思い出は虹色に輝く7

さてここから司君は脱出できるのか!

本当に詰めが甘いんだからなぁ~。

けしていじめてるわけじゃありませんから!!!!!

*

苛立ちの表情の道明寺に引っ張られて店を出る。

「あいつら、当たり前みたいについてくるっ」

不満げな道明寺と私を追い越してにんまりとした顔がならんだ。

「そう邪険にするな」

「どうやって切り抜けた?って、表情している」

「俺たちを見くびるなよ」

「早過ぎだろうッ」

目の前の道明寺は西門さんと美作さんに挟まれている。

「いま、デート争奪じゃんけん大会開催中」

「もち俺たちだけじゃないからな」

「へ?」

「景品は・・・」

西門さんの指先が順序良く自分を指して、美作さん、花沢類、道明寺と止まった。

「なんで俺まで!」

眉を吊りあげた表情はそのまま西門さんの鼻先に迫っている。

「俺たちをはめようとして無傷でいられるなんて甘いんだよ」

対抗する西門さんの強気な声。

「あっ、牧野の争奪じゃんけん大会は俺たち3人でやったから」

「はぁっ!」

道明寺と声がそろってしまった。

「私の争奪てなにッ!」

「俺が許すはずねェだろうがぁッ!」

「俺がチョキで勝ったから」

花沢類が軽く右手を挙げてチョキを作って左右に振る。

「牧野、どこに行きたい?」

「牧野の好きなところでデートをしよう」

にっこりとほほ笑んだ無邪気な表情がそのまま私の返事を待っている。

「今日じゃ・・ないよね?」

斜め向こうの不機嫌な奴を気にしながら遠慮がちにつぶやく。

「今日じゃなくても永久にあるわけねぇだろうッ!」

0.001秒の速攻で道明寺が私の前に身体で壁を作った。

「プッッッ」

一気に吹き上がる3様の笑い声。

「もしかして・・・冗談・・・?」

すぐ横でクッスと笑っている花沢類に確認するように視線を送る。

「司がデートしたら牧野は嫌でしょ?」

「牧野が嫌がることは根本的に俺たちがするわけがない」

「司が嫌がる顔なら見たいけどな」

「てめぇらッ」

ギュッと握りしめた手のひら。

そのまま西門さんの背中に飛びつく道明寺。

左足はしっかり美作さんに向かっている。

「わっ!やめッ!」

「冗談!」

逃げる仕草で聞こえてくる声は叫び声じゃなくて楽しそうな声が混じっている。

こんなF4を見られるなんてきっと他にはいないはずだ。

いつもクールで、スマートで、華やかさを身にまとってる大人の雰囲気

子どもみたいにはしゃいでる姿もカッコいいって思うけど。

あっ・・・

今、西門さんが道明寺の脛を蹴った。

道明寺が今度は美作さんの背中に乗っかってる。

振り落とされて道明寺が尻もちをつく。

道明寺の首に腕を巻きつけた美作さんが反撃の体勢を作る。

花沢類だけがその中には入らずにただ笑ってみているだけだ。

目の前の4人がセピア色に染まって、体が小さくなって時間が過去に戻って無邪気な声を上げる。

小さい子供の4人を見ているような錯覚。

倒れた西門さんと美作さんを抑え込むように道明寺がドカッと腰を下ろす。

満足げに鼻をすするガキ大将の道明寺がそこに君臨。

可笑しくって、楽しくって、遠慮なくケラケラと声を上げていた。

拍手コメント返礼

tsun様

本当はもっとF4のじゃれあいを丁寧に書きたかったんですが、じーっと背後霊みたいに後ろに子供がくっ付いてて、書いてる傍から声を出して読むものだから、だんだんと恥ずかしくなってそこそこでUPしちゃいました。

耳もとで読まれると恥ずかしさが倍増しますよ。

ブログでたくさんの方に読んでいただいてるのに娘には見られたくないと思ってしまいます。

大人になるとなかなか友達と会う機会が減って疎遠になりますよね。

子どもが生まれてすぐに友達の誘いに乗って出ていく旦那にキレタことがあるなぁ。

友達と遊ぶことなんてこっちはないのにってね。

ゆげ様

バカだなぁって思うことができるのも若さですよね。

許される範囲は年齢とともに狭まっていくんだからぁ~。

この後の展開は!

逃げられるのかなぁ~。