FIGHT!! 31

さてこのお話に楽しそうなコメントをいただいて私の頭の中は二分化状態に陥ってます。

私の想像を超えた発想のコメントは刺激してもらえる宝の宝庫であります。

それでも枝分かれはしませんからぁ~~~~~。

*

うっ・・・

壊れている。

床に落ちたと思った携帯はテーブルの上の水差しを直撃したようで・・・

テーブルの上に流れ出た水たまりの中に落ちて死んだ。

今度から防水にしよう。

私が携帯を変えたのは半年前で、その時は真二つに折られて壊された。

あの時も確か夜中の呼び出し音に甘い雰囲気が壊された司の怒りが携帯に向けられた行動。

私の手の中から携帯を取り上げられて発せられた凄みのある声。

「甲斐ッ!お前は!わかってるだろうなッ」

いやー・・・

甲斐さんは分からないと思うけど。

次の日そのことには全く触れようとしなかった甲斐さんはあまりにも痛々しくてしょうがなかった。

あれから甲斐さんが夜に私の携帯を鳴らすことは二度と無くなった。

防水だけじゃ対処できないか・・・。

「なに悲しそうな顔している」

子供たちのいろんな表情を携帯カメラでどれだけ撮っていたと思ってるのよッ。

きっとメモリーカードのデーターも壊れている。

駿の入学式の写真。

F4と駿が並んだお茶会のベストショットを待ち受けにしていたんだから!

返せッ!

もっーーー!!

後ろから覗き込んだ司は惜しげもなく裸体をさらしたままで・・・。

「変なもの見せるなッ!」

「ヘンって、さっきまでべったりだったろう?」

司の右手の人差し指は下に向けられて・・・。

悪びれない表情はそのままニンマリと唇を動かす。

指でさすなッ

焦る私をからかって楽しんでいる。

わぁーーーッ。

抱きつくな!

腰を寄せるなッ!

胸をもむなっ!

薄での部屋着から伝わる司の固い腹部、その下のさらに固い高まり。

落ち着いたはずの司がそのまま二度目の行為へ移行したがっているのが分かる。

「もう朝だから・・・」

「まだ、30分はある」

「今日は出勤なのッ」

ダメだって嫌がる私の頭を抱きとめたまま首筋をなぞるキス。

ここで応じたら出かけられなくなる。

「イテッ!」

「どこ握ってんだッ」

私から飛びのくように司が離れた。

少し涙目の司が私をにらむ。

「言うこと聞かないからでしょうッ!」

「使えなくなったら困るのはお前だろうがッ」

「困るって・・・」

さっき握りしめた掌の感触。

フランクフルト的な弾力感。

そこまで強く握ったつもりはない!

丁度握りやすそうな位置に在ったんだもん。

「どうせ触ってくれるなら優しく触れ」

触って・・・

さわ・・さわ・・・

いくら握りやすかったからって、なんであんなモノを掴んだんだろう。

思ったより司が怒ってないから助かっている。

そのまま浴室に逃げ込んでカチャリと中から鍵をかけた。

会社へ向かう車の中は互いにそっぽを向いて無言のまま。

重たい空気に先にため息をついたのは司。

「怒ってねぇから」

観念したように聞こえた声。

そっぽを向いたまま左手を包み込む司の指先。

「ごめん」

素直につぶやいたのになんとなく視線を向けられなくて、車の窓に映る司を確かめている。

「あっ、私、今携帯持ってないから」

そのくらい分かるって冷めた視線。

「俺が壊したんだからな」

壊したのを謝っている素振りは全然なし。

「新しいのを持って来るように西田に手配させる」

「いいッ!それはいい。自分で買ってくる」

純金とか、プラチナとか、ブランドなんかの特別仕様の一点物を持ってこられても困るのッ。

一度断れなくて持たされたダイヤのちりばめられた携帯。

盗まれたり落としたりしたらどうする!

着信音がなるたびに気が気じゃなくて見られないように両手で隠していた。

普通の使い勝手の良い電話とメールができる機能だけで十分だ。

数百万する携帯って必要ない!

それにいつ壊されるかもわかんないんだからッ。

携帯を手に入れてすぐに鳴る着信音。

着信名は見なくてもわかる気がする。

阿賀野さんかぁ・・・。

やっぱりそうだよね。

「何度も電話したんですけど・・・・」

「すいません、携帯を壊されちゃって」

「えっ・・・壊されたって・・・それって・・・」

もしかして携帯を投げられて落ちた衝撃音が阿賀野に聞こえていた?

「あっ、私の不注意ですから」

沈黙の中から聞こえてきた携帯の向こうからの溜息。

「いつ会えますか?」

息を一つ吸って聞こえた不安げな声は阿賀野の緊張感も私に伝えている。

「明日のお昼の二時なら時間が取れます」

道明寺本社ビルの近場のお店を指定して携帯をきった。

関連記事では番外編を2話はさんでいます。

この続きはFIGHT!! 32となります。

拍手コメント返礼

b-moka

携帯を壊すのもなんてことないでしょね。携帯で済んでよかったと思わなくちゃね。

普通の携帯を壊れるまでは機種変更せずに使ってるイメージがつくしちゃんにはります。

そう言えば花より団子のドラマの1でつくしが使っていた携帯の機種が私の持っていた携帯と同じで、

いまだに捨てられない私です。

ゆげ様

浮気を疑われて折られた携帯の話は聞いたことありますね。

電話がかかって壊すのは司暗いだろうなぁ~。(笑)

超高級携帯を買うのはセレブですよね。

一般人は欲しいとも思わないと・・・。

握られたってF3に喋る司。

想像したら爆笑でした。

うん♪

楽しそうな短編が浮かんできました。

もうッ!連載が滞りそうですよ。

なおピン様

私も見ましたよ♪

短いのと長いの~。

得した気分になるのはなぜだろう(笑)

>可笑しくてふき出しちゃいましたよ~!

あ~つかつくだったら・・・あり得る!あり得る!ってね。

司も微妙というか複雑というか・・・触れたところがね・・・

痛いだろうけど、そこをつくしが触れるという事が・・・/////

司の心境としたらどうなんでしょうねぇ?

「おっ♪」と喜んで 「ギャッ!」?

天国から地獄なのかなぁ。