☆ソラノカナタ 32+α

*

柔らかくなりかけた牧野の身体。

俺を覗き込むように見上げてる上気した頬。

「・・・ごめん」

両手が俺の胸を押すように動く。

「続けて拒まれると俺でも立ち直れない」

ほとんど本気の声。

「違うの、あの・・・」

言いにくそうな唇の動き。

「なんだよ、らしくねぇ」

「王・・・子」

ここにきて別な男のことを考えてるって、ひどくねぇか?

「考えられねないようにしてやるよ」

ギュッと胸のなかに抑え込むように牧野を抱く腕に力を込める。

「そうじゃなくて、道明寺の着てた服、王子のでしょうッ。王子のコロンの香りが残ってるから」

「変な気分っていうか、王子がそばにいるみたいで・・・」

困ったように牧野が言葉を濁す。

どうしようか。

俺といながら少しでも別な男を思い出した罰。

たとえそれが服についた残り香のせいだとしても・・・。

罪は罪。

戸惑って、少しすまなそうに見つめる視線が俺の野蛮な気分を刺激してる。

「問題ないだろう、すぐ脱ぐし」

不敵に笑ってパーカーのファスナーを下ろす。

脱ぎ捨てたパーカーを牧野の目の前に差し出した。

「脱ぐって・・・」

「すぐ脱げる」

「おまえも脱げ、それとも脱がせてもらいたいか?」

きょろきょろと落ち着かない視線。

あたふたな牧野を冷静に観察してる。

服を脱がす前に頭が想像してる。

全てをはぎ取ったあとのらわな姿。

恥じらいながらくねる身体。

隠そうとするから全部見たくなる。

視線で犯すような気分。

そして抱きしめて、指先で確認するようになぞる。

想像の中の牧野は完全に俺のなすがままで・・・。

今はまだ幻。

すべて取り返すために・・・

幻を現実にするために・・・

強気な自分が必要な気がした。

*続きの部分からはR18 禁です。

年齢に満たない方はお控えください。

成年でも、そのような表現がお嫌いな方はお戻りくださますようお願いいたします。

*

観念したようにゆっくりとカーデガンのボタンをほっそりとした指先が外す。

時間をわざと引き延ばしてるようなスローな動き。

それを脱いでもまだ素肌の上にはいくつもの生地をまとう。

NYの夜のイブニングドレスなら素肌に届く距離は簡単だった。

今ここで最悪の夜の根源を思い出す必要はない。

待ちきれなくて先に動いたのは俺。

緩みかけた胸元でわずかに表れた柔肌。

吸い付く唇が「チュッ」と小さく音を立てた。

磁器のような白い肌に落とす朱い痕。

その痕がようやく俺を許したって、証に思えてくる。

牧野に触れるたびに情けないくらいに心臓がドクンと波立つ。

まだ後悔が心の奥に根を生やしてるみたいだ。

ここで強く拒まれたら・・・

今の俺を止めることができるのだろうか?

