起こそうとしただけで、俺は数メートル突き飛ばされたことを思い出した。
かばうためって言っても完璧に二人の男性に密着されてた彼女。
初めての経験で震えているだろうし、今のこの状態なら男性二人に抱きかかえられながらエレベーターから姿を現す可能性だったある。
まずい!
「いいか、ここで大事なのはつくし様に傷一つないってことだ」
エレベーターの中で一平相手にどうでもいいことをしゃべってる。
怪我してた方が彼女に触れる言い訳にはなるか?
「これが確認できるまでは気が抜けない」
できれば元気に一人で立って歩く彼女が理想。
「傷があったらどうなるんですか?」
怪我あったらあったで責められるだろうけど。
「まあ、意識があればつくし様がかばってくれる」
これは間違いない。
後は代表の不機嫌がどのくらいなものかだよ。
「どけ」
たどり着いて俺たちが見たのは必死の形相の代表。
こんな表情は今まで見たことがない。
何があったーーーーッ。
エレベーターが動かないって・・・
閉じ込められた男女3人。
それって、もしかしなくても彼女と王子達。
「代表・・・」
報告は必要。
少しでも判断が遅れると容赦なく能無しのラベルが貼られてしまう。
今回はすでに数枚貼られてる気がした。
「牧野は閉じ込められたみたいだ。一緒に乗ってるのはお前らだって思ってたんだが、違うみたいだな」
代表の機嫌が最大に達してると思ったのは俺の思い違いだとこの時気が付いた。
地面の下から体が凍り付いてくる感覚に襲われる。
彼女と一緒なのが俺たちならまだましだって代表は思ってたってことだ。
「一緒にいたのはアレックス王子とその従者のお二人でした」
それなのに、この報告。
こんな時に対処法は西田さんは教えてくれてない。
携帯のボタンをポケットの中ででプチッと入れる。
「怪我してないか?」
「よかった」
「なるべく早くそこから出してやるから、無理スンナよ」
「怪力でエレベーターをこじ開けようとか、壁をよじ登ろうとするんじゃないかって心配してるんだろうがッ」
「おとなしくしてろよ」
「・・・もしかして、ドアに蹴りまで入れたか?」
「確かに怪我の心配はなさそうだ」
代表の声を分析する気力なし。
たぶんこの声は携帯を通して西田さんには通じてるはずだ。
「ごめん、一緒にいてやれなくて」
いま・・・なにか・・・意外な言葉・・・。
代表の悲痛な表情。
「なぁ、一平、聞き間違いじゃないよな?」
悲しげな表情ってあまりにも似合わない。
それだけに心を打つ。
「なにがですか?」
「ごめんって聞えたよな?」
「ええ」
「あの代表が謝るの初めて見たぞ!」
「先輩ッ、苦しいッ」
自分の頬をつねる代わりに一平を揺さぶってみた。
信じられねェッ。
落ち着きなく歩き回る代表を横目で確認しながら隠れるように西田さんと続ける会話。
「落ち着いたらまた連絡を」
無情に切れた携帯。
何の指示もなしってどうなんだぁぁぁぁぁぁ。
気が付かれないように携帯をポケットの奥へと押し込んだ。
閉じ込められたエレベーターの扉が開く。
ここが正念場。
俺たちの運命は天国か地獄か。
どうか中の3人の接触点が最小限でありますうに。
その面積が代表の機嫌と比例す・・・る。
逃げたくなった。
床に座り込んでる3人。
男性二人の間で一人の肩にもたれかかって目を閉じてる彼女。
電車の中でその揺れに合わせるように気持ちよくって雰囲気。
これってあり?
予想以上の予想外。
「どうしたんですか?」
この新人!呑気な顔で聞くなッ!
「一平・・・覚悟してた方がいい」
こわばる顔を元に戻すことができなくなった。
彼女を無視してその場を離れる代表を追いかける。
今度は置いてかれるようなへまはしないと張り付いた。
一平は彼女のそばで代表の変化についていけずに戸惑っている。
今は彼女は一平に任せればいい。
代表の後ろに彼女の足音を感じてる。
それが分かってるように代表の歩幅が緩んでる。
ちらりと後ろを気にするような視線の代表。
歩幅が小さくなるごとにわずかに口元が緩んでる。
それに少しずつ俺の気持ちも緩んでくる。
とばっちりは最小限で済むかもしれない。
わざと隠れる様に左に向きを変えて壁に身を隠す代表。
心なしか顔が笑ってる。
その前を通り過ぎ様とした彼女の腕を代表がつかんで力任せに引き寄せた。
自分の胸元に倒れ込む彼女を代表が抱きとめる。
「どう・・・みょうじ?」
驚いた顔が焦った表情にかわる。
少し距離を置いてその場を見守る俺。
「どこ行くつもりだ」
冷たい声も形だけって分かる。
さっき見せていた棘は代表から抜かれてる。
「先輩!」
耳元から聞こえる声。
うるさい雑音。
「どこって、道明寺を追いかけていた決まってるッ」
途中で遮らる声。
一瞬の沈黙。
雰囲気は見なくてもわかる。
「誰にでも懐くんじゃねぇよ」
代表の声に誰にも見られないように俺は右手でガッツポーズを小さく作ってた。
拍手コメント返礼
Gods&Death様
こちらも天気はわるいです。
洗濯物が乾かなくて困ります。
頭痛大丈夫ですか?
私も偏頭痛持ちなので時々寝込むんですよね。
体にお肌にしっかりと管理しないといけませんよね。
そう思いながらぐうたらしてます。
スピンオフが二人に増えましたけど、書いてるうちに相葉君も愛しくなってきてます。
ひつじ様
>「F4の誰かと結婚するとしたら誰?」「あきら! 総二郎は恋人。 類は親友。 司は・・・はとこ。」
私も定かではないですが記憶あります。
真央ちゃんも恋人なら総二郎って言っていた記憶があるのですが。
根本は変わらなくても経験を積めば人間て成長できるんですよね。
結婚してよかったって言い合える二人が見たいんで、それに向けて成長させたい感じでしょうか。
b-moka様
お忙しい中の訪問ありがとうございます。
息子さん卒業おめでとうございます。
うちもあと2週間後です。
相葉君と千葉君の葉っぱコンビの違いを楽しんでいただけたら嬉しいです。
じゅ*様
千葉君からみたら落ち着いて見えた相場先輩も実はハラハラドキドキ♪
司相手じゃしょうがないと思いますよね。
結局西田さんが一番どっしり構えてる?
なおピン様
お疲れさまです♪
本編の時はこのSP!って思って読んでて、このままじゃあまりにも情けないSPになってましたよね。
このSP物語で同情が生まれて楽しめませんか?
案外面白いウラガワ♪
8時の番組もないんです(/_;)
歌番組ってほとんど放送なくって・・・。
うちはケーブルテレビがあるんで鹿児島の民放2局は放映されるので、ミュージックステーションは見れるんですけどね。
それでも月曜日は寂しい・・・。
主題歌聞きたかったな。
ゆげ様
だめだめSPだと思っていたのが・・・
しっかり西田さんも指示ださなきゃ~。
出さないのが西田さんの思惑なんだろうけど・・・。
かわいそうな相葉君と千葉君コンピ。
きっとこの二人はこの日のために西田さんに選び抜かれた?人材だと思われます。← 本当か!
代表をよく知る相葉君と代表の意外性に踊るく千葉君コンビ。楽しめそうな気がします。