君じゃなきゃダメなんだ 28
今日は小春日和の温かな天気でした。
桜も咲いてるし花見にでも行きたい気分。
明日あたりお弁当でも持って行ってみようかな(*^_^*)
面白いネタを仕入れてお話に反映できるといいんですけどね。
*「葵さん、大丈夫!」
ベットの上の葵さんに飛びつく勢いで近づいた。
襲われたって聞いて他人事じゃないって思える立場。
襲われるんなら美作さんより道明寺の方が割合が高いって思ってた。
人に恨みをかうことを何とも思ってない道明寺。
人を傷つけるのは本能みたいなタイプで生きてきたやつだから。
周りに気を使い過ぎるほどの美作さんが、かう恨みなんて女性がらみの逆恨み?
彼女を取られた仕返しで逆上した男性の恨み。
その場合は狙われるのは美作さんだよね?
同じ思いを味合わせるって葵さんを襲うって発想のパターンもあり?
憎しみを女性に向ける男は大した奴じゃない。
振られて正解!
美作さんから誘われてついて行かない女性の方が少ないって思うけど。
葵さんが刺されたって聞いて、原因は美作さん?だと考えるのは仕方ないと思える。
それとも・・・まさか・・・
美作さんを愛する女性が、美作さんの本命を知って葵さんを狙ったって線もあるか・・・。
女性の場合浮気した男性より女性の方を恨むってことが多いって聞いたことがある。
それでもやっぱり原因は美作さんだ。
狙われた原因が恋愛がらみしか思いつかないのは今までの美作さんの女性遍歴の影響はかなりある。
病院までの車の中で私の憶測を不機嫌に聞いていた道明寺。
「お前は、自分が狙われるって思わないの?」
「なんで?」
「なんでって、結婚の発表もしたし、誘拐とかの心配もあるだろうがぁ」
不機嫌な声はどうやら私を心配してのものらしい。
もっと素直に心配そうな態度を取ってくれれば私もリアクションを取りやすいのにッ!
そう思うのは私の我儘かな?
女性関係のもつれの恨みを思いつかないのも道明寺らしいといえばらしい。
自分じゃ気づかない女性の恨みがあるかもしれないって、私は思うんだけど。
美作さんや西門さんより少ないだろうという、安心感はある。
「あのね、今、家を出ればテレビのマイクや雑誌のカメラが追いかけてくるの」
「これで襲われるわけないじゃない」
それよりも変装しなきゃ、まともに外に出れない状態を何とかしてほしいツーの。
大学に行くのに帽子かぶってサングラスをかけてるんだぞ!
どこの有名人だって錯覚させられる生活が続いてる。
結婚発表のあった朝はヘリコプターが家の上空をうろうろ。
不審者が入り込む隙間は数ミリもない。
病院に来るにもどれだけ大変だったことか・・・。
道明寺は未だに分かってくれない。
「大げさだね。ただの盲腸だよ」
「えっ・・・盲腸・・・」
葵さんが困ったように微笑んで私の斜めうしろに数回視線を投げる。
あっ・・・
誰かいた!
知らない顔が三つ「あなた、だれ?」って、表情で並ぶ。
気づいた後の気まずさ。
刺されたの!って、叫んで飛び込まなくて良かった。
「あっ・・・ごめんなさい」
「謝らなくていいけど・・・」
柔らかい葵さんの笑みに救われた。
「だから、そんなに焦って行くなって言ったろうがぁ」
後ろからゆっりとした足取りで現れた道明寺。
入り口で立ち止まって私が開けたままのドアをガチャリと閉めた。
「キャー」
「ウソーーーッ」
「道明寺様!」
壁にわずかにもたれかかる様に立って腕を組む。
キュッと閉じた口元がわずかに笑みを浮かべる。
ざわついた空気は一瞬で見惚れた状態でピンクに色を変えて固まった。
熱を持ったまま彼女たちを包んでる。
あいた口がそのままで言葉をなくしてる。
彼女たちの周りだけ時間が止まったままだ。
「コホン」と葵さんが小さく声を出す。
止まった時間を動かすスイッチの声。
「あっ!牧野つくし!」
思い出したように声を出す一人。
知らない相手に指をさされてる。
それには最近慣れた。
いや、慣らされてきた。
「結婚相手!」
「ラーメンを食べてる写真のッ!」
話し声はだんだんと小さくなる。
どんぶりを抱えて、大口を開けてるって言われないだけまだましだ。
葵さんがすまなそうな表情で私を見つめてた。
「こいつら誰?」
道明寺の視線はわずか1000分の一秒の速さで彼女らを通過してうざたらしく言った。
「キャー、こいつらだって!」
手を取り合って喜んでる女性。
女性をこいつ呼ばわりって憤慨!軽蔑!するのが一般的なんじゃないか?
標準の感覚を道明寺が狂わしている。
「同僚で、見舞いに来てくれたんです」
葵さんには返事もせずに道明寺は押し黙ったまま興味ない態度を崩さない。
両手をポケットに入れて軽く、左の足を右の足と交差させた立ち姿。
冷ややかなオーラはそのまま床を伝ってくる。
彼女達がもう一言何か言ったら床がすぐに凍り付いてきそうだ。
道明寺!
お願いだからここで彼女らを罵倒するようなことはやめてほしい。
道明寺のそばに行って止める体制にいつでも入れるように身構えた。
「ごめん、せっかく来てもらって悪いけど」
その声は私たちじゃなく同僚に帰ってって哀願するような葵さん。
「あっ、そうだよね」
彼女らはそそくさと病室を出て行ってくれた。
きっとこの場に彼女達を留めていたらまずいって思う空気を葵さんはしっかりキャッチしていてくれていたと思う。
葵さんもだてに私たちと付き合ってはいない。さすがは美作さんが選んだ相手だ。
ここで私が感心したって知ったら絶対美作さんは苦笑するだろう。
「来てたのか」
「おせーよ」
葵さんの同僚と入れ違いに姿を現す美作さん。
ホッとしたような表情を葵さんが浮かべたのがちらりと見えた。
拍手コメント返礼
マ**様
初めまして、拍手ありがとうございます。
普段は午前中のUPなのですがここ数日は午後のUPになってます。
いつもUP後すぐに拍手をいただいていています。
1番の拍手ありがとうございます。
たぶんその時には私はまだうろうろとUPしたものを確認作業している最中です。
次見たら少し手直しして変わてるということも多々ありますのでその辺の違いも楽しんでいただけたらと思います。
こちらこそ応援メッセージありがとうございました。