迷いながら牧野の首筋を唇でなぞる。

肩を覆うサラサラの黒髪。

しなやかな手触りを指先に絡めとる。

すっきりと整った輪郭に大きめの黒色の瞳に艶が浮かんで俺を誘う。

わずかに開いた唇が愛らしく俺からの口づけを待つ。

体つきは華奢だが、けして弱弱しいわけではなく、健康的な弾力が色香を漂わせて俺を包み込んでいく。

目を閉じた牧野の頬に触れる手のひら。

「・・・ん」

俺にされるがままの口づけ。

まだ愛しむように、甘やかすような軽めの軽いキス。

繰り返すたびに身体の芯に熱が灯る。

「ん・・・ぁ」

唇を啄ばみわずかに離れる距離も嫌だというように牧野の唇が俺の口づけをせがむ。

牧野の見せる反応に喜びにも見た感動が生まれてる。

もう大丈夫だって確信に変わった。

「かわいいな」

いつもそうだといいと耳たぶに触れる唇。

柔らかく触れる産毛もくすぐったい感触を生む。

囁きも甘さを増している気がした。

「もうあんな思いはヤダッ」

憂いのこもった声、うるんだ瞳に俺が映る。

その声が合図のように牧野を押し倒した。

「ま…まって」

「無理、どれだけ我慢したって思ってる」

触れるたびに跳ね上がる鼓動。

いつもより緊張してるみたいな自分。

誤魔化すみたいに強引な声が出る。

牧野の腕が俺を抱き込むように上下する胸へと誘う。

許しを請うように頂に押し当てた唇。

「・・・あッ」

含んだそばから硬さが増してる感触を確かめてる。

優しく触れるつもりでいた感覚はなまめかしい感情に揺さぶられて歯止めを外していく。

再び重なった唇。

舌先で割って入る口内。

「・・・ヤッ・・」

キスの合間に漏れる声。

クチュっと舌の絡める音が牧野の羞恥心を高めているのが分かる。

身体の熱を逃がそうとするように抗ってる。

そんな意思とは関係なく牧野の身体から力が抜け落ちていくのが分かる。

粘膜すべてにゆったりと浸食を繰り返す。

舌を絡め取るたびに鼻から抜けるような声が牧野から漏れた。

根元から吸った舌はチュッと音を立てて唇から離れる。

手にいるすべてのものに痕をつけて残したい。

今こうして抱いてる瞬間も落着けないでいる。

素直な反応を見せる牧野も・・・

色っぽいオトナの表情を浮かべる牧野も・・・

嫌だと抗う素振りで俺を求めてるこいつも・・・

すべてが俺を夢中にさせていく。

そして・・・。

俺に夢中にさせてしがみつかせたい。

ゆっくり首筋からなぞる肌。

舌でなめるたびに濡れた喘ぎ声が上がる。

刺激に押し上げれて弓なりになる身体。

それを腕一つで簡単に抑え込んで口に含んだ左の乳首を舌で転がした。

「やっ・・・」

指先で触れた時よりも狂おしくなる反応を見せる牧野に煽られる。

刺激を与えてるのは俺のはずなのに狂おしい感覚はそのそばから俺を煽りたてていく。

頬に触れる絶え絶えの息。

時折漏れる俺を呼ぶ声。

体内の熱を上昇させるのには十分すぎる刺激。

いつの間にか牧野の膝がしどけなくゆるんで俺を導いてる。

自分の中心はそれに反応するようにゆらゆらと精器が立ち上がってる。

口から洩れる声を止めるように牧野が手のひらを当てる。

すべてが聞きたいと命令するようにその手を上におさえつけた。

甘えた声も・・・

拗ねた声も・・・

言いあってる声も・・・

怒った声も・・・

聞こえた声はすべてが愛しくて、聞きたくてしょうがない。

それがすべて、愛してるって声に置き換えて俺を包み込んでくるってことに気が付いた。

呼吸を喘がせてる牧野の両膝を立たせて、開いた脚の間に滑り込ませる身体。

「あっ」と、漏れ息がそのまま俺を受け止めてこらえるように息を止めた。

「牧野・・・ッ」

狂おしいまでに愛しい。

身体の中で蕩けていとつになっていく。

牧野の反応を確かめながらの動きは、今は止められない動きにへと変わってしまってた。

溢れ出す雫は動くたびに水音をたてる。

侵入が深くなるたびにはじけそうになる欲求が波のよう生まれてる。

背に回された牧野の腕が必死にしがみつくように動いた。

牧野の奥深いところ入り込んでキュッと包まれた感触。

絶頂の予感に俺の限界も近い。

牧野の奥深くで一気に気がはじけた。

お邪魔隊の突入も考えたんですけど・・・

今回はお留守というか、応援隊の声援が♪

この手の話は書いても書いても気になっていまだに手直し続行中。

二日間の時間をかけてのUPです。

拍手コメント返礼

Gods&Death様

期待感を感じると書きたいのにUPするまでドキドキする私です。(笑)

そうです。今では存在を忘れたい王子の処遇。

これが問題だ~。

じゅ*様

やっぱりこうなりました♪

押し倒さなきゃ司じゃないってコメントがあるから♪

は~い、できるだけ長くゆっくりと続けられるまで頑張らせてもらいます。

ネタがた尽きるまでって制限はありますけどね。

もうしばらくは大丈夫そうです。

ひつじ様

こっちじゃ幸せだけど、別なお話では・・・(^_^;)

なおピン様

やっとこさの司君ですが、定期的に飴は与えてると・・・

最近そろそろかなって時は応援隊の方々が旗を振って声援を送ってくる気がしてます。

ゆげ様

ここからですよ~

って・・・なにが?

すっかり王子のことは忘れてそうなつかつくですけどね~。

まあまずはつくしちゃんの不安が解消できたということで司に拍手を~。