思い出は虹色に輝く 3

やっとこさ日常の自由な時間が戻ってきました。

さて、このお話はつくしちゃん脱鉄パン終了の設定で進めさせていただく結果となりました。

生ころがしの司君が好きだったんだけどなぁ~。

またどこかで書きたいなぁ~って、年に何回かは書いてますけどね。

ドS倶楽部の影が最近薄いって思ってるのは私だけかしら?

*

「もっと、甘えろよ」

離れた唇がそうつぶやくのが見えた。

「甘えろって言われても・・・」

どう甘えればいいのかなんて分からない。

「まだ足らねェ」

優しく細めた瞳のままで道明寺の腕が私を抱きしめる。

耳朶を軽く噛んで触れる吐息。

わざと焦らすように中途半端に肌に触れる指先。

もっと触れ合っていたいって思うところで離れる唇。

足らなくされてるのは私の方かもしれない。

ここが大学の図書室だって忘れそうになる。

身体中の力が足の先から抜けそうで道明寺の袖を掴んでこらえてた。

道明寺に押し付けらた体が動いて本棚が「ガタン」と音を立てる。

その音で道明寺を突き放すように伸ばした両腕。

「チェッ」

小さく不満そうに舌を鳴らす道明寺。

その瞳はまだ機嫌よく笑ってる。

道明寺が私から離れたことが勿体ないなんて思っちゃってる自分が少し恥ずかしい。

「顔が赤いけど」

鼻先に詰め寄る整った顔立ち。

落ち着いた表情は鼻持ちならない。

さっきからドキドキしっぱなしでこっちは心臓が壊れそうなくらいにバクバクしている。

「まだ、調べたいものがあるんだから」

自分の高揚気味の気持に気付かれたくなくって、道明寺から離れるように早足で本棚の奥から出る。

6人掛けの長方形のデスク。

真ん中に席を取りドンと本を置く。

座ったままでも背中は道明寺の近づく気配を探してる。

「勉強より俺の方が大事じゃねえの?」

私を挟むように伸びてきた両手がデスクの上に付かれて、頭の上から覗き込まれてしまってる。

頭の上から聞こえる声は魅力的に響いて甘く私を包み込む。

そのまま私の横の席に道明寺が座っても片腕は私の肩を抱いたままだ。

前に座ってくれた方が楽だ。

目の前に座った道明寺が視線を外すことなく私を見つめてるのに耐えるのも苦痛だった。

時々私の手のひらを包み込むように伸びてくる道明寺の指先。

その動きだけで感じる艶。

ドキンとなる心臓はそのまま私の体中を侵略していく。

この頃、道明寺の私へのベタベタ感は半端ない。

だからすぐ「お前らやったろう」って、西門さんと美作さんにばれたんじゃないか。

やったって・・・

露骨すぎというか、さらりとしてていやらしさがなかったせいか、否定も出来なかった。

つーか、道明寺のご機嫌な顔はあまりにも素直すぎだったもん。

「よかったな」って言われて、「ありがとう」って言えるはずもなく、どう答えていいかなんてわかるわけがなかった。

その時のことを思い出すと西門さんと美作さんと顔を合わせるのはいまだに恥ずかしい。

でも、女子との告白タイムの方がもっと露骨かもしれない。

最初から初めまで手順を踏んでしゃべらされそうだもん。

そんなの覚えてるはずない。

夢中って言うか・・。

生まれて初めて感じる感覚と痛み。

道明寺と一つに慣れた瞬間はうれしさより痛みに耐えて、やっと終わったって感じで・・・。

現実を知ってしまうとこんなものなんだって思ってる自分もいる。

これなら、キスどまりのままのほうが楽しかったような気もしてきた。

「あのね、明日までに提出しなきゃいけないの」

「道明寺がいない間は、邪魔されなくてはかどったのにッ」

「邪魔って!あっ、お前!俺様がいなきゃいいとか思ってるのか!」

「誰もそんなこと言ってないでしょう」

「せっかく、お前が喜ぶって思って早く切り上げてきたんだぞ」

「うれしくないのかッ?」

「会えたのはうれしいって思ってるわよ」

「だったら素直にそう言えばいいんだよ」

素直に言えない状況を作ってるのは道明寺だ。

いや・・・

この甘さについていけない私なのか?

私の肩を抱いたままの道明寺の指先が髪の毛に触れて解かすようにもてあそぶ。

優しげに触れる指先が時々首筋に触れてビクッと肌が反応してる。

「あんまり、さわらないでよね」

「いいじゃん、減るもんじゃねえだろう」

「それに俺のもんだし」

すぐにキス出来る距離でつぶやく唇。

「だから、まだ、大学だから」

「大学じゃなきゃいいんだな」

ガタッと勢いよく立った道明寺は素早く私の右の手首を引き上げるように握りしめてる。

「だから、レポートを仕上げないとダメなんだってば」

怒ったような口調を作ってはみても半分は道明寺の我儘を受け入れてしまってる。

「さっきから言ってるだろう、俺の方が大事だよなッ!」

「道明寺は私より仕事を優先してるように思えるんだけど」

「俺はいいの」

どういう理屈だッ。

「それ以外の時間はすべてお前にやってる」

ふんぞり返る様に言い切る道明寺。

「普通はさ、彼女が彼氏に責めるパターンだって思うんだけど。

仕事と私はどっちが大事ってね」

呆れたままに笑いがこみあげてきてる。

「迷いなくお前って答えるけど」

「お前も俺を選ぶだろう?」

何でも許してしまいそうになる熱い瞳が迫る。

「本当に我儘なんだから」

「俺の我儘も好きだろう?」

ここにきて傲慢な口調は優しさを滲ませてくる。

拒めないって知っていて急にやさしげな雰囲気を私に見せつけてくる。

「どこに行くの」

拗ねたようにつぶやく私にも道明寺は満足そうに笑みを浮かべた。

尊大なのか・・・

子どもっぽいのか・・・

どっちの道明寺もスキなんだって思える自分が可笑しくて、自然と口元が緩んでしまってた。

拍手コメント返礼

Gods&Death様

つかつくなら甘々も楽しめますが、現実にイチャイチャカップル見たら・・・

TDLでアトラクションの列に並んでるときにいたんですよ。イチャイチャカップル。

それぞれ違う場所で違うカップル3組見せつけられました。

見ていた子供達は「気持ち悪い」って反応。

大きくなっても君たちはやめてねって心の中で叫んでいました。

お話の世界だけなら気分はいいんですけどね。

実物は見たくないぞ~。

che***様

ドキドキの感想ありがとうございます。

このお話はどこに行きつくんでしょう♪

大学生活でどこまでイチャイチャできるのかなぁ~。

なおピン様

職場ですか?

照れるぅ~。

ニヤケ度UPのお話をこの連載は書いていきますよ♪

ご自宅でじっくりまた見てくださいね。

b-moka

明日はまた天気がこちらは崩れそうです。

中学校は給食の時間が15分しかないそうで食べきれないみたいです。

無理やり食べてるって言ってました。

そのうち足らなくなるかもしれませんけどね。

余裕のある司に余裕のないつくしをセットにしたくて♪

今回は司に色気ただ漏れで迫らせたいんですよね。

いつもいじめちゃってますから~。

心ばかしのお返しを考えております。