FIGHT!! 29

この話の方向は・・・。

駿君の入園式からずいぶん経ったような気がします。

この中の時間はゆっくり経過してるんですけどね。

去年の9月から書いてるんだよなぁ・・・。

話は変わりますがもう一つPVをご紹介

篠原千絵先生の漫画家生活30年の軌跡をたどる豪華記念ボックスのプロモーション映像です。

プレミアムディスクが欲しい・・・

*

「お前に近づいた阿賀野ってやつ、今のところ問題はなさそうだ」

阿賀野の夫が経営している会社もうまくいっているようだしな、少しは道明寺ともつながりがある」

「調べたの!」

参観日から3日も過ぎたころ、会社から帰ってきた司はソファーにどさっと座って脚を組みながら言った。

背もたれに背中を預けてゆっくりと指先が司の首元のタイを緩ませるように動く。

目の前の司は飛びついた格好の私にはピクリとも心も体も動かしていない。

じっと見つめる瞳。

指の動きもしなやかで・・・

タイを緩めているだけなのに・・・

肌に触れられているような・・・

触れられたいような・・・

錯覚を植え付けてくる。

司に迫るこの距離ならタイを緩めるのは私の役目・・・。

無駄に色気のある男って、状況によっては害だ。

そんな色気を漂わせても今日はノラないッ!

「不満か?」

たっぷりと10秒の沈黙の後のやけに低い声。

お前が膨れるのは分かっていると言うようなあからさまな視線。

ムカつく。

この余裕だと確かに阿賀野さんと付き合っても問題はなさそうだ。

司の私への心配事は解消されているらしい。

と・・・いっても、阿賀野さんと会う予定も、時間の余裕も今のところ私にはない。

平日は道明寺本社ビルに勤務、夜も何かと公の場所に司に付き合わされてしまう。

会社が世界規模だと付き合うのも各国のお偉方。

夫人同伴が当たり前って世界。

一緒に出席せずにいられたのは妊娠後期と出産後の短い期間だけだった。

週末に出かける元気なんて残っているものか。

休日は子供と過ごすのが目下の私のストレス解消だ。

「勝手だよね」

「調べたことがすべてじゃないこともあるでしょう」

「だから?」

声を出すたびに荒くなる声。

私が声をイラつかせるのと対峙するように司の声は冷静に返される。

「道明寺の力を見くびるなよ」

押さえつける威力のある声。

威圧的な視線を向けられても怯まずにいられるのは、その瞳の奥の優しさを知っているから。

慎重になって悪いことはない。

わるく言い換えれば過保護すぎだ。

子供達ならともかく私はしっかり自立した大人だ。

そのつもり!

司を煩わせるつもりは毛頭ない。

そう強く言えない弱みもあるんだよね。

今までがいろいろありすぎるからなぁ。

騙されたとしても、泣くことになっても、そして傷つけられたとしても、私には耐える力も立ち直る力もあると思ってる。

司と出会ってどれだけ鍛えられたと思ってるのだ。

私を立ち直れない位に傷つけることができるのは司以外に最強なものはありえないんだから。

「ベッドで泣かせたこと位しか覚えがない」

ニンマリと言われそうな気がした。

私に断りもなく阿賀野さんを調べたことは司にとっては当たり前のことで、これっぽっちも悪いなんて感情を司は持ち合わせていないはずだ。

私のためだって分かっていても心が受け入れられないってことはある。

今までも、たぶんこれからも。

身辺を調べないと人とも付き合えないって悲しすぎる。

それが必要なこともあるって知っている。

この状況に慣れるのは司と結婚して5年位じゃ無理だ。

10年経っても慣れたくはない。

人を信じる大切さは司もきっとわかっている。

道明寺の地位がそれを許さないだけなんだ。

「お前を怒らせたいわけじゃない」

司は大きくため息をつきながら不機嫌そうに眉を顰める。

私も司を怒らせたいわけじゃない。

いつもより帰宅の早い司と笑って過ごした方が楽しいに決まっている。

司の座るソファーの右横にすっぽりと穴の開いた空間。

呼ばれているような気がした。

緊張したままに司の横に収まる。

しょうがないとでもいう感じにしぶしぶと動いた道明寺の腕はそのまま私の肩を抱く。

「びくつくな」

「いまだに司に触れられるとドキッとなるんだもん」

驚くように見開かれた瞳。

「俺もいまだにドキッとなる」

細めた目はそのまま照れくさそうに小さく笑った。

司の息が頬に触れる。

柔らかな感触が頬をなぞる。

私はそっとまぶたを閉じで唇が触れ合う瞬間を待つ。

唇に感じる甘い吐息。

「あっ・・・」

「へ?」

触れ合うまで1ミリの距離は10㎝に離れて私は俯く。

「ごめん、携帯」

薄い部屋着を揺らす振動が私に着信を知らせてきた。

拍手コメント返礼

b-moka

過保護って言葉つくしちゃんには似合わないと思いつつ、過保護にしたくなるのは司だけだと・・・。

案外類も・・・。

ひつじ様

>つか×つく、やっぱり最強ですよね。

この二人に変われるものは私の中にはありませんン(笑)

私も最近はあんまり読んでる物はなくて・・・

>篠原先生、30周年ですか。 「闇のパープルアイ」好きでした。

懐かしいなぁ~立ち読みしてた思い出があります。

チェーザレ」は私も読んでいます。

Gods&Death様

こんな日常だったら誰もこの二人の部屋には遠慮して近づかないだろうな・・・。

子どももしっかり邪魔しちゃいけないと思ってたりして~~~~~。

私も昨日は洗濯に没頭していました。

これでやっと毛布が片付いた♪

今日もこちらはいい天気です。

土曜日なのに子どもは部活、旦那はゴルフ♪

平和です。

ゆげ様

一気読みお疲れ様です♪

そうですよ~西田さん日記もありますよ♪

高校生になるまでマックに行ったことがないお友達。

いるんですね。

捨てられたトレイもびっくりしたでしょうね ← トレイを擬人化しても・・・。

>こんな会話をしているつかつくに、LOVE過ぎてキレそう~(笑)と思っていたら、携帯に着信がっ!?誰?誰~?

簡単に押し倒させません!

最近甘そうで甘い展開を書いてない気がす~る。

携帯は誰かなぁ~~~~~~~。 ← 引っ張ってます♪