SP物語 12(ソラノカナタ スピンオフ物語)
一平君に相葉君♪
あと少しの辛抱よ~~~~~。
たぶん(^_^;)
この話は「ソラノカナタ18」から~の番外編になります。
*ポケットから出した携帯のボタンを一つ代表が押した。
そんなに強く押さなくても・・・
携帯が壊れます!
それは無用な心配。
一つ間違えれば壊されるのは俺たちだ。
携帯のかけた先は先輩も俺も誰だか想像がつく。
彼女だよなぁ。
「牧野か?」
やっぱりな。
携帯がつながったことに1%の小さな喜び。
ここで「違います」って返事はやめてほしい。
俺たちに聞こえない携帯からの声にわずかに代表の表情が揺れる。
小さく息をついて緊張気味に引き締まる口元。
ほんのりと紅潮する頬。
閉じたまつ毛がわずかに震えている。
その立ち姿は周りの色を取り込んであたりの視線を釘付けにしそうなインパクト。
何をしても絵になるって存在感。
小さくなる車が止まって彼女が駆け戻って彼氏に飛びつく。
ドラマのワンシーンがぷかっと頭の中に浮かんだ。
カメラに照明機材はないよな?
レフ板を持ってるやつが居たりしてな。
そんなわけはないのに思わず周りを見渡せずにはいられなかった。
「一平、何している」
「あっ・・・えっ?」
「不審者はいないかと・・・」
相葉先輩の声に動揺しながら誤魔化す俺。
俺の頭の中を見られたら、この状況でよくそんなこと考えられるなって呆れられるに決まっている。
「俺はお前だけだからな」
携帯を握っている指先がキュゥと動く。
「抱きたいと思うもの、抱きしめられたいと思うのも」
「牧野じゃなきゃ意味がねえ」
うひゃー
代表の言葉に相葉先輩と顔を見合う。
「一平、赤いぞ」
「先輩も同じですよ」
赤面しているのは代表より俺たちの方。
誰にでも言えるセリフじゃない。
イマ・・・ココデ・・・ニホンゴヲ、リカイシテルノハ・・・オレト・・・センパイ・・・フタリだけ・・・だ。
顔面が発火しそう。
What?的な表情は白人のSP。
俺たち以外には甘いセリフは理解できないはずだ。
感情をオープンに表現する外国人にはありふれたセリフで、俺たちの反応が珍しがられたりして・・・。
ムズッとした感覚は大腿部から臀部を伝わり背中に広がるようだ。
そんな告白を言える相手もいない独り者だという現実を差し引いても・・・
俺には無理だ――――!
抱きしめたいはわかる。
抱きしめられたいって・・・。
代表を抱きしめる彼女って想像がつかないんです。
彼女の胸に顔をうずめて、頭をなぜなぜとか・・・。
絶対ありそうもない。
「一平・・・ヘンな想像はするなよ」
先輩の鼻先に赤い斜線が見える気がした。
先輩も俺と似たようなこと絶対想像している。
俺より照れているでしょ!
代表は身動きもせず見えなくなった車の陰影をいまだに視線の先で追いかけている。
身動きもせずにひたすらに代表の次の動作を待っている俺たち。
握りしめていた携帯は耳もとからだらりと大腿まで力なく動いた。
そしてまた腕は90度に曲がる。
掌の中の携帯の画面を愛しそうな表情が見つめている。
まるでそこに彼女がいるかのように・・・。
俺!
代表が好きになりました!
抱きついて慰めたい気分!
くるっと踵を返しながらスラックスのポケットにしまい込む携帯。
ポケットに手を突っ込んだままの代表が俺の目の前に迫る。
なにしてる!の冷たくて鋭い視線。
さっきのほっとけないような雰囲気はなし。
あっ・・・。
抱きつけるわけない。
チワワがドーベルマンに変わった恐怖。
後方数メートルは体が飛んで下がった。
「これ以上、俺の邪魔はするな」
前を通り過ぎる瞬間に冷たくひびく声。
俺って・・・何か邪魔したか?
女性と浮気的な現場をつくって彼女に見られたのって俺たちのせいか?
邪魔をしなかったからそうなったわけだし・・・。
それは屁理屈ってわかっている。
俺は!相葉先輩に言われたことをやっていただけです!
俺の思いは知らない相葉先輩が「がんばれ」って言う様に肩を手のひらでポンとたたく。
俺じゃないですよね!
言えない声がむなしく頭の中に響いてきた。
拍手コメント返礼
おはようございます。
一週間が始まりましたね。
『さあ今週も頑張るぞ』(もち更新のことです)と思いながら始まる月曜日です。
抱き着いたらやばいですよね。
悩殺から瞬殺に変わる危険性~。
言葉を撤回したくなるのも確か。
感情の激流~。
つくしは好きになっちゃいけないよ~と思いつつ
>しかし、チワワがドーベルマンに・・・・・ってくだりは吹き出しましたね。うん!うん!!そんな感じだよぅって!!
司のチワワって似合わねェ by F3 (笑)
Gods&Death様
旦那様のマッサージ、優しいですね。
うちはやってもらっても痛そうだ~。
>客観的に司を見るスピンオフは実際に見れない私にとっては、妄想に大変役に立ちうれしいです。
F3や西田さんと比べれば親密にはなりにくい関係の立場からの視点ってわりかし客観的に分析してる感じがするんです。そして思う様に解釈♪
SPと司の距離感って書いていても楽しいって思います。
ゆげ様
おかえりなさい♪
お姿が見えないので出張かなっって思ってお待ちしておりました。
ドバイだったんですね。
お疲れ様でした。
新作もはじまりましたよ♪
終わっても減らない連載・・・減らしたいはずなのに~~~~。
>一平くんも相葉先輩も愛すべきキャラですね(笑)。特に一平くんは、THE 新人って感じの思考で笑いました(^∇^) >チワワがドーベルマンに変わった恐怖。 司がチワワって、普段はないわー!と思って、ウケました(笑)。
司をチワワって言ってくれるのは、一平君だけかも~。
つくしには「かわいすぎっ」てゲラゲラ笑って大うけしそうですよね。