ホワイトデーにまつわる etc 2

この家族の話を考えてるときってホンワカになるんですよね。

目指せサザエさん一家ちびまる子ちゃん一家

一家のイメージはずいぶん違うなぁ(笑)

今回は翼君サイドからのお話♪

*

「僕は今年からチョコを断ってる」

「えっ!断っても勝手に贈ってくるじゃん」

「本命にしかもらわないって宣言したんだよ。もらってもごみ箱に捨てるって」

食べきれない程のバレンタインチョコ。

誰からもらったかも把握しきれていない。

今年は兄貴は手ぶらで帰ってきたと思ったらそういううことか・・・

自分だけそんな手段をとるなんてずるいじゃないかぁーーーー。

その入れ知恵の相手は誰だかわかる。

こんなことを相談するのはうちの親より適任。

総パパとあきパパのどちらかだ。

だから安心だって、澄ました顔は誰に似てるんだか。

「ずるい!」

「なんとかしろ!兄貴だろっ!」

去年までなら兄貴に飛びついて倒していたのに、見あげるほどに身長の差が付いた今は無理だ!

「やっぱり、パパの遺伝ね」って、自分の背を追い越した兄貴に母さんは喜んでいたっけ。

声だけは兄貴に負けない。

怒ってる俺にクッと笑みを漏らす兄貴。

その顔はいつも威嚇的な父さんが優しく微笑んだ貌にそっくりで、反抗できなくなる。

いつもは近寄りがたい父さんが柔らかくなる瞬間。

僕ら家族が「おかえり」って、そろう時。

その瞬間がわりかし好きなんだ。

兄貴の場合は父さんと違っていつも穏やかな雰囲気だけど。

「いこうか」

兄貴と一緒に屋敷の中の長い廊下を歩いて目指す厨房。

母さんは無駄に大きっていつも愚痴る。

「できた」って満足そうにほほえんだのは数分早く僕より早く産まれただけで姉貴面する舞。

母さんと二人でハイタッチまでやっていた。

予想通りに要らないなんて言えそうもないと諦めた。

ガクリと下がる僕の肩。

僕はまた同級生の女の子に「ケチ」とか「趣味悪ッ」とか言われるのだろうか。

今回は上の学年もいたんだっけ。

確か兄貴の同級生も・・・。

今までは年上からもらうってことはなかった。

兄貴は僕の同級生からももらってたけど。

不思議と思ったら兄貴が受け取らなかったから僕に来たってこと!?

『道明寺』のブランド力を考えたら大いにあり得る!

僕も来年は必ず本命からしかもらわないって宣言しよう。

「あっ、お兄ちゃん、今回は舞も作ったからね」

兄貴に気が付いた舞が僕らに駆け寄る。

僕のことは無視かよ。

舞の後ろで母さんが僕ににっこりほほ笑んだ。

その横の作業台の上、去年はバカデカイ箱が数個準備してあって、その中から溢れだしてた手作りクッキー。

それも僕と兄貴の笑顔つき。

今年は目でも確認できるだけの数のリボン付きの袋が小さく遠慮がちに存在を現している。

少なくないか?

僕の横で兄貴も気が付いたようだ。

「作るのやめたから」

ぼそっとさびしそうにお母さんがつぶやいた。

「舞がね、英徳の我儘御嬢さんが喜ぶって思う?て言うんだもん」

「確かにそうだわって思ちゃった」って、落ち込んでない口ぶりでお母さんが笑った。

さすが舞だ~。

「だってさ、翼がケチって言われるの聞いちゃうとね」

舞が僕に小さく耳元でつぶやいた。

「うちで一番ケチなのは父さんだよね」

そして舞がいたずらっぽい表情を浮かべる。

えっ!

母さんじゃなくて?

驚きの表情のまま舞を見つめる僕。

僕の疑問を読み取ったように舞が言い放った。

「私とお母さんが作った手作りチョコ「やるな」って横取りしたパパが一番ケチだと思うのよね」

それはケチの意味が違う・・・。

父さんは自分以外の人物(例外なく生物学的男性)を母さんと舞が気にすることをすごく嫌がるから。

舞・・・。

きっとお前の方が彼氏を作る障害は僕たちの障害物競技より難度はウルトラだと思う。

オリンピックに出るより難しいかも。

難関はあの父さんだぞ!

世界を相手に駆け引きして全戦全勝。

道明寺グループの繁栄を促進させた若き経営者。

まだ30代の父さんは経営者トップの間ではいまだに若造らしい。

結婚してても子供が3人いてもいまだに独身以上の人気を保つ。

太刀打ちできる舞の相手っているのだろうか。

「翼君~」

突然母さんが僕に抱きついてきた。

「なに難しい顔してるの?」

「お母さん翼が嫌な思いをさせることはしないから、気が付かなくてごめんね」

何かにかこつけて僕に抱き付くのはやめてほしい。

ついでに頬をスリスリしないでッ。

「母さん・・・苦しいっ・・・」

兄貴が体格が良くなった分のスキンシップが僕に移行して増えてる気がする。

僕も、もう中学生なんだけど・・・。

「何やってんだ」

厨房の入り口で壁に半身を預けたままの父さんの低い声。

母さんに抵抗中の僕の動きもピタッと止まる。

母さん・・・

いくら息子でも父さんの頭の中じゃ生物学的男性に僕らは分類されるんだ。

「大きくなったら母さんと結婚する」

そういった小学1年生の僕に「母さんは父さんのだ」って不機嫌に言われた遠い日の記憶。

「子供相手に真面目に怒るな」って母さんに言われてた父さん。

あの後結構な言い合いになって・・・。

「司とは紙切れだけのつながりだけど、翼とは血のつながりがあるんだから」だったけ?

わりかしすごいことを言ってたと今ならわかる。

「俺だってこいつらとは血のつながりはあるぞ」って、なんとなく話が違う方向に流れ出してた。

僕の両親の言い合いは面白いって思うようになったのは数年前。

今日はどんな言い合いになるのだろう。

ちょっぴり楽しみにしてる僕がいる。

拍手コメント返礼

しな様

ありがとうございます♪

きっとこの後はじゃれあいですよね♪

ゆげ様

澄まし顔の駿君の雰囲気は花沢類似♪

確かにそうかも~。

「1%くらい俺の遺伝子がいってるかも」って言わせてみたい。

「俺は5%」とか「俺は10%」とか言い合ってるF3にブちぎれる司♪

こんな場面がおいしい思う私は・・・(^_^;)

>世界一大変なパパの愛を『ケチ』って…(笑)、舞ちゃん、つくしちゃん系天然さんでかわいい♪(笑)。こんなかわいい舞ちゃんだから、司の愛もウザいくらいたっぷりですよね~(笑)。

「お父さんうざい」って言われたら落ち込むだろうなぁ。

>こんな展開あるあるある~(笑)。私も翼くんと一緒ですごく楽しみにしています♪

楽しみにしてるということは・・・

この後のじやれあいを書かないといけないってことですよね。

どんな言い合いの展開にしょうかなぁ(~_~;)

なおピン様

至極真面な幼少期をおくったであろう駿、舞、翼♪

思春期に入るとどんな気持ちでつかつくを見てるのか気になりません?

FIGHT!・・・

イタイところを~(^_^;)

忘れられてるって思っておりました。(忘れてたのは私です)