Happiness 3

あきらと葵の物語も司とつくしの物語と並行して進めていきたい思い入れが生まれています。

このまま道明寺ファミリと美作ファミリーが出来上がって・・・

西門と花沢は?

何時かはファミリーの形ができるのでしょうか?(^^)

もし、あきらと葵の物語を花男から離して書いてみたらどうなる?的なことを考えてます。

下弦の月~』のお話を構成を変えて書きなしてみるという挑戦。

2話分までは修正完了してますが、比べてみても楽しめるかなぁ。

微妙に公開する自信が持てずに悩んでいるところです。

*

目覚めたベッドでけだるい半身をゆっくりと起こす。

ゆるゆると開いた目に映るのは白いシーツ。

ピンと張っていたはずのシーツに浮かぶ波の跡が一人じゃなかったって伝えている名残。

先に起きたか・・・。

寝ぐせの付いたままの髪を指先が不満げにクシャと掻き上げる。

小さくついたため息はそのままわずかに口元を緩めて小さな笑みを漏らす。

俺の横で寝ていたはずの葵の残像に「置いていくな」と囁く声は自分でも驚くほどの優しさを含んでいる。

時計の針は8時を過ぎている。

『先に行っている』

こんなつれないメモを1枚テーブルの上に残して葵はいなくなっているのだろう。

予測のつく行動。

思った通り、朝食の準備がされたテーブルで白い紙に書かれた丸っこい文字。

『先に行っている』と大文字で書かれた後に遠慮がちに『愛している』の文字が小さく並ぶ。

照れくさい表情で付け加えて書いている葵が浮かんで、さっきよりも口元が緩んでしまっている。

俺を置いて行ったことは許す。

そんな甘い気分が俺を包み込んで皿の上のウインナーを一つ口の中に指先でつまんで入れた。

9時に迎えに来た車に一人で乗り込み会社に向かう。

事件から半年を経過して俺たちの日常は平穏に戻っている。

俺の目の前に立って今日の予定を読み上げているのは一之瀬。

「聞いています?」

「聞いているよ」

一之瀬から顔をそむけて、デスクに肩肘を乗せ、頬杖を付いたままの俺に、一之瀬はお行儀が悪いとでも言いたげな保母の顔だ。

「葵さんは忙しいのですから」

「誰も、そんなことは聞いてないだろう」

退職前に本来そこまで忙しい仕事が振り当てられているわけはない。

葵は俺の秘書だしなッ。

出社も退社も俺と一緒で問題ない状況。

そのはずだった。

「退職の引き継ぎの邪魔に入る会長・・・」

頭を抱えながら一之瀬は大きく息を吐きながらつぶやいた。

孫の嫁に御執心な祖父って、どうなんだ?

「葵さんを借りる」

俺がいないうちにやってきてはさらわれる。

「未来の美作グループの社長を支える妻だぞ。伝手を作っておく意義は大きい」

「元気なうちにあきらの嫁を友に紹介できるのをどれだけ夢見たことか・・・」

「それも恩ある東条家の一人娘の葵さんを嫁にできるんだからなぁ」

芝居がかった泣き落とし。

ダメですって否定するものなら「ウッ・・・心臓が・・・」って床に膝をつく演技まで。

この前の検診では異常なし60歳並みの体力って診断されていますよね!

言えずに、「大丈夫だから」と微笑む葵に後押しされて、「どうぞ」って、返事をする俺は優しすぎる。

「社長の仕事に支障は、出ないので大丈夫なのですけどね・・・」

ため息交じりに困ったような顔を見せる一之瀬。

「葵さんが休めるように配慮してくださいね」

俺に忠告?

もしかして葵の奴、寝不足の顔で出社したか?

余計な葵の負担を増やしているのは明らかに爺様だ。

俺じゃないはず・・・。

昨日も手加減した・・・つもり・・・だ。

たぶん。

一之瀬が爺様を止めなくて誰が止められる!

俺は、自分じゃ自分を止められなくなる。

その半分は葵のせいで・・・。

やっぱ疲れさせたか?

ギリギリまで仕事させずに早めに葵の仕事を辞めさせるのがいいのかもしれない。

「葵はどこに連れていかれたんだ?」

「ゴルフです」

「ゴルフ?」

「葵は、ゴルフはやったことないだろう」

「いいんじゃないですか、茶飲み友達みたいな感じでしょうから」

大手企業の会長、相談役、現役を半分引退したような年寄りでもそのほとんどが食えない人物。

気を使う相手には違いない。

爺様一人だけの相手でも俺はうんざりする。

葵は化け物3人と対峙するのと等しい。

「心配ですか?」

やけにうれしそうな一之瀬が俺の顔を覗き込む。

「ゴルフ場はどこ?」

「道明寺カントリークラブです」

「今日の予定すべてキャンセル」

「承知しました」

真面目な表情で頭を下げる一之瀬。

顔を上げかけた一之瀬は手に持っていた書類で口元を隠している。

目が笑っているよ。

苦笑気味に一之瀬を眺めてそのまま会社を後にした。

拍手コメント返礼

妙様

いたんです。

「誰のおかげじゃ~~~」と爺様が私をせっつくもので♪

出番を差し上げました。

構成を変えたお話はUPする場所を見つけましたらお知らせしますね。

b-moka

一之瀬さんも西田さんとは違った意味であきらのそばにいてほしい感じがします。

秘書同士の座談会もいつか書いてみたいですしね。

ゆげ様

お留守の間に「君じゃ~」はおわりました。

そしてまた続きのお話が・・・(^_^;)

結婚に向けていよいよ!で~す。

>どんな結婚式になるのかな~♪あきらくんママの趣味が取り入れられるのか気になるところです(笑)。

そこをどう表現するかが難しくて~~~~~。

>あきらくんと葵ちゃんの余裕がある空気感が好きです。年上って感じがしないけれど、葵ちゃんが年上だから、落ち着いてる感じがするのかな~。

つかつくにはないゆったりとした空気が私も好きなんです。

書いてても余裕♪

> 一之瀬さんもキャラ立ってますね(笑)。やっぱり濃い人じゃなきゃF4の秘書は務まらないのかも…(笑)。

みんな個性が光ってますよね。

F4とは違った意味でね。

> ひーさまが、更にキャーーーー―ッ。ってなっちゃうかもしれませんが、スタバの女子スタッフの何人かがこちらにお邪魔していると思います(笑)。

えっ!

うれしいような恥ずかしいような・・・。

携帯片手に楽しんでる方を相手にしてるスタバの方!お知らせを~~~~~。

ゆげ様の情報をお待ちしてます。

出来れば携帯で激写メールでも構いませんので~

アドレスは  *******(冗談ですから~~~~~~~)