不機嫌なFACE 3

このお話、短編のつもりでスタートさせたはずなのですが、長編で行けるかもって思ってる自分がいます。

引きづりこまれてはだめッ!て思いつつ行きたい衝動が~。

タイトルをしっかりつけたせいかなぁ(^_^;)

お話を終わらせていたはずなのに書いてるお話が増えてるのはなぜだろう・・・。

更新が遅くなってることにお詫び申し上げます。

PW申請への返信が気が付けば2000通を超えていました。

これはPCからの返信分だけなので携帯を合わせるともっと多くの数になると思います。

この申請を通してブログ内では訪問をしてもらってると気付けない方ともつながりを感じとれるのは大変うれしいことです。

年齢が18歳以上だとわかる表現の記載があれば全てPWは返信させてもらってます。

メールアドレスは合ってるのに送信しても返信が届かない、エラーが表示されるなどの場合もあります。

携帯メールでは文字化け、PCからのメール拒否の設定がされている場合。

最近多いメールが返信できない理由です。

返信がお手元に届いてない場合はお手数ですが再度ご連絡をお願いします。

*

西田がコホンと咳払いを一つ。

周りにいた西田の部下は心得たように姿を消した。

3人になったところで、もう一度西田の表情を見る里井。

お前に問いかけてるのは俺だッ!

いいですかって許可を取る相手間違えてねェか!

俺の正面に体ごと向きを変えた里井が大きく一息ついて口を開き始めた。

「つくし様が買い物がしたいとおっしゃったので、御屋敷から車を走らせていました」

里井は言葉を慎重に選んでる感じでゆっくりと話し出す。

そのテンポがぬるいッ!

早く要点だけを言え!

叫びたいがその声を飲み込む。

さっき俺の怒鳴り声で鳴き声を上げた舞はまだ半べそのままだ。

これ以上泣かれたら執務室が乳児室に変わってしまう。

言いたい思いを乗せたまま睨みつけるように里井を射る視線。

「代表、しかめ面の前では里井も話しづらいと思います」

西田の無表情も同じようなもんだと思う。

俺たち二人は人からスムーズに話を聞きだせるタイプじゃねェよ。

諭して落とすタイプの西田。

俺の場合は威圧と脅迫で吐かせる。

うんうんうなずきながら親身に話を聞きだすのはつくし。

あいつが一番他人から話を聞きだすのはうまい。

人にすぐに騙されるのが欠点。

弁護士になって慎重になったって言ってるが人の好さは全身から放出中。

すぐに信じ込む弁護士で大丈夫なのだろうかと思ってる俺。

「大きな交差点で赤信号で、車が止まりまして・・・」

額に浮かび上がる冷や汗。

里井が手の甲でそれをふき取る。

俺には買い物も交差点も全然関係ねえぞ?

どこにつくしの不機嫌の原因があるのだろう。

考えこむたびに眉間に寄せる眉。

「ビルの大画面に司様のCMが映し出されていました」

あのCM評判いいと聞いた。

「最近は経営者が会社の宣伝を担うことも珍しくありません」

「滅多に会えないお子様たちもお父様がテレビ画面に現れればお喜びになると、もちろんつくし様も喜ばれると思います」

しぶしぶながら西田の口車に乗って撮影したCM。

いまだにつくしの感想は聞けていない。

「道明寺のスポンサーしてる番組の時間ってさ、仕事か、子供と寝ちゃってるんだよね」

あっけらかんと笑ってたあいつ。

「若い女性が大画面をバックに撮影されてたのをはじめはにこやかにつくし様も眺めていました」

なら問題ないんじゃねぇの?

