FIGHT!! 25

いよいよママゴンとの対決!

口から吐き出す炎。

周りは燃え盛りって・・・そんなことあるわけなし。

つかさの危機には司が登場するだろうしね♪

昨日最終回の『ラッキセブン』のようなアクションで立ち回りの司。見たかったな。

*

「お前が、やられるわけはないだろうけどな」

私を信頼してるって言うにはあまりにも乱暴だ。

もっと違う言い方があると思う。

司らしいって言えばらしいんだけどね。

「道明寺に楯突くやつはいねェよ」

英徳では特にねって、心の中で付け加えた。

多額の寄付で理事長も、親(司限定)の在学中から言いなりだもんなぁ。

駿のためにいくら寄付したかはいまだに怖くて聞けない。

「頑張れよ」

心強い声援をおくってくれた司を見送ってその2時間後屋敷を出た。

参観日に行くのに頑張れって見送られるのって、何か違う気がする。

英徳が近づくにつれ増える車。

それも相変わらずの高級車、運転手つき。

ここから競い合ってる気がした。

ここに自分で運転する黄色いナンバープレートで乗り付けたら気持ちいかもしれない。

「この車小さいね」

「乗れるの?走るの?」

なんて子供たち興味を持つのだろうか。

大人は別な意味で興味を引くと思う。

1千万は下らない高級車と比べたら卑下の笑いは浮かべそうな価値観だからな。

高級車の中にポツンと大衆車が並んだら目立つの間違いなしだ。

目立つのは嫌だけど・・・。

それに運転免許証は持ってないから無理。

司なら!

安い車でも高く見えるかも。

それはそれでプレミアムが付くとか、上流階級に流行ったりしてね。

ため息をつく私を乗せたままの車はそのまま門に吸い込まれていく。

正面玄関に止まる車。

運転手の里井さんが後部席のドアをカタッと開く。

車から降りて立つ私の前には中庭に立つ銅像の顔。

「ようこそ」と理事長自らの出迎え。

さすが道明寺だわ。

司みたいに横柄に対応できれば楽なんだろうけど、無理。

「お世話になります」

こんな返答でよかったのだろうか。

すぐに理事長とは別れて駿のいるはずの教室へと向かう。

ちっこい椅子に座るちっこい身体。

オトナは座れそうもない子供の椅子も掛けてる御尻には余裕がある。

卒園する頃にはちょうどよくなるのだろう。

目の前で見せられた絵をいくつもの幼い声が大きく叫ぶ。

クマの絵に「Bear」

日本語じゃないんだ・・・。

その程度じゃ驚かないけどね。

クマって日本語は分かってるのだろうか。

なんとなく感じる視線。

そちらに視線を向けるとその視線は慌てて外される。

ほとんどが、お食事会参加メンバー。

当たり前だ。

居心地が悪いのは無視して駿に集中。

振り返って私を見つけてにっこりとほほ笑む駿。

その笑顔だけで幸せな気分になれる。

参観が終わって少しづつ周りから聞こえるひそひそ話。

私に声をかけてくる女性は誰もいない。

言いたいことがあれば言えツーの。

「この前は、すいませんでした」

数名の小さい集団ににっこり微笑んだ。

ピタッと止まる話し声。

気まずい感じの視線が私を見てる。

それは私が話しかけた相手じゃなくその周りもすべてって感じ。

「・・・いえ」

「こちらこそ・・・」

「すいません・・・」

短文も単発で一ずつ違う声が発してる。

そんなに緊張させてるか?

これは私じゃなく司の影響が断然あると思えた。

その状況で会話が続くわけはなく、前を通り過ぎて教室を出て「はぁー」と息をつく。

「あの・・・すいません」

少し控えめな優しい声。

話しかけられるのはやっぱり無視されるよりいい。

「ハイ」

目の前の女性は私と同じぐらいの年齢の上品な顔立ち。

食事会では見なかったって記憶してる。

「3日目にこちらに入園したばかりで知り合いがいないものですから」

「失礼とは思いましたが、あなたが一番声をかけやすかったもので」

確かにほかのお母様方は、私・・・というより道明寺に戦々恐々って感じで全体がこわばっているもの。

雰囲気の緊張感はこの女性にも戸惑いを与えてたのかもしれない。

知らない人が一人混じったらこれも足がすくむかも。

阿賀野の申します」

「あっ、道明寺です」

道明寺と聞いても何の驚きも示さない人に久しぶりに会った。

「ぶしつけですがお仕事は何を?うちは貿易関係の仕事をしてますの」

何を聞かれてもすぐに答えたくなるような柔和な雰囲気。

「弁護士をしてます」

慌ててバックの中に手を入れる。

参観日に名刺を差し出すとは思ってもいなかった。

「旦那様は大変な仕事をしてらっしゃるんですね」

名刺を差し出すのを外したタイミングで聞こえた声。

え・・・

英徳で道明寺=道明寺ホールデングスは当たり前で、司を弁護士だって思う保護者はいないと思う。

道明寺と名乗って仕事を聞かれた意味がなんとなく分かった。

この人にとって道明寺は単なる道明寺なのだ。

「弁護士は私で、主人は道明寺ホールデングスの代・・・」

「あっ、すいません」

言葉の途中を切られて恐縮そうに頭を難度も下げる阿賀野さん。

「主人にいつも言われますの、お前は早とちりだって」

「私もです」

クスッと漏れる声。

「すいません途中で話を切っちゃって、ご主人のお仕事は?」

真面目な顔つきがあどけなく微笑んだ。

私、さっき道明寺ホールデングスまでは言葉にしたはずだけど・・・。

この人・・・本当に知らないんだ。

新鮮な驚き。

これが演技なら女優だよ。

「会社を経営してます」

「よろしくお願いします」

英徳で初めて素直に笑えた気がした。

拍手コメント返礼

Gods&Death様

動き出しました♪

>阿賀野さん?どういう人なんでしょう?

それはゆっくりと描く予定ですよ~。

えー総二郎と!

それは考えてなかったけどF4と関係があるって設定も使えそうですね。

あさみ様

いましたね。つくしちゃんに堂々と声をかけてくるママさん。

ここからどう展開するのかはお楽しみに♪

なおピン様

参観日までの流れが速いですけどね。

保護者のお母様方の方が参観日に来たくなかったりして。

ママ友になれるのか!