顔を見合わせた西田の背中の翼はすやすやと寝顔を見せる。

俺の胸元では舞がきょとんと涙の溜まったままの瞳で俺を見つめてた。

これ以上泣くなよなぁ~~~~。

『「このCMって、好きなのよね」

「会社のTOPってだけじゃもったいなくない?」

「もう♪なんか芸能人でもないのにかっこよすぎだよね」

「下手なタレントよりもっとテレビでてくれないかなぁ。売れてる芸人より絶対視聴率とれるのにッ」

「『世界のクールビューティー』ってさ、雑誌とかに書いてあるじゃん」

「今流行りの俺様キャラだし、冷たい視線を向けられてもポッて体が熱くなりそうだよね」

「いじめられたい~~~~ッ」

「それに・・・このCM、冷たい表情が一気に微笑んで優しいのよね。ねッ♪」

「目が離せなくなる」

「このCM、エロくない?」

「もう、フェロモンまき散らしてるし~い!!」

「確か、結婚して子供3人いるんだよね」

「見てるだけで、妊娠させられそう~~~っ」

「やだっ~~~、それじゃ私たちもう妊娠させられてるかも~~~~~~っ」

「きゃはははっ」

「でも、生活感ないよね?」

「結婚してる感じもしないしね。子供と遊んでる雰囲気より女性を口説いてるイメージの方があるって思わない?」

「思う~っ」

「こんないい男が奥さん一筋って贅沢だよね」

「いい家庭人よりそっちの願望の方がいい!」』

「・・・と、女性達の会話が耳に入るたびに後部席の窓が完全に開いて、つくし様は窓から落ちそうな位に身を乗り出され、無口になってしまわれました」

「そして一言、会社に行くようにと指示を出されてこちらに向かったのです」

里井・・・

よくそれだけの会話を覚えていたよな。

そこに俺がつくしにアタラらる理由があるってことなのだろう。

CM?女性の会話?

それがつくしの拗ねた原因ってことか!

もしかして・・・

俺が知らない女が話した内容に嫉妬か?

単なるCMの感想じゃねぇか。

モテるのが許せねぇとか?

CMで人気が出て困るとか?

俺にはどうしようもないことだ。

カッコいい旦那様を持って幸運とか思えつーの。

フェロモンまき散らしてねェし!

見つめるだけで妊娠させるって、俺にとったらなんの楽しみもねえじゃん。

だからってつくし以外とそんな関係を持つつもりはさらさらない。

モテなくても、フェロモンなくても困らねェよ。

お前が俺のそばにいればそれだけで満足な俺。

安上がりだろうがぁ。

「・・・代表・・・代表!」

「なッなんだ」

数回目に呼ばれて気が付く西田の声。

「顔が緩んでます」

たくっ。

そんなことにすぐ気が付くなッ!

不機嫌に舌打してすぐに頬を締める。

つーか。

やっぱ、すぐに緩みそう。

あいつ、完全な嫉妬だよな。

こんなわかりやすい嫉妬って珍しいじゃん。

最近あんまり密に相手してねぇ影響が出てるとかあり?

グフッ・・・。

緩みそうな口元を隠すように拳を唇に当てる。

つくしがあからさまに嫉妬を見せるのは珍しい。

これからもCMに出演するってよくねェ?

「なんてことはないって事ですか」

「すぐに、仲直りできそうですね」

顔を寄せ合う中年男性二人。

一人は初老に近い。

「バカらしいことに巻き込まれないうちに早々とお子様たちを引き取りに来てもらたほうが害が少なくてすみそうです」

「あのままだと今日の会議の進行に支障をきたしかねない」

「つくし様を連れてまいります」

「お子様が泣き止まないとかいえばすぐに代表のもとに来られるはずだ」

こいつらは俺の小さいころからの付き合いだから遠慮がない。

西田と里井が俺抜きで段取りをつけている。

つくしを連れ戻すことには異論はない。

あいつ、おとなしく車の中で里井を待ってられるのか?

そのままどっか飛び出すって行動も予測できるぞ。

携帯のGPS機能を操作。

このビルの中での赤い点滅を確認してつぶやいた。

「西田、つかの間の夫婦の時間ってありか?」

俺の声に「なにを甘えてるんですか」と西田のため息交じりの声が聞こえた。

「つくしの機嫌を直す必要はあるぞ!」

真面目に顔を作って低めに声を出す。

「30分で終わらせる自信があればどうぞ」

西田が執務室のドアを開いて頭を下げた。

30分・・・

りっかな・・・。

つくしが戻ってきて子どもをあやして、そして西田に子供の面倒を押し付ける。

ここまで5分。

誰もいない執務室で残り25分は二人っきり。

「嫉妬するな」

の会話から「してない」って頬を膨らませるつくし。

会話のやり取りのなかで5分以内にあいつを抱きしめられれば準備完了。

誰も邪魔がはいらなきゃ事の成就まで行けるッ!

何考えてんだろう。

家に帰れば何の問題もない。

いつもと違うsituationを求めるほどマンネリ化してねェし。

あいつのキョドッとした焦る表情は楽しめるかもしれない。

「俺を悩ませた仕返しはしなきゃな」

短い時間も楽しめそうな気がしてきた。

拍手コメント返礼

なおピン様

緩んでる顔が私も好きなんですよね。

モチ松潤で想像してます。

こんな不機嫌なら司は大歓迎でしょうけどね。

機嫌を取る方法も十分すぎるほど心得ているだろうし・・・。

裏目に出たらどうなるかなぁ~。

マネキン見ましたよ。

ネットでしっかり投票しましたしね。

1位を喜ぶ姿がツボでした。

司であの場面かけないかなぁ~と考える私。

嵐の曲は子どもの運動会でよくかかるんですよね。

中学校になるとどうなんだろう・・・。

ちなみに私の携帯の着信は嵐の曲です。